#4 【 Kujira 】 $sKUJI 仕組み考察 #Terra #Defi
すいすいです。
今回Kujiraのガバナンス、3つ目の提案で可決確実となったsKUJIについてトークン設計の解説と今後の予想について書いていきます。
すでにKujiraファンの方へ向けた記事です。
Kujiraとは何ぞやという方はこちらをチェックしてみて下さい。
sKUJIとは
sKUJIとはKUJIをステーキングすることで発行されるトークンで、その中身はKUJIとKujiraで発生した収益が合わさったものです。
Kujiraで収益が発生すると、sKUJIのプールにその収益が追加されていきます。
sKUJIの仕組み
入金時、KUJIをIN→sKUJIがMintされる。
出金時、sKUJIをIN(バーン)→KUJI+Kujiraで発生した収益(bLUNA、bETH、aUST+今後追加されるbアセット)がもらえる。
という風なやり取りになります。
具体的なシチュエーションで解説します。
登場人物はAさんBさんCさんです。
計算しやすいようにKUJI=$0.5、bLuna=$50 とします。
初期のプール
まずAが4000KUJI、Bが6000KUJIをプールに預けてsKUJIをMintしました。
預けた時にMintされるsKUJIの量は、UST建ての合計プール値、預けたKUJIのUST建て値を計算して、sKUJIの合計循環量に比例した量を受け取ります。
2人は最初の預け入れ者なのでそれぞれ2000sKUJIと3000sKUJIを受け取ります。
合計10000KUJIがプールにあるので、現在のTVLは5000USTです。
この時すぐにsKUJIを撤回した場合、2人は預けた分のKUJIを受け取ることが出来ます。
プールが収益を受け取る
Kujiraが精算により10bLunaを獲得し、それがプールに預けられました。
Aがプールの40%にあたる2000sKUJIを撤回すると、Aは4000KUJIと4bLunaを受け取ることが出来ます。
そうすると現在のプールの残高は6000KUJIと6bLUnaになり、TVLは3300USTです。
プールが育つ
次はCが5000KUJIをプールに預けます。これは2500USTになるので、プールの合計額は5800USTになります。Cはプールの割合から計算された約2273sKUJIを受け取ります。これはプールの約43.1%になります。
そしてCが預け入れの直後に引き出しを行った場合、プールの割合によって計算された2500UST相当の資産を受け取ります。今回の場合それは約4741KUJIと2.59bLunaになります。
という具合に報酬が発生するとそれがプールされて、引き出しに使うsKUJI量に比例してそれらを受け取れるというわけです。
Kujiraは現在のところAnchorが破綻しない限り持続的に収益を上げていきますから、sKUJIのプールのKUJI以外のアセットの割合は増加し続けていくと考えられます。
それに伴いsKUJI撤回時に引き出されるKUJIの割合が減ります。つまり報酬が発生すればするほど、最初からKUJIを預けていた人を除き、預けた時のKUJIの枚数より引き出した時のKUJIの枚数は減っていきます。
sKUJIを得るにはKUJIをステークする以外に方法はなく、sKUJI撤回時に引き出されるKUJIは預けたKUJIの枚数より少なくなるので、Kujiraの収益が発生し続ける限り、KUJIの価格は右肩上がりになることが予想されます。
ただこれはKUJIの新規発行がない場合です。
現在は各種セールなどで発行されたKUJIのロックが段階的に解除されています。
排出量
一番排出ペースの早いIDO分があと3か月で排出し終わります。
それが終わると残りの排出ペースはIDOに比べるとゆるやかです。
これが新規排出量のうち、主に売り圧になる分の排出量のグラフです。
Y軸が1か月の排出枚数、X軸が月です。
現在4か月目なので、あと3か月以内に新規排出量が約半分になります。
そこからさらに半年でさらに約1/4になり。そこから1年、今から1年9か月後に新規排出は終わります。
今後の開発
現在の清算資産はAnchorのbLuna、bETHのみです。
しかし今後mirrorprotocolでの清算、EthereumやBSCなどのEVM互換チェーンへのマルチチェーン対応などが予定されています。マルチチェーンが他のチェーンのレンディング(コンパウンドやAAVE)に入札できるのか、他のチェーンのUSTでTerraのレンディングへ入札できるのかはまだ分かりませんが、KujiraのTPVは伸びることが予想されます。
mirrorprotocolもTVLが$650Mあるプロジェクトですので、Kujiraで清算できるようになれば大きな収入源になると思います。
KUJIのAPRと価格予想
以下は脳内Kujiraの僕の勝手な予想で、この考察に意味も価値もありません。
ポジショントークなのでこれを読んでKujiraへの投資はやめてください。
これ以外にも価格変動の可能性を見つけた方は是非コメントかTwitterにリプで教えてください!
