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suiko
2016年3月15日 12:27
寒くもなく暑くもない小さな部屋の中で、俯いて自分の指の先を見ている。気が付くと、もう何時間も呼吸していなかったんじゃないかと思う位に肺の辺りが重苦しく、目の前がクラクラとゆがんだ。ゆっくりと深呼吸をする。喉の奥に広がる少し埃っぽい乾いた空気が、今の状況は現実であるということをより鮮明にした気がして目の前が真っ暗になった。僕はこれまで誰より真面目に生きてきた。欲望や感情が理性の前に飛び