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怖い話・ホラー短編|花火

今日も、ドッパーンッ!と音が響く。
ここ3日も続いており、大きな花火大会があるのか19:00くらいになると窓を閉めていても音が聞こえる。
暗闇の中パソコン作業をしている私は、花火の音で集中力が途切れそうになりながらも、そのままカタカタとキーボードを打つ。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

同じリズムで音が響く。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

花火にしては変な音だ。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

定期的に聞こえる音の違和感に気づいてしまった。
外を見てみようと恐る恐るカーテンを開ける。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

当たりを見回しても、どこにも光は見えない。
私の家はマンションの最上階…10階だ、花火だったら見えてもおかしくない。
花火をやっている方角が違うのだろう。
マンションの構造で大きい音だけが響き定期的に聞こえるだけだろう。
そう思い込むことにした。
カーテンを閉めようと手にかけたその時、急に目の前に人の形をした黒い何かが通る。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

また、通った。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

ナニカと目が合った気がした。
ニタリと不気味な笑みを浮かべている気がした。
これ以上見てはいけないと思い、私は急いでカーテンを閉め、布団にくるまった。

ドッパーンッ!

ドッパーンッ!

肉塊が落ちて砕け散るような音が響く。

今でも生々しい破裂音が耳にこびりついている。

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