YoloBoxでの3時間半の音楽配信~準備編
5月14日(土)に大阪で、音楽グループの発表会の配信をしました。
しました、と書いていますが、これを書き始めている現時点は5月11日(水)。
配信の準備をしているところです。
配信が終わるとそちらに頭がいって忘れてしまいそうなので、現段階での準備状況なども記録として書いておきます。
と書いたところで、5月15日(日)帰りの新幹線車内です。
本番の様子などまとめてから公開しようと思いましたが、かなり長くなってしまうので、こちらをまず準備編として公開することにします。
配信の内容
シンガーソングライターの広沢タダシさんが主催されている「シンガーソングライター研究会」(以下、シンソ)という会があります。
音楽や歌が好きなメンバーが集まって、お互いに学んだり、発表したりしていたのですが、リアルに集まって開催する「シンソフェス」がようやく開催されることになりました。
私はメンバーの一人としてシンソに参加しています。
以前から企画されていたシンソフェスですが、何度も延期になってしまい、今回ようやく開催の運びとなりました。
シンソのメンバーは全国にいること、会場の人数制限があるため来られない人もいるます。
そうした方々にもシンソフェスを楽しんでもらいたい、配信すると録画が残り参加者の記念にもなるので、配信したいなと思い、主催の広沢さんと相談して、配信することになりました。
私はふだん、仕事で配信をしていますが、今回はボランティアベースでの配信となります。
だからといって失敗しても大丈夫、ということはないので、かなり念入りにいろいろなケースを想定して、配信の準備を進めているところです。
いくつか課題もあり、できるだけベストな配信に持っていけるよう、工夫をしています。
基本はワンオペ
ふだんは仕事仲間と一緒にやったり、娘とツーオペで配信していますが、今回は遠方であること、ボランティアベースの配信であることなどから、基本的にワンオペでの配信です。
ワンオペの場合、配信卓から離れられないというのもありますが、トラブル時の対応を一人で行わなければならないことに加えて、機材の運搬や設営が大変になります。
そのため、まずは荷物を少しでも減らしたいところです。
また、機材の運用を楽にする工夫もしたいです。
会場の下見ができない
今回、会場は大阪のレンタルイベントスペースです。
私は東京にいるので、下見ができません。
会場の雰囲気やイメージも分からないので、想像力を働かせて、あとは本番でなんとかするしかありません。
また、会場にネット回線がないことだけは分かっていました。
ネット回線の準備
まずは回線をどうにかしないといけません。
仕事の配信であれば、予算が許せば迷わず回線をレンタルしますが、今回は予算がありませんので、自分の楽天モバイルと、もう一回線ということで、以前からひとつ持とうと考えていたpovoを契約しました。
友人がモバイルルーターを譲ってくれたので、povoをセットして準備完了です。
速度を測ったところ、自分のスタジオでは、楽天モバイル、povoともに、上りで10Mbpsくらいでした。
ギリギリ配信に使えるかな、というところですが、実際に現地に行って計ってみないことにはなんともいえないので、どきどきです。
自分も出ることに…荷物が増える
当初、私は配信だけするつもりだったのですが、せっかくなので出ませんか、とお声がけいただき、結局出ることにしてしまいました。
私はアマチュアのギタリストなので、ギターを持って行かなくてはなりません。
貸しますよ!と言ってくださったかたもいるのですが、大阪の友人と一緒に出ることになったので、せめて一回合わせよう、と、前日にスタジオを借りて練習することにしたこと、やはり自分のギターが弾きやすいことから、ギターを持って行くことにしました。
現地からの助っ人
持っていく機材選択と現地の下見ができないので、どうしようかなと考えていたところ、関西にいるグループのメンバーから、協力いただけるとの連絡をいただきました。
三脚をお借りする
さっそく連絡を取り合い、三脚をすべてお借りすることができることになりました。
Webカムは小さくて軽いので、正直、三脚は倒れさえしなければなんでもよいレベルですが、一台だけもっていく一眼レフは重いので、しっかりした三脚に載せないと危ないのですが、ビデオ三脚をお持ちということで、こちらもクリア。
出張配信機材でいちばん荷物になるのが、三脚だとと思っています。
カメラの数だけ持っていかなくてはならないし、スーツケースに入らないのでいつも別にケースを買ってあって持ち運んでいますが、今回はギターを背負っていくので、手持ちの機材はできるだけスーツケースに収めたかったので、これはものすごく助かりました。
