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スタジアムにわざわざ来て何にもしてない人の話

僕は京セラドーム大阪によく行きます。だいたい平日です。週末は3万人以上入るときもありますが、平日は2万~2万5千人くらい。以前と比べると入るようになりました。ただ、甲子園とは全然違います。あっちは全試合前売りで完売ですから。

ドームには「どの試合でも最後まで売れ残るエリア」というのがあります。

人がいないし、あんまり野球を見てないし、持ち込んだお弁当を食べてる。他のエリアと空気が違う。熱気が全く感じられない。なぜ3000円払って野球場に来ているのか。なぜスタジアムにいるのか。ビールの売り子とゆっくりしゃべるためか(空いてると時間を取ってくれる)。

仕事終わりにどこか寄りたくて、わざわざその席に座ってるだと思う。
自分がそこにいるんだから間違いない。

思うのですが、スタジアムの機能は「熱狂」以外に「冷却」というのもあって、当日、仕事終わりにふらっと立ち寄って、何もしなくていい2時間なり3時間を買う。欲しいのは時間、何もしなくていい時間。決して「野球」でも「観戦」でもない。応援も熱狂も求めてない。
僕は平日のお客さんなので、冷却目的の時の方が多いかもしれません。

冷却目的のお客さんは、全員が立って応援し続けないといけないなら、来なくなります。何にお金を払ってるかを考えれば、当たり前です。「何かをしないといけない」時点でアウトだ。

「応援しているかどうか」評価基準が一つだと、他の評価基準の人はいなくなります。きっとネットカフェかサウナか立ち飲みかイオンのフードコートに行くんじゃないでしょうか。平日夜のレジャーってそんなものです。野球の競合はサッカーじゃないです。

何かの趣味をやるなら、熱意に濃淡があります。自分が頑張ってるのに周囲が頑張ってない。アレをやってない、これもやってない。

プロ意識を持って支えるのはいいですが、自分の基準で他人を裁きだしたら、一度離れたほうがいい。

サッカーの代わりがサッカーになったら、新入にいろいろ言いたくなったら危険信号だ。本人なりの理由はあるんだろうけど(ため息をついたとか屋根の下で楽してるとか)、隣の観客に攻撃される空間に、お客さんは増えない。

面白いのが、さっきの「冷却エリア(仮)」熱気が伝わるのが一番遅いかわりに本当に応援しないといけないときはちゃんと応援してくれます。(9回裏、相手のクローザーを引き釣り下ろして一打サヨナラの場面とか)

チャンステーマも応援歌も一通りできるみたいです。オリックスのチャンステーマ、種類が多くて覚えにくいのに、家で練習したんだろうか。

やりたくないからやってない人でも、毎試合応援をずっと見ています。やりたくなる瞬間が来たら一緒に応援してくれます。サヨナラ勝ちしたらみんなでハイタッチですよ。クライマックスは3時間ずっとじゃない。年にほんの数回だから価値がある。

そういう人は、空いてる日にはいますが、混んでる日にはいません。優勝争いでも、席が空いてるなら来ます。混んでそうなら来ません。「買う理由」は人によって違うから、うかつにダメ出ししちゃいけませんという話でした。

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