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#09.副反応のような憂鬱/Becky Hill & Lewis Thompson - Side Effects
おはようございます。7月に入り大雨ばかりですね。毎年のこととはいえうんざりしてしまいます。災害にならない程度に雨が降ってくれるのがいちばんいいんですが、なかなかそういうわけにもいかない。
一方で、大雨とは違ってTwitter。相変わらず制限が続いています。こればかりは自然現象じゃなくて、人間の為すことなんだから、もう少しユーザーの意見みたいなものを取り入れてくれてもよさそうなものですが。
それでは、今朝のGood Morning! Music は新作です。
別れた人のことを忘れようとしても、ふとした瞬間にその元恋人のことを鮮明に思い出してしまうことは、たぶん多くの人が経験していることなんじゃないかなと思う。
たとえば、クラブでにぎやかに過ごしているとき、あるいは新しい恋人とベッドで過ごしているとき、以前の恋人のことを強烈に思い出して憂鬱になる。前に進んだはずなのに、過去の人がますます忘れられない自分に嫌気がさす、みたいな。
それはたしかにあまりいい感じはしない。自分では過去をふり切って前に進んでいるつもりでも、実は過去をふり払えない自分を見せつけられているみたいだから。
そんなふうに、別れた恋人のことを思い出して憂鬱になる気分を歌ったのが、Becky Hill, Lewis Thompsonの"Side Effects"。
"Side Effects"には「副作用」、「副反応」という意味がある。薬やワクチンによる「副反応」ですね。そこから派生して「予想外の反応」、「意外な結果」みたいな意味もあるらしい。
だから、自分では過去をふり切ったと思っていても、ふとした瞬間に過去の元恋人のことを鮮明に思い出してしまうのは、恋愛の副作用と言えるのかもしれない。あるいは意外な結果とも考えられる。
でも、考えてみれば、過去の元恋人のことを思い出すというのは、それって悪いことでもないのだろうし、それだけ深く誰かと関わったしるしみたいなものでもあるんじゃないかな。
そりゃまあ、忘れてしまいたいほどひどい扱いを受けたことがある、あるいはその逆というのなら話は別ですが、過去に属するはずの人物が不意に鮮明に心のうちに蘇るくらいの関係を結べる自分がいた、ということでもあるので。
その一方で、ここでの別れた人というのは、なにも夫婦だとか恋人に限らずに考えてみると、それもまた別の側面みたいなものが見えてきます。
それは家族だったり友達だったり、あるいは自分に深い影響を与えたくれた先生みたいな人物だという場合もあるのかもしれない。
おりに触れて、過去に何かの関係があった人が、あのときにあんなこと言ってたなあとか、あのときにあんな表情をしてたなあと、ふとした瞬間に予期しない感じで思い出すのは、それもまた人間と人間が深く関わりを持ったしるしなのではないでしょうか。
もちろん、人と人との関わりなので、なにもかもが良好な関係であり、良い記憶を残すわけでもないんだけど、恋愛に限らずそれくらい深い関係を誰かと結べる、あるいは結べたというのは、悪いことでもないよね。
予期しない「副反応」だから、熱が出るなど悪い反応くらいが、それだけ誰かと深く関わったしるしなんだと思うようにすれば、なんとか乗り切れるのかな。
でも、わたしが過去に関わったことのある誰かが、ふとした瞬間にわたしのことを思い出して、「あんなにいやな奴もそうそういなかったな」と苦い思いをしていたら、それはまあ、すみませんとしか言いようがないんですけども。
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