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反抗期とアイデンティティ
年頃の子供がいると反抗期に悩む保護者の方もいるでしょう。
しかし、反抗期は子供が大人へと成長する上でとても大切な過渡期です。
うちは、発達障害グレーゾーンなので明確な反抗期はありませんでしたが、
反抗期をエネルギーレベルで観るとどう見えるのかお話ししたいと思います。
生まれたばかりの頃、自分と他人との区別がつきません。
母親との境は、曖昧です。
自分の体を触ったり舐めたりするのは、自分の体がどこからどこまでなのか
確認するためと言われています。
母親は、自分の欲求を叶えるいわゆる万能感の元となり
大抵は、泣けば欲求を察してオムツを替えたり、ミルクをくれたり、
遊んでくれたり、抱っこしてくれたり、保護をしてくれます。
生きるための全てを叶えてくれる存在なのです。
生まれて半年から一歳半くらいまでの間に、
母親から離されると愛着障害が起きると言われています。
エネルギーレベルでは、母親のオーラに包まれてる状態です。この時期に離されると不安感が増すのかもしれません。
赤ちゃんが泣いても放置されたり、十分な保護が受けられない(ネグレクト)も愛着障害の要因になります。
1歳をすぎた辺りから、人見知りをします。
これは、他人と家族が見分けられるようになった証です。
1歳〜1歳半前後は一般的に、離乳食が始まり、大人と同じようなものを食べはじめ、一人で歩くようになります。
少しずつ言葉を使うようになるにつれ、自我が目覚め始め、人間としての、個が作られていきます。
2歳くらいでイヤイヤ期が始まります。
6歳くらいまでは半分人間、半分妖精のような状態です。
就学をする頃から10歳までが子供としての時期、児童期です。
まだ親とエネルギー的にも繋がっており、体も性的な特徴が出始めるかどうかの時期です。
心理学的にも10歳くらいまでは自殺をしないと言われています。
性ホルモンが出始める頃から、反抗期が訪れ、巣立ちの準備を始めます。
いつまでも、子供のままでいてはいけないのです。
反抗期は人が一人の人間として成長するための転換期であり、ホルモンバランスが不安定になり、精神的にも不安定です。
動物の場合は、成長すると親が強引に切り離しますが、人間の場合は、子供の方から巣立ちの準備を始めます。
ここで、親に見捨てられ不安があると、子離れできないため反抗させません。
子供が反抗的な態度を取るのは、愛されてるのが分かっているからです。
親子間の信頼が成り立っていないと、反抗が出来ません。
気に入らないと不機嫌になって、子供を無視する。
押入れなどに閉じ込めたり、家から追い出したりする。などの虐待に近い行動をとる。誰かと比べて、遠回しに行動を抑制するなどを行う親であれば、
安心して巣立ちの準備が進みません。
子供によっては、非行に走る子もいるかもしれません。
昔、雑貨Shopでなににでも文句をつける女の子を見かけました。19歳くらいでしょうか?
彼氏と一緒に雑貨を見ているのですが、あれが嫌い。これのこういうところが嫌い。といちいち文句を言って回るのです。
嫌いなのは構わないけど、それをわざわざ大きな声で言葉にする必要があるのだろうか?
とそう思った頃、思い余ったのか
一緒にいた彼の方が、
「それの何が嫌いなの?嫌いなの多くない?」と尋ねました。
「なんか、嫌いって言うと自分って気がする」と答えたのです。
私は、その言葉にハッとしました。
そうか、この子は彼氏に甘えているのだ。
親に反抗出来なかったため、
彼に自我を受け止めてもらっていたのかもしれません。
お試し行動のようなものなのでしょう。
自分のイヤイヤ期を受け入れてくれるかどうか?
親から離れなければ自己の確立=アイデンティティの形成は出来ません。
成長過程で、思い切りわがままを言ってそれを受けとめてもらう体験をすることで安心して社会に巣立てる。自分になれるのでしょう。
私たちが神から離れなければ、人間としての”個”を体験できないように
自我があるからこそ、自分という体験が出来るのです。
エゴの語源に、神から離れる=という分離の意味があるのは、興味深いのものです。
自我を手放せば手放すほど、神に近づき、
神との一体感を味わい、とうとうワンネスの領域に入ります。
もともと、エネルギー領域に置いて、個は概念にすぎません。
”意識がある”以外は、繋がっており、その意識も互いに影響を与えあってるのです。
私たちは、ボディというツールを使わなければ、個という体験は出来ません。
そして、生まれるという体験は、個を経験するために、あえて、神から離れるのです。
離れるために拒絶をする。
親が親としての機能を果たしていない場合。
親が自立していない場合、(過剰干渉や過保護など)
もしくは、親が病気だったり、早くに離婚してしまった場合なども、親に甘えて反抗してる場合ではないので反抗期はありません。
親が自己愛などの場合は、早くから自立して親がわりになっている場合もあります。この場合も反抗期はありません。
発達障害の場合も、反抗期があまりありません。
発達障害は、もともと愛着障害のような傾向があり、他人との距離感を測るのが苦手です。強く言われると人の意見に従いやすく親の言いなりになりやすい傾向があります。
反抗期がない人は、反社会的になったり、トゲのある性格になったり、人に頼ることのできない生きづらさを背負うことがあります。
幼少期の母親との一体感は、私たちが天にいるときに神と一体だったのと同じような状態だとすれば、
肉体という器が出来上がってくる思春期に入り、個を形成し、アイデンティティを形成するために反抗をし、親と自分は違う。ということを主張しつつ、切り離しにかかるのです。
それまでは、親や兄弟の真似をして、育ちます。
自分を持つには、真似ではなく、親の期待に応えるのでもなく、新しい視点の獲得、体験の獲得が必要です。
親元から離れ、自分を体験し、個を通して、ワンネスを体験し、また、神の元へ帰っていく。
逆説的ですが、個を体験しなければ、ワンネスにたどり着けない。
自己愛を突き詰めて、無条件の愛に到達するように、
反抗期というのは、大人になるための儀式のようなものです。
子供が安心して反抗できるようにそっと遠くから見守り、自由にさせてあげましょう。
Suiren.Echo