私立校やお金のあるバンドは本当に「ずるい」のか?


コンクールのシーズンになると、よく聞くのが
「私立校は公立校に比べてお金があって
環境が整っているから有利だ!」
という声です。確かに、私立校や資金のあるバンドは
良い設備や講師に恵まれている場合も多いですが、
だからといってそれを「ずるい」と言って非難するのは
少し違うのではないかと思います。


私たちが受けている「恩恵」
というのも、そういったバンドの活動から、

実は私たちも恩恵を受けているかもしれない


からです。例えば、
資金のあるバンドが有名な作曲家に新しい曲を依頼し、
演奏会やコンクールで発表したとします。
するとその作品が評判になり、他の団体もその曲を
演奏したり、コンクールで使ったり
することがあります。
こうして、新しい作品が吹奏楽界全体に
広まっていくわけです。

また、資金のあるバンドは指導者を招いて
演奏技術の向上に取り組み、効率的な練習法や
指導法を築き上げています。
その成果がやがて他のバンドにも伝わり、知らないうちに
私たちもそのノウハウを使っていることだって
あるんです。
まるで「吹奏楽界の研究機関」のような役割を
果たしているとも言えるでしょう。
音楽大学も同じような意義を持っていますね。


お互い支え合っている

こうして、私たちは気づかないうちに私立校や
資金のあるバンドから学び、
支えられている部分もあるのです。
確証はありませんが、もしそうだとしたら、
彼らをただ「ずるい」と非難するのは
違うかなと感じます。


コンクールの公平性について

もちろん、コンクールにおいては公平性の観点で
問題になることもあります。そのため、審査や運営側も
そのバランスを取るために日々工夫を重ねていますが、
このような調整にはやはり時間もかかります。

だからこそ、こうした事情も少し頭に入れて、
冷静な視点で吹奏楽界全体を
見守っていきたいものですね。