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入社式の思い出
入社式の日のことはまだ鮮明に覚えてる
卒業の前から長引く咳に苦しんでいたのだが、入社式当日も止まることはなかった
静まり返る室内に響き渡るは
社長の長い話と私の咳
しかも、コホンコホンと
可愛い咳ならまだマシなのに…
表現するなら…
ゴホンゴホン、ガッグハァッ!!!
みたいな、この世の終わりみたいな咳だったので死ぬほど恥ずかしかった
我慢しようと堪えて涙目で苦しんでいると、ふと背後に気配を感じた
目を上げると、そこにいたのは…大きな着ぐるみだった(弊社マスコットキャラクター)
やつは…「ブーーーーーーン」と
不気味な音を響かせながら
大きな図体に「新入社員」というタスキをかけて真顔で立っていた
ブーーーーーーン…
え、知らん同期来たんやけど
え、ていうかブーーーーーーーーン…ってどういうこと
あ、モーター…か…
私の同期…モーターで動いてるんやけど
ゴホッゴホッガハッ!
ブーーーーーーーーーーーン…
地獄かよ
こちとら咳こらえるだけでしんどいのに
笑かしてくんなや
一人で勝手にツボってしまいすごく
しんどかったのを覚えている
付き添いの人事のお姉さんは、
ブーーーーーンのことを
「呼吸音」と表現していた
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疲れたけど買い物をすませ帰ったら
鍵がなかった
入社一日目に鍵をなくした
泣いた
近くに住んでる同期の家に泊めてもらった
知り合って数日しかたってないのに、
嫌な顔ひとつせず爆笑しながら泊めてくれたあの子とは今でも一番仲がよい
ありがとう
翌朝
複雑な鍵の形だか、なんだかで
カギの救急車は私に2万を請求してきた
新入社員に2万は死ぬほどきつかったが、
家に入らない訳にはいかず泣く泣く出した
はぁ…散々やったわ…疲れた…
初日から何やってんねん、まじで…
昨日買ってきた荷物を置いたとき
聞こえてしまった
カラン
恐る恐るひっくり返したスーパーの
ビニール袋から
鍵が出てきた
え
何やってんねん
ちゃんと泣いた
そんなわたしもこの4月で10年目です。
スタートダッシュ上手くきれなかったし、
途中で転びまくって
思ったような生き方してないけど、
なんとかなってるんだから人間ってすごい笑