Harassment and Discrimination inMedical Training: A Systematic Review and Meta-Analysis
Abstruct
問題と目的
医学部生・研修医への虐待はかつて医者になるために必要だったかもしれない
しかし、近年の研究により医学部生・研修医への虐待は特定の地域や施設の問題ではなく広域にみられる問題だと明らかにされた
差別やハラスメントの被害経験は最大で95%に及んでいる
この問題は職業生活と精神に影響を及ぼしている
したがって、研修医へのハラスメント・差別・虐待を防ぐために、発生率、加害者とその生起要因を調べる
方法
PRISMAに従う
包含基準:英語で記載されたクロスセクショナルあるいはケーススタディ、研修医のハラスメントと差別の発生率を調査したもの、ハラスメントと差別の提供者として同僚、研修医、学生、患者と家族、看護師、その他の病院関係者、リスクファクターとして年齢・人種・シフト時間・ローテーションタイプが含まれるもの
メタ分析では、pooled prevalence estimates を ランダム効果モデルで推定し、発生率の平均、SD、95%CIを報告した
heterogeneityはI^2を使用
分析はSAS使用
結果
ハラスメントと差別の原因
ハラッサーとして最も多いのは指導医で34.4%
次いで患者または患者家族 (21.9%)
看護師 (15.6%)
同僚 (15.6%)
その他 (3.1%)
ハラスメントと差別の要因
女性
中東出身の研修医
白人以外の研修医
外科の研修医
メタ分析
研修医のmistreatment率は表を参照
ハラスメントの割合の高さに加えて、セクシャルハラスメントの経験率
医学生も研修医と同様に高いハラスメント経験がある
サブグループ解析
北米のハラスメント経験は63.6%でやや高い
高収入国では63.5%、低・中収入国では48.7%と経済的に豊かになるほどハラスメントの経験率があがる
研究の限界
主観的評価尺度による研究
クロスセクショナルな調査によるリコールバイアス
加害者の性別などハラスメントを調査するために必要な重要変数の欠如
References
Fnais N., et al. (2014). Harassment and discrimination in medical training: a systemaic review and meta-analysis. Academic Medicine, 89, 817-827.
感想
数が多すぎる
具体的な事例の記述がないと対策を講じられないと感じる
特にセクハラは指導医との間で大きな問題になっている
また医療業界はほかの業界よりも指導医のハラスメントに声を上げると業界にいられなくなる本質的なハラスメント構造が強い可能性があるため実態に迫るのはかなり困難だと考えられる (長時間労働で研修医が自殺しても誰も何も動かないところからわかる)
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