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旅行記:2007年9月 北欧一人旅 ~Denmark編~

4日目:9/26(水) 

ヘルシンキ ヴァンター国際空港から2時間弱の空路を経て到着したのは、北欧の玄関」とも言われ「建築、インテリア共に美しいデザインを堪能できる」と評判のデンマーク カストラップ国際空港。
ソファーのデザイン、色、トイレの洗面台のデザインなどなど、バゲージクレームに辿り着くまでの随所に既に見所満載! 

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写真を撮りながらのんびりと空港内を満喫しつつ、 いざバゲージクレームに到着してみてビックリ!
バゲージクレームの隣には両替所と並んでホットドッグスタンドが!
「コペンハーゲンではホットドッグスタンドをよく見かける」というのは、旅行前の情報収集で知っていたものの、こんな所にまで。
とりあえず食べとくべきか迷ったものの、さすがにお腹もすいていないのでデンマークの通貨「デンマーククローネ(DKK)」への両替のみで、ホットドッグスタンドは素通り。

空港からコペンハーゲン中央駅までは電車で約15分。
駅や鉄道は12年前に訪れた隣国ドイツにとてもよく似ている。
デンマークはドイツから陸続きなのでヨーロッパ色が強いのか、同じ北欧と言えどもフィンランドとは全然違う雰囲気。 

駅からホテルまではすぐのはずだったが、駅の出口を間違え、大きなスーツケースをガラガラ引きながら遠回り。
予約したホテルが安宿街に近かったからか、 ホテルの周りはヘルシンキの場合に比べると若干治安が悪そう。

チェックインを終えて一息つくとすぐに部屋を出て、夕食兼散策へ。
倉敷チボリ公園の基となったコペンハーゲン中央駅前のチボリ公園での夕食も考えていたのだが、残念なことにちょうど数日前から冬季休園期間に突入した様子で門は閉ざされたまま。

そのまま市庁舎前広場まで歩くと、ここにもたくさんのホットドッグスタンド。
滞在中一度は食べてみようと思いながらも、今回もパス。
コペンハーゲンの目抜き通りストロイエにあった適当なレストランで夕食とし、ホテルへ戻り就寝。

5日目:9/27(木) 

朝食はホテルのビュッフェ。
ヘルシンキで泊まったホテルと比べると随分規模が小さいホテルのため、ビュッフェの品数は少ないものの、一通りのものが揃っていて十分満足。

申し分のない快晴の今日は旅の目的の一つであるアルネ・ヤコブセンの建築を訪ねて、電車でベルビュービーチへ。

ベルビュービーチはコペンハーゲン郊外にある高級リゾート地。
1932年、コンペに勝ったヤコブセンは集合住宅を皮切りにベルビュー一帯の設計に着手したそうで、ここベルビュービーチにはお目当ての監視塔以外にもヤコブセンが手掛けた建築が数多く残っている。

電車を降りて歩くこと10分程度、目の前には広々とした緑の芝生、その向こうには砂浜と青い海。
そしてありました、ずっとお目にかかりたかった監視塔!
写真で拝見していた通りの、水色と白のストライプに大満足!
その上、砂浜にあるシャワー棟、ビーチバレー用のポール、、、あらゆるものに監視塔同様水色と白のストライプが施され、そのさりげない統一感に感激!

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秋だからかビーチには人が少ないが、よく見ると所々にご老人が水着姿で日向ぼっこ。
「なんとものどかな風景・・・」と思った次の瞬間、そのご老人がおもむろに水着を脱ぎ捨て全裸で入水・・・。
皆さん砂浜では何かしらを着ているのでヌーディストビーチとはまた違うみたいだけど、入水する際には必ず全裸。
さすがに至近距離での観察は気が引けたので、遠目で暫くそんな不思議な光景を観察する。

そんなこんなしているうちにお腹がすいたので、ベルビュービーチ近くのベルビューシアターに併設された「レストラン・ヤコブセン」へ。
ヤコブセン好きのオーナーによって運営されており、家具、カトラリー、全てがヤコブセンデザイン。
ヤコブセンデザインが目的だっただけに料理には全然期待していなかったのだが(←この手のレストランは料理はイマイチなことが多い経験則より)、そんな期待をよい意味で裏切られる。
パンも美味しいし、スモークサーモンも美味しいし、サービスも心地よい。
あ~、、、この上ない幸せ。

いろんな意味で満腹になってレストランを後にし、向かうはテキサコ・サービス・ステーション。
有名なヤコブセンデザインの椅子「アントチェア」と同じフォルムのガソリンスタンドで、もちろんヤコブセンデザイン。

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場所をちゃんと把握していなかったため、トリアエズ先程のレストランでウエイトレスに教えてもらった方向に歩く。
しかし歩けど歩けどガソリンスタンドらしきものは現れず、通りすがりの女性に再度尋ねると「今来た道を戻れ」と、先程のウエイトレスに教えられた方向とは真逆を指差す。
けっこう歩いて来てしまったのでバスで逆方向へ向かうことに。
そのバスもどこで降りたらいいのか全く予測できず、窓から見える景色と勘に頼って「ちょっと行き過ぎたかな?」と思った辺りで降車。
しかし行き過ぎたのはちょっとどころではなく、徒歩でかなり戻った所にガソリンスタンド登場! 
かなりの距離を歩かされた疲れも手伝って、感激もひとしお!

