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|astrology|さそり座のおはなし



さそりの季節をゆきます。

今年は月蝕もあって、いつもより強く印象を受けることもあるのかもしれません。



てんびんの次に訪れる、さそりの領域。

風から水へ。分たれたものをくっつける、水の領域。

ふたごの後のかに、てんびんの後のさそり、そして、みずがめの後のうお。風の後に訪れる水は、いつでもそんな働きをしています。



てんびんで起こる「わたしとあなた」の分離は、鮮烈なものです。「わたし」がそれとして出来上がったとき、「あなた」とも「世界」とも分かれてしまう。

てんびんで吹いた風は、わたしをわたしとして知らせる大切な線を、いったん引いてくれる。その線を知っているからこそ、そのさきに、さらに深く甘い水が、あらわれることをゆるされる。



ここから「あなた」を「世界」を取り戻す旅が、はじまります。



さそりの水は、鋭いほどに透明で、とてつもなく深いのです。

透明に透明に降りてゆく、ちいさいように見えてどこまでも深い泉のよう。



わたしを降りてゆくとき、これまでのわたしは 《私》 だったことを知ります。そして、《私》に対しての《あなた》だったことも知る。

わたしの底へ降りるとき、《私》は綴じて、わたしとなる。それは、《あなた》すら包摂した、まあるい空間。



そうやって、さそりの水は、離したものを「くっつけて」しまうのです。

ここで知る水は、このさき、いて、やぎ、みずがめと旅する中に生きてゆく。

そして、最後、うおの水となってゆきます。



おおきなおおきな愛へかえってゆく流れ。

その最深部、もっとも透明度の高いその水に、触れてゆきます。



よき旅を。




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