設営もお手伝いいただけるとのことで、心強い限りです。
図面と映像での情報が役立つ
また、会場の図面や写真、また以前そこでシンソのイベントをしたときの動画などを送ってくださり、これもとても助かりました。
図面は長さ等が記載されていたので、広さの把握に役立ちました。
動画と写真、特に動画では、会場の広さと雰囲気に加えて、今回のイベントの雰囲気もこういう感じになるだろうということが掴めて、とても役立ちました。
音声問題もクリア
音声についても、会場PAの状況が分からないため、ミキサーを持っていくか悩みました。
こちらも協力してくださるかたが会場備え付けのPA機材を調べて送ってくださり、ミキサーがなくても私の手持ち機材でなんとかなりそうなこと、必要であれば小型ミキサーを持ってきてくださるということ、変換ケーブルも持ってきてくださるとのことで、クリアしました。
後日、会場PAのかたからということで、こちらの入力端子について、主催の広沢さんからも連絡いただいたので、いったん大丈夫、ということになりました。
あとは、会場が建物の屋上にあり、通路は階段のみ、という情報が来ました。
手持ちで上げなくてはいけないのですが、これは手分けして頑張って上げましょう、ということに落ち着きました。
荷物を減らしつつ、スムーズに配信するための機材組みを考える
新幹線移動で、一人でハンドキャリー、しかもギターを持って行くため、できる限り持って行く機材は減らしたいと考えて、使用する機材を考えました。
また二泊するので、たいした量ではないとはいえ、着替えなどもあります。
ふだんはPCでOBSから配信、スイッチャーに使い慣れたATEM mini Pro、カメラは一眼レフという組み合わせですが、先日ライブ配信部でお借りしたYoloBoxが向いているのでは、と思いつきました。
YoloBoxであれば、単体で配信が可能というのもありますが、個人的にいちばん注目したいのは、Webカムが使えるということです。
私の配信カメラは、基本的に一眼レフなので、これだけでもかなり荷物が減らせます。
また、結果的に三脚は現地でお借りすることにしましたが、Webカムなら小型の三脚でも問題なく設置できるので、これも荷物削減になります。
ようやく開催できるリアルな音楽の集まり、できるだけ多いカメラで配信したいと思っているので、YoloBoxであればカメラが増やせます。
また、究極的に考えると、PCも不要です。
PCを持って行かないという選択肢はないですが、セカンドプランが立てられます。こちらは後述します。
そして今回、基本的にワンオペですが、私も出演者の一人としてステージに立つことになったので、少なくともそのあいだは、誰かに卓に座ってもらわないといけません。
最低限、スイッチングをしてもらうのに、マルチ画面をタップするだけで映像切り替えができるYoloBoxは、操作が簡単です。
今回、荷物を減らすためにミキサーは絶対に持っていきたくなかったというのもあります。
本体にLINE端子とマイク端子があるYoloBoxであれば、会場のミックスからもらって入れることが可能と考えたことも、選択のポイントになりました。
最悪、エアーで録ることになっても、簡易ミキサー機能があるので、Webカムからの音やカメラのマイク音が使えます。
複数のケースを考える
この時点で、機材選定も含めて、複数のケースを想定しています。
持ち込み予定の機材がうまく動作しなかった場合や、回線がうまくつながらない場合など、複数のケースを考えながら、持って行く機材を決めました。
トラブルに備えて予備機材も持って行きたいところですが、今回、ハンドキャリーで新幹線を使っての移動になるので、多くの機材を持って行くことができません。
そこで各ケースを想定しつつ、できるだけ機材を減らす方向で検討を始めました。
プランA 回線にも機材にも問題がないケース
これはうまくいくことを想定したケースです。
会場から回線が問題なくつながり、速度遅延もない場合です。
ぜひこうなってほしいところです。
プランB 回線速度が出ない場合
もっとも考えられるのがこのケースです。
接続できてもスピードが出ない、切れる、といったことも想定されます。
複数のキャリアで回線を用意はしましたが、固定回線がない以上、リスクがあるのは明白です。
そこでこの場合には、リアルタイムでのライブ配信自体を諦める方向で、主催の広沢さんの了承をいただきました。
収録しておいて録画配信にします。
