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石読み日記 かつてそれは無理だった

何年か前の記録をパラパラと見ていた時、あるページの印が目についた。

一文の頭にしっかりと✕印がある。文はもちろん私が書いたもの。受け取ったメッセージをそのまま文に記したけれど、やっぱりボツにしたようだ。

書き残してあったのは

✕自分の人生に責任を持つ

その下にはあったのは

 → ムリ


笑ってしまった。
そうか、あの頃は「自分の人生に責任を持つ」は無理だったっけ。

面白いものだなぁ~
✕印を付けられたクライアントは、その後もずっとブレスレットを愛用し続けてくれている。
そして今は「無理」と書かれるような人ではない。



あの頃のクライアントは世間の評価に頼っているところがあった。

他人からほめられる・評価される=幸せな状況

そういう感覚が滲んでいた。
だが、そんな幸せに主体性はない。周囲からどんなに「いいわね~」と言われようと、それは自分自身から湧いてくる幸せとは違う。
外側から貼り付けた「幸せレッテル」はいずれ剥がれる。剥がれた後に残るのは空しい自分。

クライアントは、空っぽになってしまう前に己の力でそれに気付いた。

あの時、✕を書いたけれど、それはあの時のこと。これからは違う。
自身を持って言おう。

これからだ。
あの時のメッセージを活かす時がきた。

数年振りにきた依頼。
しかも、こうきた。

以前のブレスレットはそのままで、さらに新しいブレスレットを作ってください

今までを越える。
本人は解っていないけど、そういう依頼です、コレ。

かつては無理だったことも、今ならイケることもある。

うん、こりゃ春だ。


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翠恵
新しい目標は、他店で購入されたブレスレットのメンテナンスもできる店になること。商売的には難しいことですが、それがちょっとでも「山を守る」ことになれば…