日々通り過ぎてしまうもの
先週末近くの線路沿いを歩くことにした。風邪をひいてしまい運動不足気味だったというのが理由だ。運動と言っても公園をぐるぐる外周して走るほど気力は起こらないし、できるなら景色の感じ方が変わる方が良い。どうせ歩くなら知らない場所がいいと思って数駅先の普段は降りない場所からスタートすることにした。
駅ごとにそれぞれ個性が出ていて面白い。快速が停まる駅の場合、複数路線が流れ込んでくる。駅前の再開発が進み、駅ビルがそびえたちながらも、商店街もその間を縫うようにまだ健在だ。一本路地を入るとディープな居酒屋やスナックが軒を連ねている。昨夜の余韻を残すように乾いたビールの匂いが漂っていた。
一方で各駅しか停まらない場所の商店街も興味深い。メイン通りから外れると人がすれ違える程度の幅のアーケードがあり、昔ながらの鮮魚店や精肉店、新しくお店を始めたであろうスタイリッシュなコーヒーショップが並んでいた。閑静な住宅街と溶け込んでいるような感じがする。
独立系の小さなブックストアなども見つけることができたし、割と収穫だったのではなかろうか。約2時間だけれど普段通り過ぎてしまう場所で、とても身近な旅を満喫することができた。