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村上隆の五百羅漢図展

今週初めに終了した展覧会ですが、思うところがありましたので、ここに記します。村上隆自身は独自の解釈は好まない(印象論は受け付けない)とのことなので、配慮しながらになりますけども。

会期中、三十万人以上の来館者があったそうです。知人から聞いた話なのですが、それでも採算が合わないので、村上隆の大規模な国内での個展はこれが最後だろうと言います。
私自身、三回行きましたし、図録も買いましたし、それなりに貢献したつもりではあるのですが、同様の行動をした方は他にも居るのではないかと推察しますが、それでもなのかと軽く衝撃を受けました。

私はある理由で、羅漢さんというと懐かしさと親しみやすさを覚えます。そのせいか何なのか、村上隆の展示は初見ですが、非常に楽しめました。
彩色も鮮やかでしたし、羅漢さんが賑やかでしたし、慧可断臂とか円無一物とか、古典的なテーマがポップに表現されていました。
背景地がスカルなのですが、おドロおドロしさを感じさせない配色だったですね。
四千枚のシルクスクリーンを重ねて表現された、二百人の美大生を動員した作品群、圧巻でしたね。

「村上隆の五百羅漢図には祈りがない」という、批判めいた趣旨の文章を某所で見かけました。FBでシェアをしたので、私の周囲で見かけた方もいらっしゃることと思います。
私は学生時代、禅宗美術を勉強していたのですが、少し古い時代の論文を読んでいて不思議に思ったことがあります。「この画には精神性が現れている」とか「悟りを開いた」とか、禅僧が画いた作品なのは確かですが、本当に果たして悟りが発現した作品なのかどうかは判らんと思うのですよ。

因みに私の恩師(日本画家)は、「美術史の方々、一度制作してみたらどうかしら」と切り捨てておりましたよ。

以上です。

初投稿:2015.11.17
FBに投稿したものを加筆修正したものです。
投げ銭歓迎(笑)

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