あめつち工場カランコロンができるまで②【勝山】
なんとか終演まで漕ぎ着けることができました(船だけに)。
ご来場、ありがとうございました。勝山です。
先々週の続き。
相内さんがラダートラスを買いまして。
オープニング、軌道エレベータの照明を吊っていたやつです。
彗星マジックの演目、「詩と再生」と「ヒーロー」を混ぜた感じのものでどう?と相内さんが言うてきまして。
「詩と再生」は、言葉の表現力に触れて感性が豊かになっていく女工たちが働く工場が舞台の会話劇。「ヒーロー」は小難しい専門用語や設定にコーティングされた単純な人間たちが怪獣と戦かったり広報活動に振り回されたり左遷したりする公務員たちが登場するエンタメ。
そのふたつをまとめて成立させるには、あ、宇宙で工場が舞台なら書けそうな気がする!ということでSFになった今作。
ラダートラスを装備した相内さんの照明、良かったですねぇ。
ほんとうにいい仕事をしてくれましたラダートラス。
ちなみに舞台も相内さん発案。つまり目にみえる無機物の約95%は相内さんです。のこり5%は奈々さんの衣装とちぇけ(音響の浅葉修)が持ち込んでくれた音響機材。
まだ台本もロクに出来てなくて稽古もはじまって間もないころに舞台図面と照明吊り込み図面を見せられた時はさすがにちょっと引きました。
「これをうまいこと使って」と言われました。
ラダートラスとイントレのおかげで随分と工場らしく見えた今作、これは台本に合わせて舞台が組まれて照明が吊り込まれてたわけではないのです。
台本の執筆前から執筆中に至るまで、相内唯史のオーダーに応えるという課題を抱え続けた結果だったのです。
なるべくうまいこと使えるよう心がけて作劇したのですが如何だったのでしょう。
月の小さな工場が一発逆転を狙って自分たちの技術をフルに使い温泉を作るため水源探してたらノアの方舟(台本では方船としていました)をたまたま見つけちゃってアラ大変って話にしようと思ったのは、調べ物をしている時
火星をテラフォーミングしましょう
地球から物資ををたくさん送らなきゃいけないじゃん
重力のせいで送るの大変じゃん
月で物資を作って火星まで飛び立てばいいじゃん
地球から宇宙空間までは軌道エレベータで行くといいじゃん
火星の接近は約2年2カ月ごとしかないじゃん
火星が接近するまで月は閑散期じゃん
という流れがあまりにも愛おしかったから。
なんで温泉
宇宙で銭湯とかあったらめっちゃ贅沢だよね(打ち合わせの時は銭湯でした)という浪漫からなのですが、何よりも2020年11月、コロナ禍という時代を取り扱ったiakuさんの「The last night recipe」を観劇した際、一緒に観劇してたアマヤドリの広田さんから帰りの電車を待ってる時に「勝山くんは身近なものをテーマにしないの?興味ないの?」と問いかけられ、10月に「月の水、太陽光が当たる部分でも確認」というニュースを目にしたところだったので、「コロナよりも月の水の方が興味あります」と答えた責任とらなきゃな、と、ずっと勝手に考えてたから。
登場人物の名前について
全員、星の名前をつけようと決めました。
星の成り立ちや立ち位置、自分の持っている星のイメージと役者を照らし合わせたら面白い登場人物ができるのではないかと思ったから。
天道【太陽】
長庚【金星。夕星/長庚、ゆうづつ】
熒【火星。熒惑、あかりほし】
鎮【土星。鎮星、ちんせい】
辰【水星。辰星、たなみほし】
歳【木星。歳星、としのほし】
トリトン【海王星。外宇宙からやってきた星】
カナン【月。神無月、かんな】
聖【天王星。てんのう。天皇?】
源【オリオン座のリゲル。源氏星】
平【オリオン座のベテルギウス。平家星】
履歴書の住所
ヨネが展示物として飾りたいと杏花ちゃん、香菜海ちゃん、中島くんに書いてもらった履歴書。
ひとの履歴書を飾るとかどんな工場やねんと思いつつ、これは面白いと住所と電話番号に仕掛けを施しました。
以下、3人に送信したこちらからの情報。このほかの情報は3人が埋めてくれました。こういう企画、面白い。
聖の連絡先(実家)について
大学がある土地は「山科区」とある通り、山科なら京都だな。ってことは…って具合にある程度絞ってもらえるだろうと仕掛けてみました。
西野山(大学がある土地)
山城府山城市
洛陽区
御寺山
続いて、電話番号。
まず聖の寮。
00176(大いなる)
UNIV(university)
STDM(student mansion)
続いて、平の実家。
HSPT(hospital)
CNBN(convenience store)
【V】より【B】の方が【コンビニ】と読みやすいのでBにしました。
そしてそして、源の実家。
STRE(store)
DRGS(drugs)
最後に、聖の実家。
00176(大いなる)
SNZI(SONZAI)
BNZY(BANZAI)
展示については、ヨネがnoteにアップすんのかな。
コチラが展示に仕掛けさせてもらった情報は以上です。
台本の設定とかも解体しようと思ったけれど、有難いことに熱心な方が考察めいたことをしてくれているので、野暮すんのはやめときます。
めっちゃ嬉しかったです。ありがとうございます。
次回公演は未定なので、目の前の現場に集中します。
観にきてください!
それではまた来週!
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