面白過ぎる中国の時代劇:「知否知否應是綠肥紅瘦」
皆様こんばんは、日台ハーフのすーたまです。
以前、こちらのブログで、中国の「仙俠劇」について語ったのを覚えてらっしゃるでしょうか。仙俠とは、生身の人間が普通に空を飛ぶ、ファンタジー要素が濃い文学のジャンルの一つです。
例↓
ドラマでは人に羽が生えたり、妖怪が出てきたりと非現実的なシーンのオンパレード。
一方、今回皆様にご紹介するのは、中国の「古裝劇」、「知否知否,應是綠肥紅瘦」です。
先月仙俠劇を観終え、すっかり中国劇ファンになってしまったすーたまは今回「古裝劇」に挑戦。宮廷ものとは違って政治色は薄く、貴族間でのプライベートな争いを描いた物語です。
「古裝劇」は日本語で言う時代劇で、このドラマは北宋時代が舞台です。
このドラマは70話以上あり、今は30話までしか観ていないのですが、面白過ぎたためフライングで一報させてください。
まず皆様、「知否知否,應是綠肥紅瘦」の意味はご存知でしょうか?
実はこれ、中華系の人なら中学や高校時代で必ず一度は学んだであろう、中国の女流詞人(詩ではなく詞です)、「李清照」の「詞」の一部を引用したものなんです。
すーたまも高校時代、国語の先生に暗唱させられたような、、、
「詞」とは中国の文学形式の一種であり、唐代に西方から「胡楽」が輸入され、楽器で奏でられた曲に合わせて歌う歌詞のこと。中唐頃にある詩人が楽譜に合わせた歌詞を創作し、それが広まって一つのジャンルとなりました(コトバンク参照)。
李清照の如夢令(じょむれい)全文はこちら:
李清照《如夢令》:昨夜雨疏風驟,濃睡不消殘酒。試問卷簾人,卻道海棠依舊。知否,知否?應是綠肥紅瘦。
簡単に訳すと、
昨夜は雨風が強かった。深く眠れたが、深酒をしてまだ酔いは覚めない。仕女に庭の花の様子を尋ねると「以前と同じですよ」と返された。「本当かしら?赤い花は散って、葉ばかりになってるはずよ」と私は思う。(すーたま訳 間違えてたらすみません)
最後の句の「緑肥紅痩」は四字熟語となって後世の詩人もよく引用しており、日本だと桜が散って葉桜になりかけの頃に例えられ、こういう晩春の情景が詞の世界では最も寂しい情景なのだそうです。ここでホトトギスが鳴いたりすると一層寂しさを掻き立てます。(参考記事:こちら)
このドラマの元となった小説の作者は、この詩から裕福で風流な女性の心情を感じとり、波乱万丈で悲壮な人生を送る主人公「明蘭」にいつかこんな幸せを掴んでほしいという願いから名付けたそうです。
「知否知否,應是綠肥紅瘦」の意味するところは他にもあって、
✔️ 赤い花が散った後に緑葉が茂るように、側室の子(緑)の明蘭が正室の子(赤)よりも、風雨に耐えて成長する力があるということを含ませているから。
とか、
✔️ 宋代の結婚衣装の色が緑と赤であるから。
✔️ 赤は北宋時代の儚い女の生き様を表し、緑は学問で身を立てられさえすれば、人生を謳歌できる男たちの特権のシンボルです。
ちなみにこの劇、日本語では「明蘭~才媛の春~」、英語では「The Story of Minglang」と訳しているそうですが、、、
伝わらない( ͡° ͜ʖ ͡°)
中国語の詩や詞を意訳するのは難しいようですね。
今回は「知否知否,應是綠肥紅瘦」の紹介だけで長くなってしまいました。次回のブログでは詳しいストーリーや、劇の醍醐味について深堀りしたいと思います^^
ちなみにこのドラマの舞台である、北宋の歴史も徹底的に調べちゃいました。高校の歴史の授業で、北宋の政治や文化に関するあれこれを丸暗記させられたのですが、今になって丸暗記するだけの意義があったのだと、思い返しました。
この知識があるからといって、お金稼げるようになるわけではありませんが^^(このブログの広告収入に期待しましょう)
ではまたー。
ちなみに主題歌はこちら
1:03辺りを聞いてください^^すーたまが最近リピしまくってる曲です!
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