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【博士と虎人舎の日記】25年2月8日(土曜)大山先生との交流。末っ子が吐血。救急外来へ。診断は腸炎。ドキュメンタリー映画『選挙と鬱』のオンライン試写を初視聴。
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12時起床。
流石に昨日は飲みすぎた。
吾輩は宿六である。
(財布を落として3日目)
財布はまだ無い。
今日の一食目。
いただきものの淡路の「大江のり」が美味すぎる。
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昨日の「たけし杯」の日記の
写真整理と許可、
文章整理だけで一日が終わる。
濃厚すぎる毎日が続いていて、
日記の文字数は増えるばかりだ。
しかも体調不良。
咳が止まらない。
本日、予定されていた
(相手側に機密遵守を言われた)
会食を架電して延期していただく。
そして昨日、焼き肉屋で邂逅して、
名刺交換した、大山公和さんから、
お電話をいただく。
ご丁寧にお食事のお誘いだったのだが、
あまりにも分不相応なお店なので、
恐れ多くて辞退したのだが……。
その後、ライン交換。
送られてくる数々の、
交友関係の写真が
信じがたいものばかりなので、
目を疑う。
これがAIで偽造できるものとは
とても思えないのだ。
その後も連絡があり、正直に、
「ボクはれいわの国会議員でしたし、
芸人としてタニマチを持たない主義です。
しかも芸人というより芸能界に潜入している
ルポライターの自覚があるので、
ボクとの交際は将来的に
先生のご迷惑になりかねないです」
の旨を正直に申し上げるが、
「党ではなく人と付き合っているんだ」
とのこと。
「毎日、公に晒す日記を書いていますので、
今後のお付き合いも全部、晒すことになります」
「全然、構わないですよ」と。
その後、大山さんから送られてくる
本邦初公開と言われる写真も、
凄すぎて呆れ返る。
猪木関連だけでも初出しだらけだろう。
梶原一騎先生の『男の星座』の
梶一太になった気分だ。
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夕方、居残り隊の末っ子の友達が数人来宅。
「パパは部屋から出ないで!」
と念を押される。
学校ではいまだに父親の職業も
明かしていないから。
そのため友達が帰るまで、
3時間も部屋に監禁される。
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高円寺駅に昨日来、駐車したままの
自転車を回収に21時頃、バス亭へ。
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バスに乗る瞬間に、
自転車の鍵を忘れていることに気が付き、
家に引き返す。
家族は台湾旅行を満喫中。
居残り組の、
末っ子に外食に誘おうと
思っていたら、
寝起きの表情。
数分後に「パパ、助けて!」とトイレから。
「ゲロ吐いたときに血が出た。
今すぐ病院に連れて行って」
と言うと、便器の中の写真を
iPhoneで見せてくれた。
「これ吐血なの?」
顔が青ざめた。
落ち着け、落ち着け、
と言い聞かせながら、
救急車の緊急搬送も考えつつ、
中野区の緊急病棟をひとつづつ検索する。
中野の警察病院が
時間外でも受けいていることがわかる。
先日、入れたばかりの
タクシーGОのアプリを
末っ子に開けてもらって、
手配してもらう。
到着は5分後、
中杉通りで待ち合わせる。
嘔吐用のゴミ袋を持って外に出る。
家を出ると、末っ子が寒がる。
マフラーを渡して、
震えながら、到着を待つ。
こんなときに限って、
空車が3台も行き過ぎた。
7分後に迎車が到着。
「子どもが病気なんです」
と告げてからも、
車中が何時もより時間が長く感じられる。
台湾にいる家族にラインで報告。
「パパ、僕が病気なのに写真を撮るの?」
「パパもX依存症と日記の依存症の病気なんだ」
と返す。
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緊急外来のボタンを押し、
インターホン越しに、
子供の症状を伝えるとドアが開く。
受付で、
「受信したことありますか?」
「あります」
診療カードと保険証と求められるが、
その瞬間に、
自分が財布を落としたままなのに気がつく。
「あ、今、財布を落としているので……」
「…………」
「ボクが持っています」と末っ子。
手続きの間に、