ヤコブセン建築巡礼の旅に大満足し、コペンハーゲン市街へ電車で戻る。

最もコペンハーゲンらしい雰囲気が味わえるとのニューハウンを経て、フレデリクス教会へ。
アマリエンボー宮殿を抜け、フェリーの上からオペラハウスを眺めつつ、王立図書館へ。

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デンマーク最大規模を誇るというこの図書館、カフェ、ブティック、レストランまで完備された、図書館ということを忘れてしまうような非常に洗練された空間。
クリスチャンボー城は改修工事中でその全貌を拝むことができず残念。

暗くなるまでとにかくよく歩き回った今日も、振り返るとホットドッグは食べなかった。

6日目:9/28(金) 

本日も朝食はホテルのビュッフェ。
さすがはデンマークということだろうか、デニッシュの種類が豊富、しかもどれも美味しくてヘルシンキ滞在同様朝から満腹。

昨晩までの今日の予定は、今回の旅の目的の一つである人魚姫の像の拝観、そして、コペンハーゲン市街でのカフェ巡りとショッピングだった。
しかし、朝食前にガイドブックを何の気なしに見ていたところ、クロンボー城という世界遺産がコペンハーゲン郊外にあることを知る。
世界遺産にめっぽう弱い私は急遽予定変更。

まずは絶対に外せない人魚姫の像へ。
星の形をしたカステレット要塞を通り抜け、ゲフィオンの泉を経て海辺へ出ると、遠くに小さな像が見える。
その像の周囲には人っ子一人いないため、まさか人魚姫の像とは思わず、遠目からのフォルムでアザラシかなんかの像かと思い近付いたその像こそが、目的の人魚姫の像であった。 

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実際見た人が異口同音に「しょぼい」と言ったことに納得。
しかし、今にも雨が降り出しそうに雲が垂れ込んだ暗い空、周囲には白鳥2羽と私だけという閑散っぷり、そして人魚姫のうつむいた悲しげな表情が妙にマッチしていて、ある意味大満足。
その妙なムードに名残惜しさを感じつつも足早に駅へ戻り、再び電車に乗り込む。

そして電車に揺られること約45分、終点ヘルシンゴー駅に到着。 

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駅から徒歩10分程の世界遺産クロンボー城は、デンマークのルネッサンス式建築の中で最も見事と言われ、シェークスピアの「ハムレット」の舞台になったことでも知られている。
北欧一とも言われる大広間は圧巻、城から海を挟んで向こうのスウェーデンへ向けられて並ぶ数々の大砲も圧巻。 

城内の一部に貿易なども含めた海洋の歴史に関する博物館があったのだが、時間の関係もあってパスするつもりで、その博物館には入れないチケットを購入していた。
しかし通りすがりにその博物館の中をちょっと覗いたところ、入口に立っていた係員のお兄さんが「どうぞ」と。
「私のチケットは博物館には入れないの」とチケットを見せながら返すと、「今日だけOK!どうぞ、どうぞ!」と。
時間の関係でパスのつもりだったものの、その御厚意を断るわけにはいかず、お言葉に甘える。
「お言葉に甘えたからには・・・」と一通り見て回ったら想像以上に充実した展示で想定外の時間を費やしてしまったが、係員のお兄さんのゆる~い感じがよい思い出に。

駅へ急ぎ、電車でコペンハーゲン市街へ戻って、カフェ巡り。
下調べで気になっていたカフェはいっぱいあったが、 残念ながら全部は回りきれないので、地域を絞って3軒を覗く。 

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その中でいちばん気に入った1軒「グラノラ」に入り、コーヒーとチョコレート菓子を注文。
狭い店内には学校帰りの小学生と思しき女の子が4人。
ペチャクチャ楽しそうにお喋りしながらパフェをつつき合い、携帯電話のカメラでお互いを撮影。
まるで映画から飛び出して来たかのような、オシャレな服装と雰囲気。

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その後、コペンハーゲンの目抜き通りストロイエで買い物。
物価は聞いていた通りに高く、その上ヘルシンキよりも更に高い。

夕食はスカンジナビア最大規模を誇るという百貨店「マガシン」の地下にある人気デリ「マイヤーズデリ」のイートインコーナーへ。
金曜夜ということもあり、大賑わい。
隣の席には父、母、中高生と思しき娘2人の4人家族が、父母はワインを片手に、娘達はノンアルコールながらも、談笑しながらの夕食。
他にも家族連れが多く、日本での金曜夜と言えば職場の人と飲みに行くパターンがほとんどだろうが、ここデンマークでは家族団欒の一時らしい。

そんな中一人で食事をする孤独な私に、隣の家族連れのママが「どこから来たの?」などといろいろ話しかけてきた。
質問には答えられるものの、乏しい英会話力ゆえにあまり会話が広がらず、またもやもどかしい思いを。

