【はかせ日記】21/12/20 朝から六本木の人間ドックへ。「偶然と想像」を絶する病名診断に呆然。М―1グランプリの一日遅れの感想。
博士の悪童日記 2021年12月20日(月曜)
5時起床。
日記を書くが、
3千字超えていて時間がかかる。
しかも、本日人間ドックがあるため、
珈琲も牛乳も水も飲めない。
検便しなければならないのに
食べない飲まないでは便意もない。
なかなかこれがツラい。
8時30分発、アド街ック天国。
昨晩はご機嫌ナナメだったママも
昨年に続いて、一緒についてきてくれる。
「六本木の香妃園で煮込みそばを一緒に食べよう」
が合言葉になっている。
ママに教えてもらって、
初めて乗り換え案内アプリを使ってみる。
なるほど、ボクにも出来た。
しかし、これを使うと、今後、
一か八か◯✗クイズ的リスキー移動は
減ってしまうな。
代々木で乗り換え、
大江戸線への上下移動は、
大都会のアスレチックとして
素晴らしい苦行だ。
汗だくになる。
特に今日は、いつもの大荷物に
さらにiPadを入れたので、
アスレチックを超えた、
登山隊並の重労働だ。
お酒のポスターの
村上虹郎と目が合う。
一度も正式に会ったことがないのに、
何度も本人は気が付かないまま、
すれ違っている。
新幹線で見かけた、
翌日、渋谷の劇場の前の席に居たりという
「偶然」が重なる。
最近は朝ドラでも毎日、岡山弁で話かけられている。
朝の六本木の東京タワーが実に良い。
六本木ヒルズ方面は開発が急ピッチだが、
ここら一帯は80年代が生き残ったまま、
ハードロックカフェがいなたい。
まるで田舎の温泉街にあるようだ。
ロアビル内の六本木の新赤坂クリニックへ。
大盛況で、
入り口で「付添の人は入れません」と。
確かに、コロナ禍なので当然だ。
ママとは一端別れるが、
検査の終了予定は13時とのこと。
「適当に映画でも見てるわ」とのこと。
待ち時間、ひたすら、
『最後の角川春樹』を読み続ける。
明後日、10数年ぶりにインタビューする。
この本が退屈知らず。
角川春樹本は網羅しているつもりだが、
これは世評通りの新たなる大傑作だ。
『映画の奈落〜北陸代理戦争事件』
の著書なのだから、当然か。
しかも、編集者が向井徹さん。
今、ボクが『藝人余録』を連載している、
毎日新聞出版の担当編集者なのだ。
身体検査で、
身長がさらに縮み、158・4センチ。
体重は、65・4キロ。
これは一年変わらず。
担当医とかなり綿密な問診。
もう1年半、腹部の痛みを抱えている。
昨年の大腸内視鏡検査まで受けたが、
何も問題が見つからなかった。
飲酒との関連が
一番の要因だと思ってはいるのだが……。
長くNHK『総合診療医ドクターG』で
司会をしていたので、
病名診断のためのカンファレンス慣れしているので、
今回は病名診断まで粘る。
痛みの元は下腹部、
鼠径部から広がり、
臀部まで回っている。
放射線状、繊維的に痛む。
腹部の触診をしながら、
ドクターが「運動はしてる?」と。
「平均で一日一万歩、
重い荷物を担いで歩いています」
と言うと。
「それでか……。
体重の割りに腹部がぽっこり出てるでしょ。
内臓がずれて出てきてるんです。
これはいわゆる、脱腸。
白線ヘルニアが考えられますね」
なるほど。
言われてみれば、
内臓的な痛みではなく、
筋肉、腹膜炎的な痛みなのかもしれない。
「貴方の場合は深刻な痛みではないので、
手術の必要はないと思います、
ま、これも体型ということでいいじゃないですか」
「ええ……。いや、この体型は……。
じゃあ、この問題は専門医に相談してみます」
その他の追加検査も無しになるが、
あまりにもコペルニクス的展開に、
なかなか呆然となる。
待ち時間、窓際に移動して、
六本木の風を浴びながら、
いろいろと診断された病名を調べる。
外を見て虹を想像している自分がいるが、
そんな「偶然」はないだろう。
それにしても、
健康増進のためにあれほど、
今年から熱心に歩き続けた、オジ散歩が、
健康を悪化させていたということなのか。
面白すぎるだろ。
各種検査を12時過ぎまで。
最後に検便の2回目。
排便が起きるのを待って提出し、
そのまま退出。
ママにLINE。
「終わった」
「渋谷で映画見てる。終了1時10分」
との返事。
しばし、数日後にYouTube対談する
