2022年、上田にシアターホームステイ①【勝山】
はじめに
勝山修平です。
彗星マジックという劇団を本拠地にして本を書いたり演出をしたり宣伝美術をわりと多めにしています。
noteはじめました。勝山の担当は火曜日です。
勝山は火曜日のゲキジョウという(埋まれば)毎週火曜日に本番を行うという企画の実行委員もしておりまして。
火ゲキ開催中の火曜日は朝から夜までずっと劇場に居るわけです。
ボランティアでな!
まぁなので、火曜日という火ゲキに封印されている時間の有効活用をしようというハラなわけです。
まぁなので、何かトラブルがあったらお休みします。
まぁなので、火曜日に勝山の記事がアップされなかったら、火曜日のゲキジョウの仕込み中に何かあったんだと思ってください。
それでも18時にはきっと受付を開始するので、何かあったことがまるで無かったの如く当たり前のようにお客様と接する我々に対し、心の中で拍手を送ってもらえたらそんなに嬉しいことはありません。
さて本題です。いや、本題の前の前置きです。
2022年、全国小劇場ネットワークが「シアターホームステイ」というプロジェクトを開催しました。
全国小劇場ネットワークに参加しているどこかの劇場が推薦する演劇人が、全国小劇場ネットワークに参加しているどこかの劇場に滞在できるというステキプロジェクトです。
HPを見たところ、第3回が2023年12月末に終わったようで。
めちゃくちゃ素敵なプロジェクトなので、第4回が開催されるようなら是非とも演劇人たちは全国小劇場ネットワークに参加している劇場の権力者に擦り寄って「沖縄の文化を学ばねばなりません。多様な価値観を獲得したいのです」とか「北海道で自然の厳しさに身を委ねればばりません。多様な価値観を獲得したいのです」とか言うように。
さてそしてシアターホームステイでは、ステイさせていただいた演劇人は滞在レポートを書かねばなりません。みんな書いた?おれは書きました。それを数回にわけて読んでいただこうかなと。
というのも、第2回のレポートはHPにアップされていたのですが、見た感じ第1回のレポートは無かったのです。
なので、シアターホームステイというたいへん有難い企画に勝山も参加させていただいた証拠として、数回にわけてnoteに載せていきたいと思います。
前置きが長くなりました。
それでは2022年、4月の勝山にバトンタッチしまして、はじまりはじまり。
2022年4月14日、木曜日
早朝に上田着。寒い。昨日までは27℃だったらしい。今日は19℃。
OPEN時間に入店、モーニングを食べる。
以前に滞在した際知り合った、犀の角の企画「やどかりハウス」を利用しているAさんと再会。同じく「やどかりハウス」を利用し上田に職探しに来ていたとMさんと知り合い、Aさんに教えてもらったお店「ニュービーナス」で昼食。演劇人だけでなく、様々な事情で犀の角に訪れる方とお話することが来訪の目的の一つであったので、とても嬉しい。11日間の滞在中、結果的には演劇人以外の方と沢山お知り合いになることができた。
スタッフの皆は忙しそうに駆け回っているので、犀の角まわりを改めて散策。一人芝居フェス「INDEPENDENT in上田」で来た時も咲いていた、ハナモモ(だと思う)を見ると上田に来たなぁと実感する。少なくとも関西で未だ見たことない。
夜、百景社の志賀さんが演出を担当し、犀の角で働いている役者、寺下くんが出演する一人芝居「走れメロス」の稽古をご好意で見学。寺下くんの失敗に対し、失敗はしても良い、失敗に対し落ち込むことが問題、という事象に対し「失敗したらイエイ!と言って」という提案が面白かった。
寺下くんは「イエイ!」と言いながら落ち込んでいた。その不器用な若さに好感。
雨が降ってきそうだったので、晩御飯の食材を購入、共用リビングを借りてクッキング。Mさんと一緒に晩御飯。美味しいと言ってくれて嬉しい。
