ライブハウスで流れた2024年のエンドロール
私には神様がいる。
“都内で働くOL“に憧れて今働いている会社の子会社に入社した時、その人は出向先のクライアントだった。接客業出身でまともにPCを触ったこともなかった私にコツコツと仕事のノウハウや人との関わり方を教えてくれ、面白く時に厳しく成長させてくれた。一緒に働いた時間は物凄く幸せで、その人がいなければ仕事を辞めていたかもしれないし今の自分はいなかったと思う。尊敬しているし、纏う穏やかな雰囲気がずっと心地良い。
私は親会社に転籍してしまったし、その人は転職してしまったので、今はお互い別の場所にいるけれど、私にとってはいつまでも神様だ。
名前はタケマエさんという。elenaというバンドのボーカルとギターをしている。歌詞も書くし曲も作る。少し前に忘年会をした時、ライブ情報を教えていただいたので人生初のライブハウスというものに行ってきた。
入口でチケットを購入し、ドリンクチケットを飲み物と交換し、空気感を楽しみ、バンドのCDを買う。一緒に行く予定だった友達の都合がつかなくて急遽1人で行ったことも含めて新鮮で楽しかった。
エンドロール
elenaの曲は数年前にYouTubeにアップロードされていた『エンドロール』しか聴いたことがなかった。ライブではこの曲も披露され、聴き馴染みのあるメロディーが聴こえてくるとしみじみして少し泣きそうになった。最初に聴いた時から歌詞が好きだったけど、聴く度にやっぱり良いなと思う。
毎日楽しいことばかりじゃない、でも自分を励ますために楽しい予定を作ったり面白いことを考えて必死に生きている。時々そんな繰り返しの自分が虚しくなるし全部捨てたくなる。だけどこの曲はそんな人生を見捨てないなと思う。それぞれ生きていく、続く生活を励ましてくれる曲だと思う。
今回ライブで披露された他の曲もしっかり聴きたいと思うと同時に、ライブに来たがっていたけど残念ながら推しのライブと重なって来られなかった親友に貸すためにもCDを購入した。
ゼロからイチを作る人は誰しも凄いなと思う。タケマエさんは仕事の仕方を尊敬する師匠だったけれど、バンド活動のタケマエさんが作り出す歌詞もメロディーもその場の空気感も唯一無二のもので尊敬しかなかった。乾いた世界観が表現されたような歌詞は、虚しさの中に湿度が感じられる不思議な感覚があったし、強さの中に優しさがあるメロディーは耳馴染みが良くて聴いていて心地良かった。バンド楽曲なのでどの曲も勿論格好良いのだけど、全体的な雰囲気はふわっとしたタケマエさんらしかった。
書くことと着ること
今回目の前で熱量のあるライブを見て、やっぱり自分の好きなことに情熱を持っている人は格好良いし、自分の気持ちや思いを表現するツールがあるというのは素晴らしいことだと思った。それから好きな何かをやり続けるということも。
私は何もかも中途半端だから、習っていたピアノも三味線もそこそこにしかできないし絵も文章も上手くない。でも文章を書いて気持ちを綴ることは好きだから、誰に読まれなくても上手くなくても続けようと思った。タケマエさんが10年間辞めようと思うことなくバンド活動を続けたように、続けてきたことを誇れると言ったように。
そして服を着ることは毎日必要なこと、服を選ぶことは人生を選ぶこと、その日の気持ちや自分を表現する身近な手段だから私はせめて毎日のお洋服選びで自分を表現できたらいいなと思う。好きな服を着ていたら一日楽しいし頑張れる。そうやって自分で自分を励まして人生を続けていきたい。
今年は初めてのことに挑戦することが多い1年だったと思う。2024年最後の『初めて』がライブハウスになるとは思わなかった。こうして意外なところから刺激を受けたりするから人生は面白い。2025年も私の自問自答生活は続く🧸