恋と愛とジェットコースター、それから、
私にとって、恋愛することとは絶叫マシンに乗ることに似ている、のかもしれない。
そう思い始めたのは昨年、はじめて絶叫マシンらしい絶叫マシンに乗ってからだ。
いままで私はジェットコースターをはじめ、絶叫マシンというものを避けて生きてきていた。理由は簡単、怖いからだ。あんな高いところでぐるぐるぐるぐる揺られ持ち上がり落ちる恐怖体験をわざわざ味わいたくない。そう思っていい歳して絶叫マシンひとつ乗らずにここまで来てしまった。
しかし、だ。親切なフォロワーさんと、某アニメのコラボ目当てにUSJに行った日ばかりは、このつまらない意地を捨ててハリウッドドリームに搭乗したのだ。結果として私はひとことも発さず、えらくスン……とした感じで降りたのだが、楽しくなかったかと問われれば「楽しい……というかなんだか独特な体験だった……」という感想である。
スリルと、なんとも言えない浮遊感に酔う数分間の空の旅。なるほど、この感覚が好きな人は確かにいるだろう。命の危険もまぁ当然ながら（普通にしていれば）ない、はずだ。だが私はまた乗りたいかというと、うーん別にいいかな……といった具合である。
※USJは本当に楽しかったです。ハリドリに乗ったことも良い経験になりました。
恋愛とは、アロマンティックアセクシャルを自認する私の人生には、不要であると認識しているものだ。不要というか、さっぱり分からない。恋愛が好きな人もいることはわかる。恋愛をしたからといって（普通ならば）命の危険はない。一回ぐらい経験しなよ、と思う人もいるかもしれない。
しかし私にとっては、「うーん別にいいかな……」なのである。わざわざ手を伸ばそうという気になれない。やっぱりほんのり怖いし。
更に言うと、ひとりで勝手に乗って、わー！ となって、降りる絶叫マシンと違って、恋愛はひとりではできない。相手が必須である。これはもう、手を出す理由がない。なくて全然生きていける。楽しいこともやらなくてはならないことも、私の人生には山ほどあって、そこに恋愛に割くリソースなんてないのである。
絶叫マシンに乗る理由もないし、恋愛をする理由もない。恋愛には理由とかない、という人もいるかもしれないが、私はそもそも他人にあまり興味がない、というよりかは他人に興味を持つだけの余裕が私の人生にはないのだ。ぽっかりとその興味がなく、その代わりそこには他の楽しいことで埋まっている。
作曲にプラスになるかもよ？ という人もいるかもしれないが、よく考えてほしい。世の中の大半が「恋愛経験がある（らしい）」のだから、恋愛経験者の音楽はそいつらに作らせておけば良いのである。私は希少な（気がする）恋愛経験まじで0、願望も0な人間にしか作れない音楽を作ったほうが面白いんじゃないかと思う。私は私なりに、創作にアロマンティックアセクシャルである部分も活かせればいいなと、思っている。
※二次創作の文章が、なんと一番私のこの部分が強く出ている……気がする。
アロマンティックだからといって、当然一括りにはできない。あなたと私が違うように、さまざまな人がいる。
ところでツイッターなどを見る限り「付き合ってみたり告白されたりして、気持ち悪い・無理だ、となる⇨私はアロマンティック（アセクシャル）では？」と行き着く人も多い様に感じる。私の場合は、このかた恋人がいたことも告白されたこともしたこともない。
※正確には、先日駅で初対面の人に「めちゃくちゃタイプです。付き合ってほしい」などと言われた。正直なところおしゃべりしたりするのは構わないが、その先に恋愛関係を望まれるのなら無理なので丁重に断りました。
実のところいまだに恋愛感情というものが多くの人には備わっており、それは性別でスイッチすることが多い、ということが信じられずにいる。ふたりの間のなにかしらの強い感情が、ふとした瞬間に「恋愛」の色を帯びたグラデーションになることもあるのではないか、その程度の認識である。
だから本当のところ、私が数少ない友人に抱いている好意的な感情が、恋愛感情でないという証明をしろ、と言われれば、そんな証明はできないのだ。性愛を伴わない恋愛感情を抱く人もいるのだから（ロマンティックアセクシャルはこれだろうか）、もう恋愛ってなんなんだろう、袋小路である。ただ強い独占欲だとか、秘密の共有をしたいだとか、行為までいかなくとも触れたいだとか、そういう感情は他人に抱かないので、きっと私の友人に抱く感情は恋愛感情ではないだろうと、漠然と位置付けている（向こうもきっとそうだろう）。
これからも私はのらりくらり、ひねもすのたのたと生きていきたい。
ジェットコースターには多分乗らないし、恋愛はしないし、結婚もしない。
楽しいこともやらなくてはならないこともほかにたくさんあるので、私はそっちをやります。
（誰かに何かを言われたとかではまったくないけれど、なんとなくまとめてみようと思ったので）