モエ(水着)の立ち絵を自分好みに直す話

2024年7月21日 22:03

なんで周年で盛り上がってる中こんな燃えそうなものを公開する？？
と自分でも思いますが、まあ色々と。
絵を直す時って一箇所のバランスだけじゃないよ～って話を主目的として書きたいと思います。
直す方針としては通常モエとイベントスチルの小さく描かれたモエを参考に(そういやこのモエはウサミミありますね)。

…ちなみに周年前に天井させられました、さよならｺﾕ3

After

Before

パーツ単位で直しても目指しているバランスにはならない

絵描きは全員体験する事ですが、バランスがおかしいと思って直して崩壊、また直して崩壊…をやって無駄に時を過ごし、謎のゴミだけが眼前に残る。永遠に終わりが来ず結局全部描き直し、みたいな。思い出したくない。
水着モエに関し"腰が細すぎる"って話をちょいちょい見た気がするんですが、結果としてそう見えていたとしても大抵腰や腹だけ直せば目的の見た目になるというものではないです。
今回腰、腹回りに関しては、「全体的なパーツの長さ」「影の付け方」の2点がそう見せていると判断して修正。

以下修正箇所と考えを記します。
※かったるい長文書いてますが、絵は目的性癖解釈etc.で正解はいくらでも変わるので、元が好きな人は全然良いと思います、私の好みです。「お前はそうなんだ、へ～」くらいで読んでね。

頭

まず、頭はどこを向いているでしょうか？正面やや左にかしげ、20°程度左向きかと思われます。
しかしパーツごとに見ていくと少し齟齬があり、そこを自分の求める形に直します。

頬骨とほっぺ
頬骨側のアウトライン、目の下辺りの凹みですが、これはかなり顔が横を向かないとなかなか発生しません。ブルアカの絵でいうと通常ヨシミなどが分かりやすいでしょうか。
これは幼さやふくよかさを出す事ができます。

デフォルメSD絵では、これは同存化でよく行われる表現のひとつです(ブルアカのスタンプにもありますね)
通常のバランスの正面に近い顔でこれを行うと、ほっぺを大きく突き出すわけにはいかないために、頭蓋骨が大きく下部がやせ細って見えます。
横向きの顔の手癖で、正面に近い顔を描くと起こりやすい。
これは他のキャラを参考に同程度のバランスに修正。

目

左右で違う方向に角度がついており、ここだけを見るとアオリの構図のようにも見えます。
それに釣られて視認する事で顎がやや尖って見える原因となっています(アオリだと顎のラインは直線に近づくため)
特に口が谷折りで、舌は俯瞰のように見えるので、そことも齟齬を起こしていると考え、共に修正。

通常モエはハイライトが入っていますが水着モエには入っていません。今回は入れませんでした。
夏で日照が上から強いことを考えると眼球にはもう少し強く影を落としてもいいかも？
日本の夏ではないので深くは考えないことにします。

耳

もう少し高い位置が良いと考えました、これもまた頭蓋が大きく見える原因です。
頭蓋が大きい絵は幼児のバランスに近づくため、２次元絵ではよく行われますが、やりすぎ注意です。
ボリューミーな髪型だとこれくらいの位置に見える事もあります
モエはこの絵では髪質が細く見えますし、2つ結びで頭蓋のアウトラインがくっきり出ているので、少し上げてやることに。
そこを考えると前髪もかなりぺったりしてますね、やはり髪質が細い
また、頭蓋骨に対してかなり角度がついて斜めです。やっぱりアオリで描いてるつもりなのかもね
右耳の見え方も加味するとこの絵のモエは"立ち耳"、いわゆる猿耳である可能性。今回は角度と高さを直し、右耳を少し隠しました。立ち耳は立ち耳でかわいいけどね

頭の中央よりかなり下、また角度がかなりある。アオリにしては他のパーツが付いてきていない。

その他パーツ

鼻は影の向きが逆に見えるため修正。
口についてはかなり難しいバランスの表情なので妥協の産物。舌の根っこを下げて俯瞰度を軽減したくらい、歯見えはフレーバー。歯が見えるの好きなんですよね。

…表情差分を作る関係で、立ち絵の口と顎周りのバランスというのは本当に難しいです。口を大きく開けた差分でも顎を下げられませんし(切り替わりで不自然に見える)。
その関係か、水着モエの小さな口の差分は顎から口までの幅がかなり大きくなってしまってました、本当に難しい
口でオーバーな表情を描ける人は本当にすごいです、堀越耕平先生とか…

全体として上半身がのけぞっているので、顔もそれに合わせ顎を引いた構図に。これは実は最初に決め打ちしてます。先生のアイレベルはへそ下あたりと想定。
立ち絵は拡縮や上下パンなど、様々な見せ方をするので大きくパースをつけないほうがよく、結果よく考えると超遠くにいてめちゃくちゃデカい物体みたいなパースになってたり。でもそれが一番使いやすいかも　スーパーフラット！！

首

ブルアカの絵は結構これ多いんですが、首ってボール状の頭の中央からまっすぐ下に生えてるわけではないんですよね、首がどこから生えてどこに繋がっているかを考えないと、真正面以外を描いた時におかしな事になりがちです。
これもデフォルメだとあんまり気にしない箇所かも。

