【好き】心の中のマダム

憧れるものがある。
「聡明」「賢明」な女性。

聡く、美しく、さっぱりしている女性に憧れる。
(※ちなみにギャルも大好きです。心の中にギャルも飼ってます)

場所は、兵庫県神戸市。異人館。
周りには、顕示欲ではなく誇りと愛からくる個性的で気品あふれる美しい店が多い。真っ青な晴天。少しかかる白い雲。
少しこぶりの洋館に、控えめな庭。
鉄格子のような、大きな門。
彩りとりどりの花園、フラワーガーデンに、屋根付きのカフェスペース。
置かれた白いテーブルに繊細なレース編みのクロス。
アフタヌーンティー用の三段のケーキスタンド。
きつね色の焼き立てのスコーンは、中はしっとりほっこり、外は少しかたくサクサク、小さめのかわいいポットに入った手作りのイチゴジャムは、少しサラッとしていてイチゴとつぶつぶの種の形がまだわかる。
華やかな淡いバラが優しくプリントされたロココ調のソーサラーとカップには縁には金メッキがあしらわれ。
同じくロココ調のポットから上品な色のお紅茶を注ぎ、
シュガーポットに入れた角砂糖をトングでひとつまみ。
素材の味を楽しむ。
ああら、これはどこどこ産の、この銘柄かしら。
私の好みではありませんが、時にはこういったものもよろしいですね。
とても香り高く、意匠が感じられ、刺激的で、好まれる方はこの複雑な香りを楽しまれるのでしょう。
わたくしは、もう少し控えめで軽やかなものを好ましく思います。
そう言って、庭にやってきた小さな蝶を静かに目で追う。
目元、口元は穏やかな微笑。
その時、その場、日常のささやかな幸せをかみしめる。

うーん! 私とはかけ離れすぎていて、恐ろしいまである。
アニメ、漫画、ゲーム、ドール、フィギュアが大好きで、
ドラッグストアで安売りで買ったインスタントコーヒーに、キッチンの保管容器に入ったスプーン印の上白糖を備え付けの軽量スプーンでごばっと入れる。
ハローズで買った牛乳を入れて、最高のカフェオレを飲むのが好き!

とはいえ、マインドをもつのは自由だ。
心の中に飼っている。
たまに私の中の「マダム」が、
「猫背を治した方がよろしいですね」
「背中の羽を意識しなさい」
「それはあなたにとって美しいのですか?」
「自ら恥じることをしてはいけません」
「とてもすてきなことをしましたね、誇らしく思います」
と、語りかけてくる。
彼女に恥じる行為をすると冷や汗をかく。

最近、憧れにひとつずつ近づいているものがある。
年齢だ。
正直、この40歳の節目に老いへのモヤモヤを感じるところがある。
お肌や髪をアンチエイジングしたいと思う。
姿勢をしゃんとして、体型もキープして、身なりも整えたい。
美しい人間でありたい。


スーパーの角で世の中の不平不満を井戸端会議したくない。
いわゆる「おばはん」にはなりたくない。
魔女のような、なんでも知っている、すべてを知っていて、すべてを見透かす余裕のあるマダムになりたい。


歳をとるごとに、
手放しで無邪気にではなく、酸いも甘いも嚙み分けた上で、
「世界は美しい」と言えるようになってきている。
成熟してきた、といえばとても聞こえがいい。

おお、マダムよ、私を導いてくれ。


ギャルもお嬢様も好きだから、
マダムと一緒に心の中に3人ぐらいおいて、
何かあるごとに会議をさせたいと思う。


ギャル子ちゃん「ねー! 今朝の朝ごはん、近所のドラストで買った3袋98円のコーンスープだよー! まじやばない?」
スーパーお嬢様「あらあら、騒がしいこと。お値段は関係ありませんわ。マダム、お味はいかがかしら? 感想を聞かせてくださいませ。」
美魔女マダム「ふふ、これはとても美味しいですね。「リピ確」でいいと思いますよ。」
ギャル子ちゃん「まじ?おばさんがそーいうならまた買ってこよっかなー!」
スーパーお嬢様「ええ…たまには心が震えるほど美味しいスープも味わいたいですわ。」
美魔女マダム「そうね、じゃあ交代で買ってきましょうね」
パンクロック寡黙系おねえさん「……アタシ、買ってこようか?」
元気なオタク「拙者! 拙者買ってくるでござるよ!! でゅふふ、スーパーお嬢様ぁー! ついでにチョコレートも買ってくるしかないンゴ?!」
本好きサブカル女子「空の写真とりとアイデア出しに散歩にいきたいから私もついていくね」


なんかいっぱい出てきた




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