2022年4月15日、金曜日
昨日に引き続き、寒い。モーニングをいただき、共用リビングに居座りひたすら大阪から持ってきた仕事に没頭、15時ごろにひと段落。
明日からちょくちょく犀の角スタッフにくっついて動き回れそうなので、再び上田を散策。昨日は犀の角から徒歩20分圏内を彷徨いたので、今日は1時間圏内を。
夜、ふたたび晩御飯をつくる。犀の角スタッフの梓さんと寺下くんが美味い美味いと言って食べてくれて嬉しい。
2022年4月16日、土曜日
大阪でお世話になっている役者や制作の秋津ねをさんと、これまた東京でお世話になっている戯曲組の吉村元希さんが上田に来訪。元希さんが脚本を担当した映画「リング・ワンダリング 」の舞台挨拶が上田映劇にて行われるそうで。
ご挨拶をしたのち、明日に開催される「のきしたピクニック」でふるまう料理のお手伝いをさせてもらえることになり、朝から犀の角スタッフの茶色さんの車に乗せてもらい、「リベルテ」さんへ。上田に来て 3日目。毎日料理。勝山は料理をしに上田に来たのかも知れません。ひたすらじゃがいもを洗って芽を取りつつ、リベルテの皆さんと談話。リベルテさんでは様々な人が絵を書いたりけっこうな大作の小説書いてたりレコードのジャケットつくってたりと何かしらの創作を行なっていて。
Tシャツや雑貨の販売も行なっており、思わずブローチをひとつ購入。破いた紙の破片をなぞって木を削り、ひとつ穴を開けるとそれが目となり生き物のように見えるブローチ。どこかにつけたいけれど、紙片と一緒に飾っておくことがいちばんいいかたちのような気がする。
犀の角に戻り、うどんを作って茶色さんと昼食。また料理。勝山は料理をしに上田に来たのかも知れません。
のち、犀の角スタッフの加藤さんの車に乗せてもらい、「島崎藤村文学講座」を受講するため小諸市へ。
加藤さんは島崎藤村の代表作「夜明け前」を犀の角で上演するにあたり戯曲化している 最中で、勉強のため参加。勝山はむかし、島崎藤村の息子である島崎蓊助と竹久夢二がドイツに滞在していた時代を描いた「夢二と蓊助」という作品を書いたことがあり、不思議な縁を感じつつ。車内では島崎家トークが弾んだ。
「島崎藤村文学講座」はとても興味深く、「夜明け前」という小説がどれだけ莫大な資料と藤村自身の体験から成り立っているものなのかを垣間見ることができ、講義を担当していた江戸川大学教授・新井正彦さんの楽しそうな話し方が印象的だった。
車内でふたたび島崎家トーク。
犀の夜に戻ったのち、「犀の夜」のお手伝い。アンケートを作成し、受付を加藤さんと担当。客席は満員。
受付が落ち着いたのち、カメラを持ってきているなら写真撮ってくれません?と加藤さんから提案いただき、急遽撮影。
出演されていた3名のパフォーマンスもそれぞれ素晴らしかったけれど、驚いたのはオープンマイク参加希望者の多さ。
7名もの方が参加し、そのうち2名は、前回滞在した際にお邪魔した「うえだイロイロ倶楽部」で踊っていた子と、同じく前回の滞在で「やどかりハウス」を利用し仲良くなった、絵を描くのが好きなKさん。Kさんは歌を歌っていた。Kさんは自己表現を人前でするような人だと思っていなかったので、自分の浅はかさを大きく恥じるとともに、その格好よさに、表現がたぶん大阪よりも身近に感じれる地域性に、犀の角の活動の素晴らしさに、改めて感動した。
終演後、圧巻のドラムパフォーマンスを披露してくれたアラタカイさんと熱い握手。このご時世で躊躇せず握手できたことに感動した。また会いたい人が増えた夜でした。
夜、ねをさんと長野で役者をしている山﨑到子さんと談笑。
2024年1月20日、土曜日
次回の更新に続く!
4コマ描きました
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