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ベキさん物語。
あるところに、ベキさん(仮名)がおりました。
ベキさんは頑張り屋さん。
『責任感』『真面目』『こだわりが強い』『継続力がある』は、ベキさんのためにあるようなもの。
「はい!自分が引き受けたことなので、最後まできちんとやるべきです!!」
ベキさんはよく、大声で叫んでいます。
いつも全力なので、たまに力が出なくなります。
そういう日は、ひとりで部屋に閉じこもって、わんわんおいおい泣いています。
みんなは心配して、
「そんなに頑張らなくていいよ」
「もっとテキトーにやれば?」
「完璧主義だね」
「いいんだよ、やらなくて」
と声をかけます。
ベキさんは、うんうんと扉の向こうで頷いています。
そして、翌日。
「さあ!今日も全力でやるぞ!」
何事もなかったかのように、元気よくベキさんは働くのでした。
そんな日が、およそ20年は続いたでしょうか。
何度も何度も同じことを言われ続けてきたベキさん。
さすがに
「いやー、僕は完璧主義ですなー」
と思いはじめました。
「なんとかしなければ」
「なんとかして、泣かない人になるべきだ」
「みんなを心配させないべきだ」
そして。
ベキさんは。
『テキトーにできるように調整すること』を一生懸命頑張りはじめました。
だって、せっかくみんなからもらったアドバイス。
全力で参考にしたい。
でも、『手を抜く』っていうやり方を知らないし。
中途半端に仕事を終わらせると座りが悪いし。
夢見悪いし。
心臓バクバクするし。
他の人に任せるなんて、できない。
そう、ベキさんは言います。
これは果たして『テキトー』なのでしょうか。
皆は「違う、そうじゃない」と言います。
ベキさんも「違う、こうじゃない」と思います。
「前よりもっと疲れる。おかしい」
「こうするべきじゃないんだ!!!!」
ウォオオオオオーーーーー!!!!!!! \\\٩(๑`^´๑)۶////
そして、ベキさんは手当たり次第に荒れ狂うようになりましたとさ。
めでたしめでたし。
ってなるんですよ。いつも。
はい。
よく聞くお話だったかもしれませんね。
「頑張らなくていいを頑張る人」。
本末転倒。どうしてそうなる。いや違う、そうじゃない。
わかってるけど、やめられないとまらない。
ここまで来るとね。
いい加減に納得するんです。
そういう性格だから、って受け入れていこう。と。
頑張ってもいいの。
頑張る目的地に着いた後に、休めばいいから。
テキトーにしなくていいの。
だってテキトーにしたくないって思ってるんだから。
完璧主義でいいの。
カンペキってカッコいいし、それは褒め言葉だから。
やらなくていい、なんてことはないの。
やりたいんでしょ?
ベキさんのことを認めてあげる言葉。
現状なだめるのではなく、むしろ励ましてその先を示す言葉。
そんな言葉たちを集めております。はい。
ベキさんにソッと差し出していこうと思います。はい。
ここで小難しいのが、
ベキさん = 主に表面に出る自分
みんな = 主に内心でオロオロしている自分
ってところ。
全部、自作自演ってところなんです。
(いや、たまに『みんな』役のゲストさんはいますが。)
『みんな』が『ベキさん』のブレーキになっている。
『ベキさん』は疲れると荒れ狂う。
『みんな』は仕事をしない。
どちらも同時に存在し、いなくなることはない。
そんな構造ですね。
以上。
自分内演劇のお話でした。
飽きずに繰り返されるこの演目。
いつになったら廃れることやら。
どっとはらい。