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出荷停止とか在庫回収とか配信停止とか

ALIの音楽が消えた

ALI、とても残念な事態になってしまった。

白井カディオについて
2021.05.14

この度、弊社の契約アーティストであるALIのドラムス担当Kahadio(本名・白井カディオ)が逮捕されたことにつきまして、ファンの皆様、関係各所の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを改めて深くお詫び申し上げます。

本日、2021年5月14日に起訴されたことを厳粛に受け止め、
本日より、弊社が取り扱うALI関連の商品に関して、以下の通り対応いたします。

・ CD、映像商品の出荷停止
・ CD、映像商品の店頭在庫回収
・ 音源、映像のデジタル配信停止

                           2021年5月14日

               株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ

事件を受けてレコード会社が出した答えは、CD・映像商品の出荷停止&店頭在庫回収、 音源・映像のデジタル配信停止。サブスクやYouTubeからもメジャーデビュー後のものは消えただけでなく、バンドとしても無期限活動休止という選択をした。

結果から言えば、彗星の如く現れてはあっという間に去ったバンドになってしまった。インディーズシーンで急速に頭角を現し、メジャーデビュー曲「LOST IN PARADISE feat.AKLO」があの「呪術廻戦」タイアップを獲得。ロングヒットしていた上に今シーズンからは大谷翔平が打席に入る時の登場曲にもなっていた。K-POPにはよく見られるものの日本では未だ少ない多国籍のメンバー構成で、もう世界進出まで視野に入った状態だった。つくづく勿体ない。

最近だと薬物は結構キャリアが落ち着いた人のケースが多い(ラッパー除く)けれど、彼の場合は詐欺である。お金さえあれば詐欺などする必要がない。もうちょっと待てていれば、こんな事件に発展するまでもなくお金は入ってきただろうに、結果的に詐欺で得た金以上のものを失ってしまったという、なんとも切ない話である。

おまけにブレイクがコロナ禍だった事もあり、多くの人がライブを目撃する事もできていない。5月29日にはKOBE MELLOW CRUISE 2021というフェスに出演予定だったはずが、出演は当然キャンセルに。同日のラインナップにはAKLOの名前もあったため、恐らくここで共演してあの曲を披露するつもりだったのだろう。惜しい。

ちなみにこのフェス、同日に出演予定だった舐達麻も大麻で出演キャンセルになったうえ、コロナの影響でイベント自体が中止になってしまった。初開催のフェスとしては前代未聞の船出である。

電気グルーヴが巻き起こした議論

話を戻そう。そもそもミュージシャンの不祥事に伴うCD・DVDの出荷停止や在庫回収、配信停止については、2019年のピエール瀧の時に撤回を求めた署名運動に発展していた。

ピエール瀧の逮捕に伴うソニー・ミュージックレーベルズの対応について
2019.03.13

この度、ソニー・ミュージックレーベルズの契約アーティストであるピエール瀧が、麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたことにつきまして、
ファンの皆様、関係各所の皆様にはご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

この事態を厳粛に受け止め、本日より、弊社が取り扱うピエール瀧、及び電気グルーヴ関連の商品に関して、以下の通り対応いたします。

・ CD、映像商品の出荷停止
・ CD、映像商品の店頭在庫回収
・ 音源、映像のデジタル配信停止

2019年3月13日
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ

瀧は事件を受けてSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)から契約を解除され、電気グルーヴの音源・映像は回収および出荷・配信停止措置がとられる事になった。そこで始まった署名運動では約6万4000人分が集まったものの、結局この署名を受けて即座に方針が転換される事はなかった。

これは当時所属レーベルだったキューン・ソニーレコードの親会社であり原盤権を所有しているSONYの判断によるものだ。その後2020年6月に配信は再開され、現在ではCD・DVDともに購入する事ができる。

RIZEの例

2019年7月、JESSE/KenKen(RIZE)の大麻事件の際にも似た動きがあった。

RIZEのメンバー逮捕に伴うソニー・ミュージックレーベルズの対応について
2019.07.20

この度、 RIZEメンバーでありますマック・ファーデン・ジェシー・ソラト(JESSE)と金子賢輔(KenKen)が大麻取締法違反の疑いで逮捕されたことにつきまして、弊社との専属契約は、2002年に終了、また2016年に結んだ一時契約も既に終了しておりますが、この事態を厳粛に受け止め、本日より、弊社が取り扱う RIZE関連の商品に関して、以下の通り対応いたします。

・ CD、映像商品の出荷停止
・ CD、映像商品の店頭在庫回収
・ 音源、映像のデジタル配信停止

ファンの皆様、関係各所の皆様にはご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

2019年7月20日
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
JESSE、KenKenの逮捕に伴う対応につきまして
報道のとおり、元当社所属のアーティストであったRIZEのメンバーである、
マック・ファーデン・ジェシー・ソラト(JESSE)と金子賢輔(KenKen)が大麻取締法違反の疑いで逮捕されました。
当社とRIZEのアーティスト契約は、2012年2月に終了しておりますが、今回の逮捕を重く受け止め、過去の作品の販売について下記の対応といたします。

・CD/映像商品全タイトルの出荷停止
・全楽曲/映像のデジタル配信の停止

RIZEはソニーから自主レーベルを経てユニバーサルに移籍し、その後一時期ワーナーに所属した後に再び古巣のソニーに戻っている。事件を受けての対応としては過去のレーベルであるユニバーサルでは出荷・配信の停止、そして当時所属していたソニーでは更に在庫の回収も行われる事となった。

