自分の企業分析を言語化する
どうも、Suiです。(アカウント名を最近変えました)
今回は日本株などの個別株投資や企業分析の方法に関する記事です。
この記事はこんな方々におすすめかもしれません。
さて、本題ですが、ファイナンスラボの勉強会で以前行われた「企業分析の鬼対談」という企画で企業分析の鬼と呼ばれる4名の対談があり、普段どのように企業分析をしているのか?分析の際には何を重視しているのか?について語るという激熱イベントが開催されました。
この対談、自分は途中で抜けてしまったのですが、いごはちさんの記事を読んで、自分自身の企業分析や投資方針について整理してみたくなったので、少しまとめてみました。
対談で取り上げられた質問は全部で4つです。
これら4つの質問に答えることで、自分の分析方法が言語化できるのでは?と思い、記事にまとめてみようと思った次第です。
やってみた感想としては、自分の分析方法や投資方針ってなんとなくは固まっているけど、戦略やプロセスという形までは落とし込めてませんでした。
それらを言語化することで明確になり、こうやってnoteに残すことでたまに見返して、変化があればブラッシュアップしていくのはとても有効だなと思いますので、ぜひ個人投資家のみなさんもやってみてください。
それでは、各質問の回答を見ていきたいと思います。
質問① 普段、どのくらい企業分析しているの?
業績やビジネスモデルや戦略までがっつり分析するのは月10社程度?
一つの企業を分析する際に同業他社を3、4社は比較するので、2~3社を分析すると平均的には10社くらい?
そのほかTwitterとか適時開示とかを見て、この企業面白そうと思ったら、簡単に業績と決算資料を見たりしている。そういう簡単なのも含めたら感覚的には月30社くらい?
良さそうな銘柄はトレダビというサイトで運用のシミュレーションをしてます。Twitterで経過をツイートしてます。noteにもそのうちまとめる予定です。
質問② 最も重要視する財務項目は?財務以外で重要視する部分は?
特に重視するのは売上、営業利益、EPSの成長率。
通期と四半期でyoy(前年同期比)は必ず見る。
あとは個別企業ごとのKPIや、成長ドライバーになるセグメントの業績とか。
スクリーニングも基本的に成長率がメインだけど、一時的に成長率が落ちている銘柄もあるので、一過性要因がないかはチェックする。
財務以外では、長期的なテーマを持っているか?は必ず見る。
具体的には①成長ドライバーは何か?②その成長ドライバーは何を収益の源泉にしているか?③その収益の源泉は構造的なものか?など。
それらを見たうえで、最終的には分析対象が優位性を持っているかを定量、定性の両方から見る。具体的には戦略を理解して、業界内でのポジションがどうなっているか、その業界で勝てる優位性を持っているか。その結果として数字を分析して検証するイメージ。
<具体例 SHIFT>
売上、営業利益の推移
成長ドライバー
SHIFTにおける成長ドライバーは一言で表すと「ソフトウェアテスト市場の拡大とトップシェアの獲得」です。
簡単にまとめれば、ソフトウェアテストの市場はポテンシャルが高く、今後構造的に伸びる市場と予測されます。その成長市場でトップシェアを獲得できれば売上高は成長し、同様に利益も成長できる。というストーリーです。
質問③ どんなプロセスで企業分析をしているの?
財務データでスクリーニングして、決算資料や有報で調査していく。調査フォーマットを埋めていくけど、共通する部分はチェックリスト化してあって、そのリストに沿って対象企業を見ていく感じ。チェックリストの項目は少なくても50はあると思う。
色々な視点からリスクとチャンスを洗い出して、最終的にそれをフレームワークなどで整理する。もちろんビジネスモデルとか成長ストーリーなど、定性面ではチェックリストだけで見れない部分もあるけど、言語化してそれに変化がないかはチェックする。
重要なのは、分析を通じて、自分の考える成長ストーリーの確度を検証すること。それを記録して、今後の決算やイベントごとにストーリーに変化がないかを確認していく。
質問④ これまでワークしなかった分析は?
上原さんと似ていて、アナリストや会社の成長ストーリーやロジックを鵜呑みにしない。必ず自分で理解する、ロジックを検証する。数字を見て整合性があるかをチェックする。
Twitterでよく良さそうな銘柄が流れてきますが、これは良いかも!と思うことはあってもすぐに買うことは絶対にありません。昔、株を始めたときはよくネットの記事で有名な人がこれからは○○関連が来る!(今でいうと5Gとか、DXとか)というのを信じてましたが、今は必ず調べてビジネスや業績を自分で理解してから組入れします。
人の意見で思考停止したものは基本的にうまくいかないというか、自分で適切な判断ができないし、揺さぶられてしまって変なタイミングで売買してしまうことが多い。だからこそ、自分でストーリーを作ることが大事。それが崩れなければ保有し続け、崩れたり想定と外れたら売却する。
投資はリスクを取ってリターンを得るので、自分がどのリスクを取っているのかを認識できてないといけない。そのためには、企業がどのような事業を行い、今後どのような戦略を取るのかを自分で理解して、そこのリスクには何があるかを把握したうえで投資判断をすることが重要。
例えば会社が説明した成長ストーリーがあって、それを実現するためには色々なリスクがある。景気はもちろんだし、その業界動向や競合プレーヤーの動きとか数えきれないほどリスクはあってブラックボックスになっている。
それらを様々な視点から分析して理解することで、可能な限りリスクを洗い出す。そのリスクが生じる可能性はあるけど確率が低い(=会社が成長する可能性が高い)と判断するなら買いだし、高いと判断すれば見送る。簡単にいえば期待値計算に近いかもしれない。
----------回答 ここまで----------
以上、記事の質問について考えてまとめてみました。インタビューへの回答を自分なりに考えるのは言語化の練習になって、とてもいいですね。
マーケットの魔術師とか、雑誌とかのインタビュー記事で良さそうな質問があったら、それを自分に質問して言語化してみるのは意外と効果的かもしれません。他人事ではなく自分事としてとらえるというか、そんな感じですかね。
このような形でしっかりと文字に残して、定期的に確認しつつアップデートしていければ、もっと投資方針や分析プロセスが明確になるのかなと思います。
現在、プロの投資家の投資哲学や具体的な投資方針、戦略についての記事を続編として制作中です。一部、ツイートしてますのでこちらもよかったらご覧ください。
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