【スーツケース図鑑】若手女性デザイナーの自信作！oltimo カパッとオープンキャリーをレビュー
どうも、三度の飯よりスーツケース、スーツケースの伝道師さとです。スーツケース、トラベルグッズのバイヤーの私が今日も大好きなスーツケースを徹底解説していきます！
今回は女性デザイナーが手掛けた、便利で可愛いスーツケース「oltimo カパッとオープンキャリー」の登場です。
oltimoってどんなブランド？
oltimo（オルティモ）は、1991年創業のロジェールジャパン株式会社が展開するオリジナルブランドです。「女性が使いやすいよう、よりPOPでカラーバリエーションに富んだキャリーケース」をコンセプトにモノづくりをされており、初期に開発されたコインロッカーに収納できる小型キャリーケースは家電量販店やかばん専門店を中心にヒット作となりました。現在では女性視点は大事にしつつも、性別を問わずユニセックスなスーツケースを生み出しています。
「カパッとオープンキャリー」ってどんな子？
さて、本日はオルティモの新作「カパッとオープンキャリー」が実際に見れるということで、千代田区の末広町にあるロジェールジャパン株式会社さんへ行ってきました。するとデザイナーのユシーさんが出迎えてくださいました。
伝道師：ユシーさん、本日はよろしくお願いします！ズバッと切り込んじゃいますが大丈夫ですか？
ユシーさん：自信作なので大丈夫です！覚悟してます！
伝道師：それでは早速いっちゃいましょう！
■基本スペック
サイズは機内持込サイズと中型62Lの2サイズ。大型サイズは展開無しです。
「カパッとオープン」の名の通り、収納スペースが簡単に開いて荷物を取り出しやすいハーフオープン式のポケット採用しています。ですので、スーツケースを預けてしまうことがメインの大型サイズは今のところ重要視していないということでしょう。
価格はどちらも2万円台。ポケット付きスーツケースとしてはいわゆる中価格帯の平均的な価格です。
■細部の機能チェック
①カパッと開くハーフオープンポケット
今回一番のポイント、それがこのハーフオープンポケットです。前面にポケットのついたフロントポケットのスーツケースが人気ですが、その派生型ですね。フロントポケットの場合、前面のファスナーを全開にしないと開くことが出来ませんが、ハーフポケットであればその手間が半分になります。パソコンや書類などを収納する方であればフロントポケットのほうが良いという方もいるでしょうが、ペットボトル、傘など細かいものを収納して、パッと取り出したいという方にはこちらのハーフオープンポケットもおすすめです。ちなみに類似のものでは「トップオープンポケット」というものもあります。
はい、こちらがトップオープンポケットです。こちらは開口部が上に向くので、カパッというより「ガバっと」取り出せるようになっています。一方でポケットの形状の特性でファスナーのカーブがきつくなるので不具合が発生しやすい、鍵の機構を設置するスペース確保が難しいといったデメリットがあります。本作はその点が改善されているといえるでしょう。
前面側はメッシュ仕切りのポケットが。ノートを入れてみましたが、A5サイズ、A6 サイズのノートはしっかり納まります。メッシュ素材なので鍵とか鋭利な部分があるものは引っ掛けてしまうかもしれないです。収納物には注意しましょう。ファスナーの引手がリング状になっている点もいいですね。フェミニンな雰囲気もありつつ、指もひっかけやすくて機能的です。
さぁ、このハーフオープンポケット、大きなものは収納できないかというとそんなことはありません。ファスナーを開けると奥のスペースにすぐアクセス出来るので、大きなもの、厚みのあるものはこのスペースに収納すると使いやすいと思います。
②裏技が仕込まれたドリンクホルダー
続いてのポイントはこちら。ドリンクホルダーです。これがあることで内側の収納スペースが狭くなるので不要というユーザー意見もありますが、私は好きですよ！私も自身のコレクションの中でドリンクホルダー付きスーツケースを愛用しており、この機能は使い倒しています。私の場合はドリンクだけでなく、傘なども一時置きさせています。
そして今回おおっ！となったのはドリンクスペース脇にある謎の切込み。これ、なんとスマホスタンドになるんです。
私は空港での待ち時間とか暇なときにお弁当食べながら動画を見たりするんですが、そんなときに置く場所なくて困ることがあるので、この機能のおかげで両手がしっかり使えるようになるのは嬉しいですね！
③あると嬉しいフック付きの底鋲
ちょっと細かいおまけ機能です。サイドの底鋲にご注目。フロントポケットの形状の関係で底鋲は一般的な4点ではなく、3点です。これにより床に寝かせた際の安定性は少し低下してしまいますが、その分、別の機能が追加されています。それはレジ袋などを引っ掛けることが出来るフック付きの底鋲です。
