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【京大吹零会 起業家インタビュー】株式会社ビビッドガーデン 山下 麻亜子さん 法学部 2011年卒

「京大吹零会」とは、京大出身(在学中も含む)の起業家を集めた、起業家コミュニティです。京大には変人が集まると言われるように、京大出身の経営者も変わった人が多いので、周りに理解されず、孤独になってしまうこともあります。そんな「吹き零れ」たちが集まり、経験をシェアして切磋琢磨する、唯一無二の会です。メンバー同士の交流を促すため、また、これから起業したい方に吹零会メンバーを知ってもらうため、隔週で「京大吹零会 起業家インタビュー」をオンラインで放送中。このイベントで収録した起業家たちの講演内容を書き起こし記事としてお送りします



【要チェック!】

公開インタビューのスケジュールや、記事を見て「起業したい!」と思った方のための「京大・起業相談デスク」についてはコチラをご覧下さい。

学生時代のこと。

高校を選ぶとき、自由な学校がいいと思っていました。勉強自体は好きだったけれど、進学校や大学は偏差値が高くなると硬直するイメージがあって、私は自由な環境を求めていました。通っていた学校はとても自由で、制服の規制も緩く、規則に縛られない環境が私には合っていました。

大学進学の際も、自由な環境を軸に第一志望が京都大学で、浪人して一年後に合格しました。法学部を選んだ理由は、親が法律関係の仕事をしていたこともあり、将来の選択肢が広がると思ったからです。具体的に裁判官や弁護士になりたいわけではなかったのですが、法学部に入ることで様々な可能性が広がると考えました。

大学時代は、テニスサークルに所属し、焼肉屋でアルバイトもしていました。どちらも120%やりきるぞ!という雰囲気でハードな日々でしたが、サークル活動やバイトを通じて多くの人と出会い、さまざまな経験を積むことができました。テニスサークルでは試合に出たり、合宿に参加したりと忙しい毎日を送りましたが、その経験がとても楽しかったです。また、焼肉屋のバイトでは接客のスキルやチームワークの大切さを学ぶことができました。

法曹の世界はちょっと違うかな?と思ったので就職活動を始め、合同企業説明会に参加するなど一般的な感じでした。その中で、コンサルティング会社の説明会に興味を持ちました。説明会で「あなたは学園祭でたこ焼き屋をやっています。売り上げをどうやって上げますか?」というようなケース課題に取り組んだことが印象的でした。この経験を通じて、問題解決の面白さを感じ、コンサルタントの仕事に魅力を感じました。

最終的には外資系のコンサルティング会社に就職。働き始めると、とてもハードな日々が待っていました。プロジェクト単位で動く仕事の性質上、波はあるものの、テスト前や学園祭前のような忙しさが日常的に続きました。朝早くから夜遅くまで働き、時には徹夜することもありましたが、その分やりがいも感じていました。

コンサルでの仕事は6、7年続けましたが、事業会社に転職することを決めました。マネージャーとしてプロジェクトをリードし、事業に直接関わることに興味を持ったからです。マネージャーの仕事を何年か経験する中で、コンサルタントとしてのキャリアを続けるか、事業会社に転身するか悩みましたが、最終的には事業会社に転職することに決めました。

起業のこと。

自分で起業しようという選択肢はあまりなかったです。自分が今解決したいと思う課題が何かを考えてみたことはありますが、特に強い動機が見つからなかったんです。それで、自分は起業家タイプじゃないのかなと思っていました。ただ、周囲の知人にはもし起業するならこれをやりたいと思うことに近い仕事をするのがいいというアドバイスをもらいました。
そのときに考えたのが、激務のときに支えてもらったご飯やお酒、飲食店での友人との時間でした。でも、そうした丁寧な物作りをしている人たち、例えば農家さんんやレストランの方々は収益性があまり良くないんです。ものすごく価値がある仕事をしているのだから、もっと収益性を高くできないかと考えました。

それで、食べチョクという産直ECのサービスに出会いました。食べチョクでは、小規模・中規模の生産者が自分の価値を理解してくれるユーザーから直接購入してもらえる仕組みがあります。この考えにすごく共感して、ここなら自分がやりたいことが実現できると思ったんです。

いま私が担当しているのは、ユーザーの利便性を向上させることです。美味しい食材が届くのはもちろんのこと、生産者の顔が見えることで、より深い価値を提供できるようにしています。

コンサルティング会社のときは1つのプロジェクトに没頭していれば良かったですが、事業会社、特にスタートアップでは、同時多発的にいろんなことが並行して起きます。良いことも悪いことも……

忙しい中でのモチベーション維持については、エネルギーをもらう仕事とエネルギーを使う仕事をバランス良く配置するようにしています。新しい挑戦を熱く語る人の話を聞くとエネルギーをもらえるので、バランスよく取り入れることで、モチベーションを維持しています。時間があれば、もっともっと地方を回って生産者さんたちのところへ行きたいですね。

20代ですべきこと。

若い頃の経験については、めっちゃ働いたことと、海外留学で英語を学んだことが良かったと思います。やらなくて後悔しているのは、英語をもっとペラペラになるまで頑張らなかったことです。20代のうちに成長にコミットすることは大切で、自分の成長に集中することが重要だと思います。私は死ぬほど働き、しごかれたことで成長できました。

経験したことと経験しなかったことが、10年後の自分に返ってくると思います。具体例は私の話ですが、抽象的に言うと、自分の成長にしっかりコミットすることが非常に重要だと思います。私の場合は、死ぬほど働き、厳しくしごかれたことが良かったと感じていますが、全員にあてはまるわけではないですね。自分が成長できる環境を選ぶことが重要だと思います。その意思決定が、後から良かったと思えることにつながるのではないでしょうか。
もう一つ大切なのは、視野を広げることです。自分が育ってきた環境をすべてだと思っているかもしれませんが、実際にはそれは非常に狭い一部分に過ぎません。私の場合、海外に行って多くのことを学び、知らないことを知ることで視野が広がりました。いろんな立場に立つことでも物の見方は変わります。今、もし戻れるなら、デザイナーやプログラマーの仕事も経験してみたかったです。

30代になると、新しいことに挑戦する余力が少なくなります。もちろん、やろうと思えばできるのですが、20代のうちに多くのことを経験しておくべきだと思います。


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