ホテルまでの帰り道にスーパーマーケット「イヤマ」に寄り、イヤマグッズをいろいろ買い込む。
スーパーマーケットのPBが、なんでこんなにオシャレなのでしょう。

そしてホテルに着いて気付くと、今日もホットドッグを食べていなかった。

7日目:9/29(土) 

昨夜は金曜日だったからか、ホテルの外で酔っ払いと思しき叫び声がうるさく寝付けず。

そうなると人間マイナス思考になっていくもので、前日まで気にならなかったドアの軋む音や周りの部屋の音、廊下を歩く音などが気になりだす。
ホテルの建付けがよくなかったのか、他の部屋でドアを勢いよく閉めると私の部屋のドアノブが一瞬動き、それが部屋の外からドアノブを回されているように思えて寝てはいられなくなる。

あまりにそれが続くのでフロントに電話をし「誰かが私の部屋のドアを開けようとしているかもしれないので、危険人物がいないか見に来てほしい」とお願いするも、「そんなはずはない、大丈夫、安心して」とあっさり断られる。
もうこうなったらいつ何があっても大丈夫なように、いつでも部屋を出られる格好に着替えて靴も履き、一睡もせず夜明けを待つことに。

幸い結局何もなく、ドアノブが動くのはやはりホテルの建付けの悪さが原因だったようだが、夜が明けるまでの時間がどれだけ長かったことか。
それまで自由奔放に動けるメリットしか感じていなかった一人旅だったが、最後の最後に一人旅のデメリットを思い知ることとなった。

しかし「それもよい経験!」と気を取り直して早めに朝食をとり、不安な思いをしたためかヘルシンキの時のように感慨深い思いをすることもなく、あっさりチェックアウト。

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空港にてタックス・リファンドの手続きなどもしなければならなかったため、早めに電車で空港へ向かう。
タックス・リファンドとは付加価値税の還付のことで、いわゆる免税手続き。
予想以上に手続きが簡単に終了したため、搭乗時間までカストラップ国際空港を堪能することに。 

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デンマークの有名照明デザイナーであるポール・クリスチャンセンがデザインしたという手荷物用のカーゴは、曲線を描くデザインが単体でも美しい上に、カーゴ置き場に重なって並んでいる姿も美しい。

最後の最後まで北欧デザインに見惚れつつ、搭乗ゲートをくぐって乗り継ぎのヒースロー空港へ向かい離陸。
ヒースロー空港では往路同様厳しい手荷物検査が実施され、そこでまた痛い目に遭う。 

機内には100mlを超える液体を持ち込むことが禁止されているのは知っていたのだが、うっかり手荷物の中に150mlの液体を入れていた私。
それはフィンランドで購入した化粧品で、タックス・リファンドの手続きの際に購入品の提示が必要であったため手荷物に入れていた。
デンマークの空港でのタックス・リファンド手続き終了後にスーツケースにしまってからスーツケースを預ければこんなことにはならなかったのだが、「チェックインが混む前に・・・」と先にチェックインしてからタックス・リファンド手続きを行ったことがそもそもの失敗だった。
自分も手荷物にその化粧品が入っていることはすっかり忘れていた上に、不思議なことにデンマーク出国の際には問題にはならなっかたので全く気付かず、それがヒースロー空港で問題に。

係員のおばちゃんから「ここで捨てるか、捨てるのが嫌だったら一度イギリスに入国して再度チェックインカウンターでこれを預けて」と言われる。
絶対に買って帰ろうと旅行前から計画してきたフィンランドブランドの化粧品だったし、何より「開封もしていないのに捨てるなんてイヤ~!」と思い、時計を見るとフライトまであと1時間。
「なんとかいける!」との希望的観測から、係員のおばちゃんに「捨てたくないので再度チェックインしたい」旨を伝える。
フライト時刻を確認したおばちゃんは「ん~、なんとかいけそうね!」とウインクし、イギリスへの入国審査を経て再度チェックインまでの行程をテキパキと説明してくれた。

そんなおばちゃんにお礼を言い放ち、説明された通りにひたすらダッシュ! 途中、つたない英語で状況を説明する私に対応してくださったヒースロー空港の係員の方々には、本当に感謝!
空港内を駆けずり回り、全身汗だくで搭乗ゲートへ到着したのは搭乗開始10分前。
そんなこんなで、パスポートには捺されるはずのなかったイギリス入国のスタンプが。

昨夜の徹夜と、ヒースロー空港でのアクシデントからの猛烈ダッシュによる疲労で、成田空港までのフライトは言うまでもなく爆睡。
北欧一人旅の締め括りは、名残惜しさを感じている余裕もないほどのとんだハプニング三昧で閉幕することとなり、成田空港に到着して初めて、旅の終わりの寂しさを実感。

そして、結局デンマークでホットドッグを食べなかったことに気付いたのも成田空港だった。 

『旅行記:2007年9月 北欧一人旅 ~After編~』につづく・・・ 

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