はい、こんな感じです。おまけとしてはあって嬉しいポイントですね。がっちり固定するようなものではないので、走行中もずっと使うというより、待ち時間に一時置きするのに便利な機能ですね。
ただ、フックが広いわけではないので、ハンドルの太いものは引っ掛けにくいです。レジ袋とか、薄めのエコバッグぐらいがちょうどいいでしょう。
④その他機能
荷物の上げ下ろしに便利なボトムハンドル、静音性に優れたヒノモト製キャスター「サイレントラン」も搭載。2万円台のスーツケースであれば付けておいてほしいという機能はほぼ網羅している感じですね！
■メインルーム内装
内装は両面仕切り付き。人前で開けても中が丸見えになりません。特徴的なのはアメニティポーチのようなポケットが２つ付いていることでしょうか。
ハーフオープンポケットの内側はこんな感じです。ハーフオープンなのでメインルームのスペースを圧迫しません。衣類多めの方には嬉しいポイントかもしれませんね。
■個人的マイナスポイント
サイドハンドルの位置が中央より下側にあるので持った時のバランスが平行になりにくいです。
これはハーフオープンポケットがあるがゆえにストッパー機構を前面に付けることが出来ず、その影響で下付きになっているので、わがままは言えない。とはいえ、惜しい！という気持ちになってしまいます。まぁ、自分はそんなにサイドハンドル使うこと少ないので個人的にはそこまでマイナスじゃあ無いんですが(笑)
それから、トップハンドルのすき間は少しきつめです。フラットにしてスタイリッシュな雰囲気はありますが、私のような太めの指には窮屈に感じました。
ちょっと待った！ブランド側からもひと言
好き勝手にレビューさせてもらいましたが、言いっぱなしでは申し訳ない。ユシーさんにも語ってもらいましょう！
伝道師：反論やこだわったポイントなどあれば教えてください！
ユシーさん：反論なんて無いですよ！あ、こだわったポイントに関わってくるんですがファスナーパイピングの仕様変更を説明させてください！
ユシーさん：今回のハーフポケットはトップオープンほどではないにしても、ポケットのファスナーが奥方向にセットバックするので、鍵の機構スペースが狭く、どうしてもその部分がたわみがちになってしまいました。それを改善することに様々な工夫をしたのですが、その一環としてパイピングの形状も見直しました。今回ご覧いただいたのは実は最終変更前でして、販売時の最終仕様ではパイピングがもっとスッキリしたものになります。これによってトップハンドル部分も若干ではありますが、指が入れやすくなったと思います！
伝道師：なるほど、トップのたわみ対策は大事ですよね！たまにその部分が沈み込んでいて鍵が入りにくいものがありますもんね！あれはストレスです。他にはありますか？
ユシーさん：あとは内装のポケットですね！アメニティだったり、ケーブルだったり細かいものがぐちゃぐちゃになるのが嫌なので、それらが入れられるように内装ポケットも少しマチ幅を持たせました。発売前にサンプルを使って旅行に行ってきたんですが、ポケットが多くて荷物がスッキリまとまりましたよ！
伝道師：自画自賛ですね(笑)
ユシーさん：あとは細かいパーツの色合わせもこだわってやりました。
ユシーさん：ケースメーカーは皆さんそうだと思うんですが、この色合わせは本当に大変です。なかなか思うような色に統一出来ず、やり直しもしました。でも、自分が持ちたいと思えるものにしたかったので妥協せずにやりました。
伝道師：こだわりポイントが止まらなくなりそうですね(笑)
ひとつ質問させてください。今回のモデルはユシーさんのような若い世代が好きそうな機能がたくさんあると思ったのですが、であれば他のスペックを抑えて価格を低価格にもっていくという選択肢もあったような気がします。若い世代は低価格に流れている状況もありますし。
ユシーさん：それは思いました。でも、ポケットだったり、ドリンク＆スマホホルダーなどを見ていて、もっと広い世代に刺さるんじゃないかと思ったんです。それであれば納得感のあるスペック、価格で勝負したいと考えました。
伝道師：そういう回答をもらえて嬉しいです。私も昨今の激安スーツケースのスペックには思うところがあったので。「納得感のある価格」って大事ですよね。
ユシーさん：価格重視のスーツケースがダメというわけじゃないんですけどね。今回は私の想いもたくさん詰めたのでこういった形で(笑)
伝道師：いいと思います！本日はどうもありがとうございました！
ユシーさん：ありがとうございました！
まとめ
いかがでしたか？広い世代に刺さるのではないかと語られていた「カパッとオープンキャリー」。一人用だけでなく、小さなお子さんの荷物も一緒に入れてマザーズバッグみたいにも出来そうだし、そこまで派手でないのでビジネスでも使えそうでした。
スーツケース業界はまだまだ女性の少ない業界です。新しい感性で新風を吹き込んでいってほしいですね！