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#16.君は無邪気に振る舞うけれど/Calvin Harris - Summer
おはようございます。気がつけば八月も下旬。そろそろ秋の気配を感じられてもいい頃合いですが、わたしの周囲ではまだまだ秋の気配などは微塵も感じません。ひたすら暑い夏がダラダラ続いています。早いとこ涼しさを感じられるようになればいいのですが。
さて、今日は2022年11月16日にTwitterに流したツイートの大幅加筆修正版となります。
嘘というものは現実の社会ではよくないものとされてますね。嘘をつくことは道徳的倫理的に良くないし、嘘をついて金儲けしたら詐欺になる。
嘘をついてはいけないという戒めとして、昔は子どもに対して「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる」と言ってました。
今でもそんなこと言ってるのかな。あまり周囲で聞いたことがないし、わたし自身もそんなことを親から言われた記憶がない。忘れてるだけかもしれないけど。そもそも「閻魔様って誰?」ってところから説明が必要かもしれません。
ただ、ある程度の大人になると、絶対に嘘をついたことはないって人もいないんじゃないかな。みんな大なり小なり嘘をつくこともある。たいていは罪のない嘘や、ささいな罪の嘘だと思うけど。
そりゃあんまり大きな嘘は困りますが、とにかく嘘をついたことはない大人はいないと断言してもいい。嘘ついて仕事をサボったことがある人は、むしろ親しみを持てそうなくらいです。
さて、恋人同士や恋人になるかならないかの時期に、駆け引き的に嘘をつくこともないわけじゃない。いや、わたしの話ではなくてですね、あくまでも一般論として聞いてほしいんだけど。
たとえば夏の出会いというものがありますね。夏祭りや花火大会、あるいはビーチやキャンプなどなど、機会や場所はなんでもいいんだけど、とにかく夏ならではの開放感に満ちたイベントなどで、魅力的な誰かに出会ってたちまち恋に落ちるわけです。
そして夏は去り行き、秋になる。その恋人とはまだ関係が続いているけれど、出会ったばかりの頃よりもいくぶんか情熱は冷めている。開放的な気分の夏は過ぎ、朝晩にそろそろ涼しさも感じられるような季節に、少し冷静さを取り戻すわけですね。
そんなときにふと気づく。君は嘘をついたんだと。Calvin Harrisの"Summer"は、まさにそういう内容の曲です。
Calvin Harris - Summer (Official Video)
この曲はタイトルこそ"Summer"ですが、恋人と夏に出会って恋に落ちて、そして葉が茶色く色づく今も一緒にいるとの内容なので、秋の歌と言えますね。
夏に出会った恋人が秋になっても一緒にいるという内容なので、これだけならば単純な歌詞なのですが、この曲には不穏な一節が紛れ込んでいます。「君は無邪気に振る舞うけれど、君はすぐに嘘をついた」、そんな一節です。
嘘の内容や理由は曲の中で明かされていないので、ここからいろんな想像が広がりますね。「君」がついた嘘とはどんな嘘なのか? なぜそんな嘘をついたのか? ちょっとした物語が生まれそうです。
あるいはこの曲はこういう解釈も成り立ちます。
夏に君と出会って恋に落ちたけど、君は無邪気に振る舞いながらすぐに嘘をついた。あのとき君が嘘さえつかなければ、葉が茶色に色づく今も一緒にいられたかもしれない。そう秋に回想していると。
いずれにしても、真夏にはあれだけ魅力的に見えた君との思い出も、周囲が秋の色に色づき、涼しい風が吹き始める頃になると、君と作った夏の思い出にも色褪せた寒々しいものが漂います。
開放的な気分になる夏に、魅力的な誰かと「嘘」をついて駆け引きする。それだけでひとつの物語になりそうです。
これがある程度の大人になると、今日は仕事行くのが億劫だから、ここはひとつ嘘でもついてサボるか、くらいになってしまうのが切ないところですけれど。
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