「マスクは持っていないですか?」
ここでもハッと気がつく。
「急いでいたので……」
「左に曲がった突き当りに自動販売機がありますので、
買ってください」
「今、大変込み合っていますから、
1時間以上かかりますよ」
「待ちます。
それでも診てください」
確かに待合室の座席が混み合っている。
マスクを買って戻ると、
末っ子が座ったソファーは、
携帯通信禁止の区域だった。
ぐったりと座り込む末っ子。
しかし、ボクはラインで
台湾に居る細君と家族には連絡がしたい。
隣のブースに移動して、
ラインとXを開く。
しばし、投稿。
「パパ、隣に座って」
「見えるところにいるから安心して」
「パパ、お願いだから……座って」
「…………」
長男が、病院に運ばれたとき、
ひとりで入院したときが思い出されて、
瞬間、涙が止まらなくなる。
住所や症状を紙に書き込む。
そして末っ子は頻繁にトイレを往復する。
待つこと一時間。
担当医が現れて
バイタルチェックを一通り。
体温計は37度6分。
脈拍は普通。
「血圧は君は普段を知らないよね?」
と先生。
診察室に通される。
若い医師だった。
部屋の奥から、
重症らしきオジサンの
「痛い!!痛い!!」という大きなうめき声と、
「痛みは今は我慢してください」
と看護師さんの声が聞こえる。
息子の隣に座って症状を言い終わると、
「思い当たるような
ナマモノの食事がある?」
「ナマモノは食べていませんが、
『やわらかほしいも』
のスナックが美味しいので、
3袋くらい食べていました」
それが可愛らしくて笑ってしまう。
ベットに横たわって、
医師が触診して、
痛みのバリエーションを聞いていく。
「腸炎ですね。急性の」
「でも吐血していますよ」
「嘔吐を繰り返して、喉が切れていると思います」
「発熱は?」
「腸の炎症からくるものだと思います」
「入院の必要は」
「ないですね。水を欠かさず飲んでください。
お薬を出します。
解熱剤と腸の炎症を軽減するお薬を出します、
5日分を出しますが、症状が収まれば、
飲まなくてもよいです」
末っ子が、
「学校は?」
末っ子は学校が大好きだ。
「月曜日に症状が無ければ、大丈夫でしょう。
……お大事に」
ボクはNHKの『総合診療医ドクターX』
の司会を長くつとめたので、
このやり取りや手順を知っている。
でも、初めて経験する人は、
パニックって、
混乱するに決まっているだろう。
だから、こうして書き残している。
診察室を出てから、
待合室でタクシーを呼ぶかどうかを相談。
「さっきも3台も見送ったから大丈夫だよ」
と末っ子。
外に出たら、さっきよりも更に寒い。
「俺の上着を着る?」と聞いたら、
黙って頷く。
ダウンのコートを脱いだら、
我慢の出来ない寒さだった。
末っ子が早稲田通りに出たところで、
すぐにタクシーを拾って帰宅。
ベットに倒れ込むと、
「パパ、今日だけは隣にいて。
ボクが眠るまで」
「わかった」
しばらくして、部屋を出ようとしたら、
「パパ、ドアは全部開けておいて、
電気は消して」
気がつけば、もう12時を超えていた。
5分おきに末っ子の姿を見に行くが、
「悪夢が怖いヨー!」と。
ちょと眠っても、
しばし、魘されていた。
ボクも散歩も銭湯に行けていない。
子どもが心配でやりきれない。
三又又三さんと電話で話す。
こんな時間に相手にしてくれるのは、
三又又三さんくらいだ。
1時間。馬鹿話をしていたら、
ボクも落ちつく。
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部屋のドアを開けたまま、
6月公開になる、
青柳監督のドキュメンタリー
『選挙と鬱』のライン試写を見ながら過ごす。
主人公がボクなのだから、
初めて見たときから、感想の持ちようがない。
しかし、新たに編集しなおしていて、
ソリッドにタイトになっている。
映画の感想を言えば、
個人的には、映画の主人公としては、
見栄えが悪くみえる。
しかし、主人公の妻が美しく、
災難、苦難を乗り越えていく。
完全にヒロインの物語だ。
それでも、
鬱に耐えて、頑張った、俺。
自分で自分を褒めてやりたい。
隣の部屋から「音がうるさい!」と。
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朝の5時頃、
完全に子どもが寝入った。
Xで盛り上がる、
首相と大統領との会談も、
大統領の陰謀も関係ない。
今は子供のことだけだ。
そのまま眠れず、朝6時頃、
晩酌をしながら、眠っていた。
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