編集が大変になるのと、タイムラグが出るので、予定としては、複数カメラが使えればスイッチングした映像をYoloBoxまたはOBSで、複数カメラが無理なら一台で収録しておき、それを配信します。
編集がない分、イベント終了後に回線状態がよい場所にいけば、即アップロードできるので、タイムラグを少なく、イベントを楽しんでもらえます。
プランC YoloBoxで配信が上手くいかないケース
YoloBoxで配信がうまくいかないこともあると思います。
今回はイベントが3時間半と長時間に渡るため、電源が持つかも心配なのですが、そのほかどんなトラブルが起きるかは分かりません。
PCは持って行くので、OBSでの配信は可能です。
スイッチャーはAtem mini Proを使うことを考えましたが、荷物が増えてしまうのがネックなこと、HDMI接続可能なカメラは一眼レフ一台とQ2nー4Kだけで、あとはWebカムなので、あまり意味がないと考えて、持っていくのをやめました。
最終的に、1カメでよければ、ビデオキャプチャだけあればOBSから配信できます。
いずれにせよお守りとしてのビデオキャプチャは持って行くので、最後はこの手でいくことにしました。
ATEMを置いていくことにしたので、丸腰感がすごいですが、OBS上でもマルチカムはできなくはないので、ここは割り切りです。
Webカムを使ううえでの制約
ケーブルが短いため、配信卓からカメラまでの距離がとれません。
今回は参加者が現地にいるスタイルですが、私自身もグループメンバーであることなどから、卓がステージ近くでも問題ないと考えました。
YoloBoxはTypeCが1ポート、TypeAが1ポートあるので、ここに高画質のWebカムをそれぞれ接続することにします。
その他のカメラ
これだけ荷物を減らしたいといいつつ、あと使えるカメラとして私の手元にあるのは、一眼レフと、音楽用にZoom社が出しているQ2nー4Kです。
どのカメラを持って行くか、一眼レフだったらレンズをどうするか迷います。
Q2nー4Kはコンパクトでいいのですが、暗くなると画質がガクンと落ちてしまうのがちょっとネックです。
ただし、Webカムとしても使えるので、USB接続もHDMI接続も可能で、音を録ることになったときもいい音で録れます。
小さいので、これは持っていくことにします。
あとは一眼レフですが、NikonのZ6Ⅱを持っていくことにします。
動画性能が高く、ズーム操作以外は、ほとんどビデオカメラのような操作感で映像が出せます。
レンズはキットレンズの24-70mm F4通しを選びました。
配信卓からステージまでの距離がないので、これで十分アップも狙えます。
F4通しなので明るいです。
電源も、いつも使っているD500、D850は電源カプラーが必要ですが、Z6ⅡはUSBでの給電が可能です(電源カプラーも使用できます)。
なので、電源カプラーも置いていくことにしました。これでまた荷物がひとつ減ります。
課題として、カメラのメーカーと種類がバラバラなので、色合わせが実質できないこと、遅延の合わせができないことがありますが、ここはもう目をつぶることにしました。
今回の配信の目的は、シンソメンバーに音と映像を届けることです。
クオリティが問題にならないとは思いませんが、最低限、1カメ、エアーの音でもよい、というところを、最低ラインとしました。
ここまででメインの機材は概ね決まりました。
最終的にはミラーレス一眼をもう一台追加して、カメラは5台持って行っています。
その他の機材
このほかにも必要なものはいろいろありますが、あとはケーブル類、電源まわりになります。
HDMIケーブルは引き周りを最小限にすることにしたので、5メートルを2本だけ。
使用できなかったケースも考えましたが、配信が夕方からであること、大阪の中心部であることから、万が一があっても買いに走れます。
コンセントの位置が図面では分からなかったので、迷いつつ、電源タップと延長ケーブルだけは複数入れることにしました。
また、機材の多くがUSB給電となるため、USB対応の電源プラグを複数持っていくことにしました。
電圧が足りないと給電されないことがあるので、チョイスに注意が必要です。
YoloBoxを使うことで、マルチを出すディスプレイは不要になりました。
ディスプレイを省けることで、電源とHDMIケーブルも減ります。
パッキングの状況
最終的な荷物はこんな感じです。
PCは、究極、なしでも配信できますが、なしというわけにはやっぱりいきません。
管理画面に入るのにも必要なので持って行きますが、これがスーツケースに入らず、リュックが追加になりました。
iPadも念のため持って行きます。
この荷物を新幹線で移動します。
本番編(近日公開)に続きます。