町山智浩さんとメール交換。
「これからNetflix『浅草キッド』見ます。
『偶然と想像』を見終えた。」
と書いていた。
『偶然と想像』という映画のタイトルを、
知らなかったので検索しながら、
「ママは今、何を見ているのだろう?」と想像。
『香妃園』に先に移動して待つ。
お店は大盛況で業界人も多いので、
耳を立てる。
しばし、待っているところをママが到着。
「何を見ていたの?」
「これ。『偶然と想像』」
と言われて、その偶然に声を上げて、
先刻の町山さんとのメールを見せる。
「偶然すぎるでしょ」などと会話しながら。
「たまたま場所と時間が合っただけだから」
「それが偶然なんだよ!」などと。
「病名がわかった」
「何?」
「妊娠に近い」
ずっと腹がポコリと出ていたのを、
娘たちに妊娠だとからかわれていたのだ。
病名を告げて、日帰りの手術も出来ると言うと、
「その体型でイイじゃん」と。
お目当ての鶏煮込みそば。
取り分ける。
もうひとつ昼定食。豚とキクラゲの卵炒め。
帰途、有名店である『竹虎』の前を通りかかる。
ふたりとも来年は寅年の年男、年女だ。
一緒に撮ろうと言っても、虎から逃げられる。
帰途、一生の中で
一番美味しかった食事の話をしながら帰る。
ママは実家が料亭なので、
家族旅行で全国の有名店を食べ歩いている。
こどもの頃、遠路はるばる訪れた、徳島の料亭をあげる。
『椿活珍亭』つばきかっちんてい。
名前もイイし、何時か、
その店へ家族旅行で行けるよう頑張ろう、などの話。
帰りも、虹郎に見つめられる。
帰宅後、昨日放送の
М―1グランプリを半日遅れで再生。
生放送ではなく、結果を知っているので、
やはり高揚感には欠ける。
その分、批評的分析的に見てしまう。
個人的には「モグライダー」と「ランジャタイ」
が好きだった。
特に「ランジャタイ」は爆笑した。
昨日会った、宇多丸さんも
「ランジャタイ」推しだったなー。
モグライダーは、
もともと、ボクが漫才の王道である、
往年の演歌ネタが大好きなのもあるし、
イントロ部分の完全再現が素晴らしい。
ちなみに、ボクが偏愛している吉江(チンコ)さんも
イントロ部分、楽器の音が完璧で面白いのだ。
ランジャタイはオフィス北野所属だったので、
食事会に招いたこともあるが、
それまでは、個人的には、
今日ほどは、シュールが受けていないのだが……。
今回のは、とにかく面白い。
猫マネという、
吉江さんとも共通点があり、
個人的にはツボなのだろう。
往年の吹越満のネタや、
やついいちろう君を想像したり。
他の演者も平均点はとてつもなく高い。
毎年一組はいる、「すべる」人もいなかった。
凹みのない大会だったが、
瞬間風速最大級の台風も無かった感。
「コウテイ」がコロナ禍で出られなかったのがイタいし、
「ニューヨーク」や「金属バット」も決勝で、
物語の継続性を見たいないものねだりもある。
決勝のネタが3本とも一本目より
テンションが下がったことも。
しかし、ボクが審査員でも、
迷わず「錦鯉」に入れたと思う。
演者の私生活や人生の溜め、
込みで込みで、
お笑いはあるのだから。
富澤くんや塙くんの一瞬の涙姿に
貰い泣きするのは
当然の「ドセンメンタル」だ。
20時からZOOMで週刊現代取材。
「週刊現代」編集部・宮下直之さんが聞き手。
仮タイトルで、「『笑いのプロ』10 人が推薦する、
いま最高に笑える映画・ドラマ・漫画(仮題)」
について。
聞き上手もあるのだが、
喫茶店で取材するより、
手元のデータが探しやすくて
実にスムースだった。
今後は、雑誌の取材は
全部ZOOMにしようと思うほど。
と言いながら、
明日は『メルマ旬報』の執筆者のひとり
茂田さんとの対面の取材を決める。
旧知の人には旧交を温めたい。
『バカよ貴方に』の新道竜巳に連絡して、
明後日にずらした『テレテレビジョン』
のゲストに来てもらうことに。
22時過ぎてから恒例のツイキャス。
しかし、どうやらまた寝落ちしたらしい。
明日は、取材、映画打ち合わせと、全集中充電だ。
地上波レギュラーゼロで始まった今年だが、
ゼロから始めて師走にこれだけ忙しいのは、
良いことだろう。
オーバー・ザ・レインボー。
明日も虹を越えていこう。
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