細かい数値はなんとなくこんなもんだろって感じで計算してます。数値の根拠は僕の勘です。
Kujira好きでないと面白くないと思うのでそうじゃない人はここまでです。
現在のKujiraのTPVは約$96Mです。
今後bSOL、bATOM、マルチチェーン接続が実装されれば当然TPVは上がります。新しい入札先が追加されてない今の状態で、1か月で約$40MもTPVが増加しています。TPVとaUSTの入札量は今も少しづつ増加していて、今のところ頭打ちになる気配はありません。(とはいえAnchorの借り入れが増えないなか入札だけ増えても清算が実行されずらくなって儲からないので、どこかでRatio of Pools to Locked Collateral valueが心地いいところを見つけて落ち着くと思います)
市場がどこを分岐点にするか今のところ分かりませんが、bLunaとbETHのRatio of Pools to Locked Collateral value %が近いことを考えると、これはある程度の範囲の中に落ち着く可能性が高いと思っています。
この前bLunaの担保率が60%から80%に増加したこと、今後bETHも同じ担保率になる可能性があるので、今回は雑にRatio of Pools to Locked Collateral valueが5%に落ち着くとして計算してみます。
Kujiraのサービス開始から3か月で、bLunaの5%のプールが21回清算実行により空になっています。(5%を選んだのはそこそこの清算が発生しないと空にならないプールだから)ただこれはサービス開始直後にTPVが少ない時に繰り返し空になったもので、この1か月くらいで大体2回程度だったと思います。Ratio of Pools to Locked Collateral valueを5%に設定しているので、今回は大体1か月で1回のペースで5%のプールまで清算されたものとして計算します。5%までが清算されるとそれはプールの1/4にあたるので、1か月でTPVの25%が清算されます。つまり1年でTPVの300%が清算され、それにより0.5%の手数料、TPVの1.5%がKUJIステーカーへ支払われます。
bSOLとbATOMですが、ETHよりは圧倒的に時価総額が低いものの、Terraには距離が近めな銘柄ですので、どれくらい担保になるか全く予想できませんが、今回はそれぞれbETHと同じTVLとします。mirrorはこれらに比べると小規模なので計算から外します。
aUSTの割合はは80%にしようと思いましたが、思いのほか伸びがゆっくりなので60%で計算します。
ようやく数値が出そろいました。
1年間で清算によりsKUJIにプールされるbアセットは$3,897,373、aUSTは$7,015,275で、収益の合計は$10,912,650になります。
現在のKUJIがステークされている量は11.6M枚で、仮に2万枚(約$1万)をステークした場合プールシェアは0.172%です。まだエミッションはありますが、仮にこのシェアを維持した場合、上で出した収益から計算したステーク報酬は$18,815でAPRで188%です。
まぁ実際にはシェアの低下や思ったより収益が上がらないとかでもっと低くなるんでしょうけども。
とりあえず現在のKujiraの清算やaUSTの収益ではAPR25%とかになります。
aUSTの増加が収益の増加に直接つながるのでもっと増えてほしいところです。
今はaUSTのシェアは10%ありませんが、これが60%になっただけでAPRは25%に”プラス”で38%にもなります。
結論
ながなが書いて締まらない結論を出すのですが、KUJIの適正価格は分かりませんでした。
というのも他のプロジェクトと比較して、収益から価格を予想しようとしたのですが、Kujiraの場合ガバナンストークンでの報酬発行ではないので、比較対象が分からなかったためです。
上記した通り、Kujiraの報酬は預けたKUJIをドル換算してプールのTVLに応じて割合でsKUJIを受け取り、sKUJIのシェアに比例して報酬が貰えるというものです。sKUJIの評価額はプールに内包するKUJI価格やbアセット価格によって変動しますが、外部からaUSTやbアセットが常に流れ込んできます。
つまりAnchorやKujiraが事故などを起こして収益が無くならない限り自分のsKUJIは価値を失いません。
例えばAさんがsKUJIを撤回して市場でKUJIを売却しKUJI価格が下がっても(bアセットの売却はKUJIの売却に比べてsKUJI評価額に与える影響は少ないし、一番割合があると予想されるaUSTは影響を与えない)、自分のsKUJIの割合は増えますのでKujiraの収益が安定したものであればむしろ報酬が上がります。(プール内のKUJI価格が下がるので一時的にsKUJIの評価額は下がります。)
そしてBさんがやってきて再び僕の下がったシェア分のKUJIをsKUJIに変えたて、Aさんが居たころと同じシェアに戻ったとします。その時Bさんが購入するKUJIはAさんが売却したKUJI以上になりますので、KUJI価格は上昇します。
察しのいい方はお気付きかと思いますが、KUJI→sKUJI→KUJI+収益→KUJI→sKUJI、、、、、を繰り返すと、Kujiraの収益をそのままKUJIの時価総額に取り込むことが出来ます。
発行上限が決まってるので、KUJIが無限に希釈される心配はなく、価格は右肩上がりになるのではないかと考えています。
なのでKujiraが大きな事故を起こして信用を無くす、または清算先のレンディングが全て事故る。ということが起きない限りはレンディングの需要は常にあると思いますので、Kujiraが使われなくなることによる収益の消滅は可能性が低いです。
あとこれは思いつきなのですが、
市場でKUJIを買う→半分をsKUJIにする→すぐに引き出してKUJI以外のアセットを全てKUJIにスワップする→預けたKUJIと同じ量のKUJIが戻ってくる→戻ってきたKUJIをsKUJIにする。
これを繰り返してsKUJI内の収益をKUJI時価総額に吸収すると手元に残っているKUJIの価値が上がりますよね?
これをある程度繰り返してKUJI価格を引き上げてから全て売ればノーリスクで儲けが出る気がします。
これが成り立たない理由が分かる方いたら教えてほしいです。
公式の解説を見る限りsKUJIのロック期間などの説明もなく、MintしたsKUJIをすぐに撤回する例も紹介されていたので今のところロックもないものかと思います。
成り立つ場合はsKUJI内にKUJI以外のアセットはほとんど残らず、収益はすぐにKUJIに取り込まれるってだけなので特に問題もないような気がしますし、流動性が多いわけではないのでプライスインパクトでそんなうまくいかない気もします。
どうなるのか少し気になります。
追記
上記の件を確認したところ、sKUJIにも24時間のロック期間を設けるようです。
これなら安心です。
最後に
書いてるうちに色々気が付くことがあって長くなってしました。
最後まで読んでくれた方ありがとうございます。
意外と複雑で見落としてる仕組みがあると思うのですが今はこれしか分かりませんでした。
sKUJIにもCosmos定番の21日ロックがあると安心なのかなと思いました。
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