画の六法

【岡倉天心の場合】
岡倉天心が藝大で教えていたものです。
現在でも受け継がれていると聞いています。

一.気韻生動
 画面全体に生命感、躍動感がある。
二.骨法用筆
 筆勢、筆の扱い方を学ぶべし。
三.応物写形
 全て写生に始まるべし。
四.随類伝彩
 全て色彩有り、その着彩表現を学ぶべし。
五.経営位置
 形や意匠、構図や組立を考えるべし。
六.伝模移写
 名作の画を模写して学ぶべし。

【東洋美術史の場合】
此方は中国・南斉(479-502)に生きた謝赫が著した『古画品録』に拠ります。
因みに私は東洋美術史専攻でしたが、一番最初に習ったのがこれでした。

一.気韻生動
 気韻ガ生動ス
二.骨法用筆
 骨法ニヨリ筆ヲ用イル
三.応物象形
 物ニ応ジテ形ヲ象ル
四.随類賦彩
 類ニ随イテ彩ヲ賦ス
五.経営位置
 経営ヲ位置スル
六.伝模移写
 伝ウルヲ模シ移シ写スコト

お気付きだとは思いますが、此方の重要性は六→五→四→三→二→一となっています。絵画を学ぶ順序を指しているのですね。
まず模写し、構図を知り、色を置き、デッサンし、筆遣いを学びなさい。自然と上達しているだろう、ということです。
残念なことに一番重要な「気韻生動」は画面上に動勢があるということですが、これは生まれ持ったセンスで後天的には身に付けられないものとされています。

【松田権六の場合】
一.師匠、先輩、知人などから教えを受けて学ぶ方法。人から学ぶもの。
二.自らの五感を働かせて学ぶ方法。物から教わる。
三.自分で研究、工夫をし、努力しながら真理の奥底の領域に達する方法。一生かけて追求する。

以上です。
投げ銭歓迎(笑)

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