第72回 全日本吹奏楽コンクール高校部門 感想① 八王子高校の快挙
東京都代表 八王子学園八王子高等学校
結果:金賞
課題曲:「Ⅲ メルヘン」酒井格作曲
自由曲:「モンタージュ」グレイアム作曲
今年、八王子学園八王子高校は6年ぶりに全国大会へ
出場し、なんと創部以来初となる金賞を受賞しました。
おめでとうございます!
なぜ八王子高校がこの金賞を受賞できたのか、
私なりに考えてみると
「グレイアムに魂を売らなかった」
からだと思います。これはどういう意味かと言うと、
自由曲の「モンタージュ」は
グレイアムという作曲家が手掛けた作品で、
かなり難しいテクニックとアンサンブル力が
求められる曲です。
八王子高校の特徴:「品のある演奏」
八王子高校の演奏の最大の特徴は、なんといってもその
「品のある演奏」
です。
私の通っていた高校の近所にあるので、よく演奏会で
一緒になったり、打楽器を借りたりしていたことが
ありましたが、その頃から「品の良さ」を大切にしている
印象があります。この伝統は先代の高瀬先生が
意識してきたもので、現在の顧問で八王子高校出身の
高梨先生もその精神を受け継ぎ、さらに現代風に
アレンジしているようです。
挑戦した「モンタージュ」
今回、八王子高校は「モンタージュ」に挑戦しました。
この曲は演奏者のテクニックを要求する難曲で、
技術を磨くほどついつい「技巧を見せびらかす」方向に
進んでしまいがちです。グレイアムの作品はどれも
迫力があるので、演奏団体がつい同じような
演奏スタイルになってしまう危険性があります。
でも八王子高校は、そんな中でも「八王子イズム」を
貫き通し、品のある演奏をしていたんです。
実は、八王子高校はこれまでグレイアム作品を取り上げる
ことはなかったはずなんですが、今回は
全国大会常連校たちの選曲を意識することに
したそうです。
しかし、自分たちのスタイルはあくまで貫いていました。
このような姿勢が審査員にも伝わり、
高く評価されたのでしょう。
全国のファンに注目される存在に
八王子高校は吹奏楽ファンの間でも注目されていて、
今回の金賞受賞はますます多くのファンを
引きつけることと思います。
例年、3月には地元・八王子で定期演奏会を
開催しているほか、
選抜大会にもよく出演しています。
気になった人は、ぜひ直接その演奏を
聴きに行ってみてください!
耳