「戉」「戊」「戌」「戍」、詳しく調べてみた②
水切(すいぎり)と申します。
「戉」「戊」「戌」「戍」、詳しく調べてみたの続きです。
※すぐ始まるので、①を見てからの閲覧を推奨します。
②戊
まず、zdic.netで「戊」を検索してみましょう。
これをDeepL翻訳で日本語に翻訳します。
誤訳と見られるものが多いですね・・・
まあ、頑張って調べていきましょう。
②-1 十干
まず、一つ目の意味から調べていきます。
英語が併記されているのでわかりやすいですね。
「天干」とは、日本語では「十干」と言い、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類からなります。
この用法は聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。
また、それぞれの十干には「東・西・南・北・中央」の5つの方位が割り振られており、戊には「中央」が割り振られています。
DeepLは誤訳してしまっているのですが、「地支」とはなんのことでしょうか。
Wikipediaで調べてみると、
どうやら十二支のことを指すようです。初めて知りました。
そしてDeepLに「又与地支相配,用以纪年或纪日。」の部分だけ翻訳させてみると、こうなりました。
地球の枝=十二支なので、「十干と十二支を合わせて年や日付を表現する。」と言ったところでしょうか。
Wikipediaを見ると、確かに年や日付の表現が書いてあります。
説明するのが少し面倒な構造になっているので、詳しく知りたい方は各自でWikipediaを見てみてください。(説明放棄)
一応簡単に言うと十干は、西暦や日の数字下1桁が十干と対応しており、十二支は西暦を12で割った余りや月(moonではなくmonthの方)が十二支と対応していると言った感じです。
これは文例ですね。「共和九年(紀元前832年)は戊辰年だ」という文章だと思われます。
②-2 漢書
さて、2つ目の意味を調べていきましょう。
・・・全く関係ないですが、イギリス英語なんですね。
アメリカと中国の仲が良くないからでしょうか。
これは既にさっき説明しましたね。五つの方位「東・西・南・北・中央」のうち、「戊」は中央であるという話です。
これも文例のようですが、「汉书」は「漢書」(「前漢書」)らしいので、おそらく元となった文章があるものと思われます。調べてみましょう。
見つかりました!
DeepL翻訳で翻訳してみると、
うーん。正直よく分からないです。
そういえば、古代中国では3次元空間での軸に数字をつけていて、y軸は上が5、下が6であったみたいなことがどこかに書いてあったはずなんですが、どこに書いてあったのか忘れてしまいました。(申し訳ないです)
知っている方がいらっしゃいましたらコメント等で補足していただけるとありがたいです。
②-3 ChatGPT
さて、3つ目の意味です。
DeepL翻訳では「大地を表す」となっていますが、[earth]という表記があるのでおそらく地球を指すのでしょう。
問題は文例の方です。
とりあえずこの文章のみをDeepLにかけてみます。
_人人人人_
> E丙 <
 ̄Y^Y^Y ̄
_人人人人人人人人人人_
> 古代の10ドライ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
_人人人人_
> E牙 <
 ̄Y^Y^Y ̄
・・・ChatGPTで試してみます。
上手く行ったようです。
「一旬の中の戊日と己日」は、「日付の下1桁」が4なら「戊」、5なら「己」日となるという話です。②-2で説明放棄したところのWikipediaに書いてあります。
そして②-1でも解説した通り、十干のうち戊と己は「中央」の方角に位置します。
五行とは「五行説」(「五行思想」)のことで、「万物は火・水・木・金・土の5つの元素*からできている」という思想のことです。
(*ここでいう「元素」とは、いわゆる現代の(原子番号が振られている)「元素」のことではなく、「万物の根源となる要素」という意味です。)
十干にはこの5つの元素も割り振られており、戊と己は「土」が割り振られています。そのため「戊己」を「土」を表す代名詞として使うそうです。
「戊方」も、同じ意味だと思われます。
そういえば、甲骨文字を忘れていました。
なんか扇風機の蓋を取ったみたいな見た目ですね。
2023/1/5 12:00
zdic.netのセキュリティが弱くなっているようで、アクセスできなくなっていました。internet archiveからアクセスしたのですが、もしかすると今後参考にするサイトを変えるかもしれません。
次回は「戌」です。乞うご期待。