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会社が破産したので債権者集会に行ってきたヨ
前回のnoteの続きです。
破産開始決定が出てから、これまで元経営メンバーとして、主に契約内容の説明などの破産管財の手伝いを行ってきました。
つまりは債務者=破産者側。
一方今回は会社から私に対して一部未払いがあるため、債権者として債権者集会に出席したので一部始終をご報告します。
債権者は、債権者集会の出席義務はない
まず大前提として債権者は債権者集会への出席義務はありません。このnoteを最後まで読むとわかりますが、出席しても特段メリットもないです。
(一方、破産者は当然ですが説明責任があるので出席が義務付けられているようです。)
契約の実体などについて説明できるのが社長以上に私でしたが、私に対しては破産者側としても出席の依頼はされませんでした。
1. 集合
破産開始決定と同時に債権者集会の案内が郵送されてきます。今回の会場は中目黒の東京地裁。
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現場の雰囲気は普通の役所。イメージでいうと免許センターと同じ感じです。きれいな役所という感じ。想定ほど悲壮感が漂うわけでもなく、何かのセミナーイベントと言われてもわからないぐらいの雰囲気です。
建物に入ると待合スペースがあり、そこには50名程度が債権者集会の開始を待っていました。
待合スペースでは破産開始決定ぶりに社長にも対面。
こんなに債権者が集合したのかなーと思いきや、同時刻に数十件の債権者集会が同時開催されるためでした。
ちなみに、全員スーツというわけでもなく、かなりラフな格好をしている人もいます。債権者集会自体は法人・個人どちらの破産も合わせて実施されているようで、破産者と思われる人でも普段着の方がちらほらいました。
2. 受付開始
債権者集会の15分前ごろになると、受付が開始されます。
約50人の参加者がぞろぞろと会議室に向かっていきます。それぞれの破産者ごとに部屋が分かれると思いきや、全員同じセミナーホール的なところに通されました。
ちなみに受付時はどの破産者に対する債権者か聞かれますが、特段本人確認などはされませんでした。
関係ない人でも普通に入れちゃうのか、と若干驚き。
ホールには企業説明会さながら5つのブースが用意されていて、それぞれに裁判官、破産管財人、債権者、債権者代理人と役職がかかれたボードが設置されています。
お互いのブースは割と丸見えで、破産者側だと割とプレッシャーかかりそうだな、、と感じました。
開始まで債権者全員ごちゃ混ぜでホールの椅子で待機します。
3. 債権者集会が始まる
ホールで待機していると、前に置かれたホワイトボードに破産者の名前(法人は会社名)が書かれた5つの紙が貼り出されます。貼り出されるとそれぞれの債権者がブースに誘導されます。
5つのブースで並列に債権者集会をさばく感じで、呼び出されるのを待つことになります。今回我々は一周目。受付後5分ほどでブースに誘導されました。
ここで初めて同じ破産者への債権者達を知ることになります。
参加者は想定以上に多く、30人ぐらいがブースに移動しました。
自分も債権者であるとは言え、正直最後の対応をしている中でかなりご迷惑をおかけした皆様と顔を合わせるのは気まずく。なるべく後ろの方に座りました。
4. 管財の進捗が報告される
債権者集会と言いつつ、特段何かを議論する場ではなく破産管財の進捗=資産・負債の計算と資産の現金化の進捗が報告されます。
財産目録と書かれた紙が配られ、存在が確認できた売掛金の内訳が記載されています。
どの会社がいくら払おうとしていたのかが丸見えで、割と企業秘密っぽい情報の割に誰でも見れちゃうのか、、と若干引きました。債権額も記載されていて、私への給与額っぽいものも記載されていました。チーン。
説明自体は5分ほどで終わり、質疑に入ります。
5. 質疑応答
怒号が飛び交ったり、詰められたりするのかな、、と思いきや特に何もなく淡々と進んでいきます。
質問は1件だけ。配当=債権の支払い時期についてでした。回答も破産管財人から。売掛金の回収などが完了した後で早くても半年はかかるとのこと。
この質問以外には発言もなく、あっけなく第一回債権者集会は終了に向かいます。
6. 締めに向かう
報告・質疑が終わると次回の債権者集会の案内があります。
その場で破産者と日程調整されて日付が決まりました。次回は来年初頭。(具体的な日付は内緒にしておきます)
また、今回も含め、債権者集会には出席しなくとも配当額が変わるわけではないのでどちらでもOKと説明があります。
この内容だと第二回に参加する人はいないんだろうなーと思いました。自分もたまたま近くに行く予定があれば行こうかな、、ぐらいに思っています。
そうして、第一回債権者集会は幕を閉じました。債権者集会自体の所要時間は15分もなかったかな。
14時に集合して14時半ごろには裁判所の外に出ていました。
まとめ
ということで、破産開始決定が出てからは淡々と事務作業をこなし、債権者集会もほとんど儀式的なもので終わりました。
こんなので債権が踏み倒されていくのか、、と若干破産という仕組みに対してモヤモヤが募ります。
と同時に、やはり破産という選択はあまりにも迷惑をかけてしまうため選ぶべきではないなと感じました。