月光

23時。部屋の中、息ができなくなって外の闇に出た。
あの子と夕方の川を眺めながら、ある時は六畳一間のベランダから積もった雪を眺めながら、吸った空気を思い出す。

今はもうひとりぼっちだった。体も心も。
繋がっているものなんて何もなかった。

一人で吸う夜の空気は、喉を通っていかない。

好きにして、という言葉の響きは寂しくて、諦めと同時にワクワクした気持ちが蘇った。

帰り道の満月。どんな時でも美しく輝く星が、一本道の先にずっと続いていた。そのままどこまでも歩いていきたかった。



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