つまり、電気グルーヴの署名運動が話題になった後にも関わらず、結局この時もソニー時代の作品は姿を消してしまったのである。RIZEには自主レーベルの時期があったため、その時代の作品だけがサブスクに残るというなんとも中途半端な状態になってしまっていた。ちなみに2021年現在は全作品ではないもののCDを購入する事ができるほか、サブスクでもアクセスする事ができる。

加えてKenKenが参加していたDragon Ashの作品も出荷及び配信を停止する事が決定。その影響はDragon Ashの夏フェス出演にまで及び、各方面に多大な迷惑をかける結果となってしまった。

沢尻エリカの例

次に2019年11月、沢尻エリカの時の対応を見てみよう。彼女の場合、対象になるCDがいずれも10年以上前の作品であり、専属契約は終了していた。リンク先の記述によるとCDの回収までは行われず、出荷と配信が停止されている。ちなみに彼女の所属レーベルもソニーだった。

沢尻エリカ逮捕に伴うソニー・ミュージックレーベルズの対応について
2019.11.18

この度、 沢尻エリカが麻薬取締法違反の疑いで逮捕された件につきまして、 弊社との専属契約は、既に終了しておりますが、この事態を厳粛に受け止め、 本日より、弊社が取り扱う 沢尻エリカ関連の商品に関して、以下の通り対応いたします。

・ CDの出荷停止
・ 音源のデジタル配信停止

関係各所の皆様、ファンの皆様へご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

槇原敬之の例

しかし2020年、槇原敬之の場合は出荷停止、回収、配信停止のいずれも行われなかった。これは直近10年、彼が自主レーベルで活動を行っていた事も大きな要因と思われる。それ以前の彼はメジャーレーベル数社を渡り歩いているが、各レーベルが当時の作品に関して何らかの措置を行ったという発表はなされていない。

音楽に罪はない?

この時、事件を受けて槇原敬之の音楽が聴けなくなるのでは?という憶測も流れていたものの、実際にはそうはならなかった事で、電気グルーヴの署名が社会に一定の影響を与えたのでは?とする見方もあった。

しかし今回のALIは厳しい措置となるだけでなく、結果的にバンドの未来も奪われてしまった。薬物と詐欺で対応に違いがあるのかは不明だが、いずれにしても「音楽に罪はない」という声はまたしてもかき消されてしまった。

ちなみに上記に限らず、ミュージシャンに関する事件は日々定期的に起きている。ただ調べてみると大物に関してはここ数年どういう訳かSONY系列のレーベルに関係する人物が多く、そのSONYが今でも出荷や配信の停止に加え在庫の回収まで行う方針であるため、このような事態が繰り返されてしまうようだ。

<<参考>>

電気グルーヴ以前の事件で出荷を停止した例を2つ、以下に挙げておきたい。ASKAのリンク先でコンプライアンスという記述が見られるあたり、いち企業としての判断は一筋縄ではいかないのだなと思う。

でもそれって、果たして誰かの為になっているんだろうか?意志決定をする上層部の声がなかなか聞こえてこないため、そのあたりをきちんと説明してもらいたいものである。

ASKA(2014.5)

ASKAの逮捕に伴う当社の対応について
Date: 2014.05.19
                 ユニバーサル ミュージック合同会社

        ASKAの逮捕に伴う当社の対応について

既に報道されております通り、ASKAが覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されました。関連商品を取り扱ってきた当社として極めて遺憾であり、ファンの皆様、そして関係各位に多大なる御心配をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます。

CHAGE and ASKA、及びASKAと当社との間の専属契約は既に終了しており、当社は、CHAGE and ASKA、及びASKAの商品に対して、商品ごとに製造権、販売権、或いは非独占的な配信権のみを有する状態ですが、今回の逮捕はその容疑内容、反社会的性質等、その影響の大きさに鑑みて、決して看過できるものではなく、厳正な措置を以って臨むべきとの判断に至りました。

上記を踏まえ、本日、当社は以下を決定いたしました。

■ 当社取扱のCHAGE and ASKA、及びASKAのソロ名義の作品について

・ 関連契約の解約または停止
・ CD/映像商品 全タイトルの出荷停止
・ CD/映像商品の回収(契約上、当社において回収可能なもの)
・ 全楽曲・映像のデジタル配信停止

今回の決定により、ファンの皆様、及び関係各位には大変なご不便、ご迷惑をお掛けいたしますことを、改めてお詫び申し上げます。

アーティストとしてのASKAの功績は疑い得ず、当社としても苦渋の判断ではありましたが、社会の中で活動する企業としてコンプライアンスを重視すべき立場から、熟慮した上での決定です。

皆様のご理解の程よろしくお願い申し上げます。

高野政所(DJ JET BARON)(2015.3)

お知らせ
2015.03.06

既に報道されております通り、DJ JET BARONこと高野政所が大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。
関連商品を取り扱ってきた当社として極めて遺憾であり、ファンの皆様、そして関係各位に多大なる御心配をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます。

弊社からライセンス契約にて発売しております、DJ JET BARON作品について、CDの発売出荷、配信の停止をさせていただきます。

皆様のご理解の程よろしくお願い申し上げます。

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