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痛みからの解放 天の導きに従う

すべての依存症は「痛みの緩和」を目的としています。

アルコール中毒、薬物依存、ゲーム依存、買い物好き、ギャンブル狂い・・・依存症の種類は無数にありますが、突き詰めてしまえばそれはどれも「慢性的な痛みをホンの一瞬でも忘れたいから」こそ執着しまう鎮痛剤みたいなものなのです。

「痛み」と言っても肉体的な苦痛だけを指すわけではありませんよ。
将来への不安、対人関係の苦手意識、お金に対する欠乏感、親の愛情不足、イジメ、学業の成績不振も広い意味ではみんな「耐え難い慢性的な痛み」に該当するでしょう。

断続的に襲って来る痛みは私たちの生きる気力を少しずつ失わせ、最悪の場合には「死んだほうがマシ」とさえ思わせるほどのツラさを私たちに与えますから、その苦しみから束の間でも逃れようとするのはある意味「自然な防衛反応」でもあるんですね。

「何かに依存することで希死念慮(自殺衝動)を抑制している」と言えば、それが決して無意味な行為でないことは分かりますよね?

鎮痛剤に病気を根本的に治療する効果はありませんが、「我慢できないほど痛い時」にはどうしても必要な薬です。だから、代替案すら示さず一方的に彼らからそれを奪い取ってしまうのは、精神的な拷問にも等しい暴挙なのです。

以前、「覚せい剤やめますか、それとも人間やめますか?」というキャッチコピーを掲げる政府主導の「覚せい剤追放キャンペーン」がありましたが、そんな脅し文句で辞められるほど薬物依存は甘くありません。

彼らは「生きていたいからこそ薬物に手を出している」のですから、人間を辞めたわけじゃないんですよ。

当時も政府機関に「覚せい剤中毒者は、もう人間じゃないという意味なのか?」という抗議が殺到したそうですが、「人間やめますか?」なんてセンセーショナルな言葉で薬物常習者を差別し、社会的に追い込むからこそ、彼らはますます疎外感に苦しみ、薬物にのめり込むというネガティブループに陥ってしまうのです。

薬物常習者はそれが体に悪いことは充分に知っています。それでも、次々と隙間なく襲って来る不安感から逃れるために、どうしてもそれを使わざるを得ないのです。だって、薬物の効果が切れてしまえば、これまでの自分の生きざまに対する罪悪感や無力感は一気に押し寄せて来ます。それこそ「死んでしまいたい」・・・と思えるほど鋭利な刃物となって彼らの心に突き刺さって来るのですね。

だからこそ、彼らは「心の崩壊を防ぐため」に一瞬たりとも薬物を手放すことができないのです。

そんなギリギリまで追い詰められた人々に「ダメ、絶対ダメ」と説得したところで何の解決にもなりはしません。

彼らに必要なのは上から目線の「お説教」ではなく、不安をキレイさっぱり消滅させてくれる「魔法のような方法」なのですね。この方法こそが、今回私が皆さんにお伝えしたいテーマなのです。

なお、同じ理屈は「長期の引きこもり」の人にも当てはまりますよ。彼らだって「今のままじゃいけない」ことは知っていますし、できることなら「何とかしたい」とも思っているのです。

「一生このままでいいや」なんて投げやりに考えている人はかなりの少数派でしょう。

ただ、意欲はあっても体は鎖で縛られたみたいに動かず、もう何年も同じ悩みに苦しめられ、心身ともに限界ギリギリの状態なのです。

そんな時、外部の人間から一方的に「働け!」と言われてしまうと「何で俺の苦しみが分からないんだっ!?」と絶望して暴れてしまうのは仕方がないんですね。

引きこもりの子供は「ゲーム依存症」を併発することが多いですが、それは「僕の将来はこれからどうなってしまうんだろう?」という不安感を少しでも忘れたいから熱中しているだけで、別にゲームが好きなわけじゃないんですよ。

実際、ゲーム依存症を克服した人にインタビューすると、ほとんどの人が「ゲームをしている時、本当は楽しくなかった」と答えるそうです。さっぱり楽しくないけどやめられない。だって、それを失ったら「見たくもない現実」を目の前に突き付けられて、死ぬほど苦しまなくてはいけないのが分かっているのですから。

だから、親がインターネット回線を強制的に遮断したり、パソコンやスマホを物理的に破壊したところでその症状が改善するわけではないんですね。

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