そらを飛ぶための翼(ショートショート)
こんにちは。ショートショートを投稿します。
私は毎日神様に、「そらを飛ぶための翼をください」と願っていた。
別にいじめられているわけではない。人間関係はむしろ良好である。
だが、そらを飛びたかった。いつもそらをみあげて、「月」と呼ばれるものの所まで行き、そこで飛びたいなと思っていた。
来る日も来る日も、私は願った。
ついに神様は耐えられなくなったのか、
「仕方ない。そんなに願うのならば、翼をあげよう」
と言って、綺麗な白い翼をくださった。
私はそれを背中につけて、そらを飛ぼうとした。
だが、私が飛べたのは宇宙《そら》。
私はこの前歴史の授業で学んだのだが、「月」と呼ばれていたものは本当は「地球」というもので、私たちが住んでいるここは、昔は「月」とよばれていたらしい。
私の願いは叶わなかった。