未知の世界が開きそうな3冊|湯河原積ん読倶楽部 #2
いつか読みたい、と思いつつなかなか手が出せずじまいで積み上がっていった愛すべき本たち。『積ん読解消パック』などの宿泊体験を提案してきた湯河原の温泉旅館・THE RYOKAN TOKYOが、ついつい本を積んでしまう愛すべき人間たちのための連載『湯河原積ん読倶楽部』をはじめます。
僕は月に15冊〜20冊程の本を読んでいます。
外に出かける時には必ず2冊の本を持ち歩き、旅行に行くときは最低でも3冊や4冊本をスーツケースに入れています。
例えば、今コロナウイルスが流行していて世界は大変なことになっている影響で売れ行き好調の「ペスト」(カミュ著)。
なぜこの本が売れているのかというと、ペストという少し前に流行した感染症の実態が、現在のコロナウイルスの流行と類似する部分が記された本だからです。ペストを読むことにより現実世界の質を変えようとするわけです。
つまり、本を読むことにより人の生死をひっくり返すレベルで、現実世界への影響を与えれるということ。後悔なく人生を生き抜く知識が書かれているのものが本だと思います。
一方で、2019年の2月〜3月に行われた全国16歳以上の男女を対象に行われた文化庁の調査では、1ヶ月に大体何冊の本を読むか明らかになっています(参照)。
調査によると、月に1 冊以上の本を読むと答えた人の割合は全体の52.6%。同じ調査の中で読書量に増減についての質問もあり、日本人の読書離れが進んでいることがわかります。
このようなデータが出ているなか、なぜ、僕がこんなにも本が好きなのか。その理由はただ一つです。
「本を開くと、そこには未知の世界が広がっているから」
一度本を開き、未知の世界を体感することで現実世界での質が変わってくると感じています。
そんな、本の魅力に取り憑かれてしまった僕から、現在積ん読している本を3冊ご紹介します。
1. 「脳科学は人格を変えられるか?」 エレーヌ・フォックス
本書は僕の積ん読本の中でも長老になっていて、かれこれ2年くらい積ん読しています。長い間積ん読しているのにも関わらず、常にお気に入りの本が並ぶ本棚に並んでいる異端な存在です。
なぜ、お気に入りの本が並ぶ本棚にいるかと言えば、この本が滅茶苦茶良い本だと世の中的に言われているから。
その所以は、心理学者で神経科学者でもある著者にあります。彼女は脳科学、神経学、遺伝学の観点から、物事をネガティブに捉える人とポジティブに捉える人の違いは何かの研究をまとめ、ネガティブもしくはポジティブすぎる自分に悩む人が、対極の方に進む方法はあるのかを考察。このとても興味深い論述が評価を受けているからです。
ただ、文章が学術的なため読むには少しの覚悟が必要で、2年も積ん読してしまっています・・・。
2. 「猫はこうして地球を征服した」 アビルゲイツ・タッカー
少し前にブックアンドホテル「箱根本箱」さんにお邪魔した時に出会った本です。
このブックホテル、館内には1万3000冊の本が暮らしに彩りを添える6ジャンル、「衣・食・住・遊・休・知」を中心に選書されており、実際に購入することもできる本好きにはたまらない場所です。
この場所で、気になった本を手当たり次第に読んでいく中で、「猫が人の脳からインターネット、生態系まで征服した」とサブタイトルについているこの本に目がつきました。
少し読んでみると、こんなフレーズが出てくる。私たちは確かにネコ好きなのに、この動物はいったい何なのか、どのようにして私たちといっしょに暮らすようになったのか、そしてなぜ——家の内外で——計り知れないほどの威力を発揮しているのかを、ほとんど知らない。
※「猫はこうして地球を征服した」p.10より引用
僕も休日は猫カフェに行って猫と戯れ、休憩の時間には猫の動画を見て癒されています。これだけ、猫が好きなのに何も知らない。
もっというと、気づかないところで人の脳を征服しているらしい。
「この本は読むしかない!」と思い部屋に持って帰ったものの、15ページほど読んで寝落ちしてしまいました。
きっと美味しい食事とバルコニーの最高に気持ちいい露天風呂のせいです。
以来積ん読本に仲間入り。
3. 「FACT FULNESS」 ハンス・ロスリング
2019年の発売以来50万部を突破、2019年のベストセラーである本です。
本好きなので売れている本は「いい本である確率が高い」、「本好きとの会話のネタになる」などの面から読むようにしているのですが、この両方を確実に満たす良書であろうに読んでいません。
理由は「嫌になったから」。
本書では、初めの方に13個のクイズが出てきます。僕はその質問に2つしか正解できませんでした。しかも、この問題を動物園のチンパンジーの正解率は33%で4問も正解するようです。
読書の我々がどれだけ、知識不足かを気づかせるための、このクイズに嫌悪感を抱きページを閉じてしまいました。
この程度の嫌悪感で読む手を止めてはいけない本だということも理解しています。その気持ちを元に読み進めてみるものの、世界の現実を知るということはネガテイブな面も直視しなければならないということ。それがまた僕には辛かった。。。
それ以来積ん読本に仲間入り。
ちなみにこの本は同僚の先輩から借りた本で、3ヶ月くらい借りっぱなしです。
早く読まなきゃ。
文・写真:佐々木悌介(L&G GLOBAL BUSINESS)
【👼HOTEL SOMEWHERE 編集部より】
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