あと細めに描かれていて長く見えるためここも修正。
自分好みの位置と太さに直しましたが、この絵のバランスだともうちょっと細くてもよかったかも。

※例として通常コトリの首(とその他)を軽く直してみる

ちょっとの調整でも結構変わる(全然ちょっとじゃない)
にしてもコトリのこの服装一体何？？

実は通常モエもまあまあ首は長いんですが、タートルネックを絵的にバランスよく収めるためにそうなっている事情があります。

どちらかというと胸の位置のほうが怪しいかもしれない、無理やり帳尻を合わせた。
こうして見ると通常モエも頭がかなり大きいですね

顔全体の修正後

顎を引き、パーツが平行になるようにし、首が後頭部に繋がっていくように。
結局ほぼ全体に手が入ることになります、一から描くほうが絶対早い…

肩、上半身

右肩がやや低いと判断、バルーンを持ち上げているため少し力の入ったくらいに修正。
少しだけ肩幅も増やしました。腰の角度を考えれば右肩が低い状態を保ったほうが望ましいです。(コントラポストの考え方)

腕

服で分かりづらいですが、腕が結構長いです。
両手を少し短く修正。ロケットバルーン？が透けているせいでめちゃくちゃ描き直しになってます。
左腕が服の形状であらぬ所から曲がっているように見えるので、シワと影を調整します。無理やりなのでブカブカ感が減少、残念。
服の白いラインも手の甲の向きと肩の張りを考えて、通る位置を修正。こんだけブカブカだとあんまり関係ないかもですが。
これでもまだちょっと長い気がしてます、右腕は元絵の関係で調整が難しいですし…

この後何度か同じこと言いますが、ここまでするならもうイチから描いたほうが早いし良いです。

脚

腰から膝よりも膝からくるぶしのほうが長いです。
さらに、真っ直ぐの右足と、曲げてる左足がほぼ同じ着地をしてます。
高さを調整し、かかとが上がる分つま先を曲げます。

右足は右足で、影の付け方を見るとスネが正面右を向いているはずなんですが、つま先は真逆を向いていて不自然です。

今回はつま先を左右反転することで収め、コントラポスト的な立ち方になりました。省エネ。そのせいで右足の親指が外側にあります。直すの忘れてましたごめんね
あと全体としても膝下を短くしています。
縦に短くなる=相対的に横幅が長くなるので、横はいじっていません。~~太もも盛ってもよかったかな…~~

光の方向

日照は画面右上正面からだと思われるので、それを元にある程度影のつき方を修正。腹にかかる服の影などが分かりやすいです、これによって平面的な印象を緩和しています。

修正後。
影の境界が濃くなるのはサブサーフェススキャッタリング(SSS)ですが多分ここには出来ないと思います、記号的表現ってやつです。

もうちょっと丁寧に直したほうがいいですが、そこまでするならイチから描き直したほうが良い。

腹、腰

細い細い言われてるのを見た気がしますが、実は今回太さはほとんど直してません、わずかに増やした程度。

細く見える原因は全体的な各パーツの長さと、くびれができるような腹部に大して、肉感のある立体的な影を中央付近で　収めた結果、内側に凹んで見えてしまい、それが"奥幅の薄さの強調"になってしまっているからです。

へその位置も高すぎると考え、少し下に落とします。まあイチから描き直したほうが良いですねこれも。
影のコントラストをやや落とし、全体として左に影を寄せて、右上日照に合わせます。
今回は肉付きは増やしませんでした。でもSD班の仕事やイベントスチルを見ると、下腹部の肉はかなりありそうにも見える。

因みにくびれは肋骨と骨盤の距離が長い、つまり胴が長いとできやすいってことですね。通常モエも多分立ったら結構胴長なんじゃないかな？
ある程度下腹部に肉があっても十分くびれは出来ると思うので、現実目線でもそこは矛盾はしないかと。
~~背筋を張っているのに腹に段ができるかは分かりませんが…~~

ロケットバルーン的サムシング

右側と左側で向いている向きに少し差異があります。
全然曲げられる素材だと思うので、別に直さなくて良い…が、その場合太ももに押し付けられるだろうと考え、その表現を描くのもだるいのでさくっと修正。
押し付けて変形した太ももと風船を描くほうがフェティッシュではありますが、もうそこまでするなら以下略

左の模様を修正
どっちかというと手の調整で上に上がった分の描き直しのほうがだるい
あとほんとは継ぎ目を形に沿わせて描き直したほうが良い

完成？

ということで、横幅はあまりいじらず全体を修正しました。
バランス調整がほとんどですが、顔造形は通常モエに近づけたり。
もうちょっと解像度高いのを用意してやればよかった…解像度が低いと瞳孔の位置調整などの難易度が跳ね上がります。1ドット移動するだけで印象が全然変わってしまう。

ブルアカの立ち絵、直してえ～～ってなる事は結構あるんですが(特にメモロビ)、そんな事するなら自分の絵描いて上げるほうに割きたいので、普段こんなことはしないです。
じゃあなんでこんな燃料を？というと"好みでない、バランス悪く見える理由を整理できそう"だったので。某水彩画家の添削コーナーが好きで最近観てたのもあります。この記事はもっと良くなる、じゃなくて俺好みになる、ですが。
自身の好みを理解すると、自身の好みを出力できるようになります。ハッピー。

…でももし自分の絵が勝手に校正された上講釈垂れられて最後にハッピーとか言われてたら間違いなく色彩化すると思うので原画の方には謝っておきます、ごめんなさい。もうしません。

おまけ

なんでSDはつけている？派閥戦争？

ブルーアーカイブ、そろそろ3.5周年らしい、おめでとう
そして限定WPUで期間も短く、私の旅はここで終わってしまいました。
背後にもう一度限定WPUが控えている、限定五月雨撃ちで穴だらけのカードを救って欲しい
直前がモエでなければ…
さようなら