Vol.3 Weekly Letter(11/8 - 11/14)

こんにちは、Suiです。

この記事はニュースレター「Suiの企業分析通信」で毎週更新しているWeekly Letterの過去記事を公開しています。

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Weekly Letterは毎週月曜日の夜に更新予定です。



こんにちは、Suiです。

このWeekly Letterでは1週間で気になったニュースや記事などを読者の皆さんに紹介していきたいと思います。重要なニュースや役立つ記事などを私Suiがピックアップして、解説などを交えながらお届けする内容になっています。

今週のトピックは以下の通りです。

1.注目ニュース
 BTC最高値を更新
 スクエニがNFTゲーム参入を発表
2. 特集(企業分析のノウハウなど)
 チャート分析の超重要ポイント
3.気になる決算、企業
 トリドールHD、上方修正後の株価下落
4.参考になったツイート、記事
 気候変動関連
 管理会計・限界利益
5.おすすめ本紹介
 出来高・価格分析の完全ガイド
6.アイデア、雑談、その他
 インフレについて思うこと

1.注目ニュース

先週(11/8-11/14)の注目ニュースを取り上げて、その記事の解説や自分の感想、今後の見通しや予想などを書いていきます。できるだけマーケットでの重要ニュースを取り上げたいと思うので、皆さんの振り返りにも役立つと思います。

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BTC最高値を更新

BTCが最高値を更新しています。大量のテザー発行や1億ドルのファンド組成などの材料でBTCが上昇したようです。

BTCは2017年以来の大型アップデートを控えており、前回のアップデート後の動きは下のツイートの通り、アプデ前の水準を割ることはありませんでした。今回も同様の動きとなるか注目していきたいところです。また、BTCが上昇する材料となったテザーの大量発行については、ざっくり言うとテザーが大量発行されるとBTCに資金が流入しているので、BTCが上昇しやすいと考えることができます。

また、10日に発表された米国CPI(消費者物価指数)では物価の上昇率が6.2%と強い数字が確認され、インフレへの懸念からBTCが上昇しました。先週のWeekly Letterでも紹介しましたがインフレについては、今後も要注目です。

来週の特集では、このインフレを見る上で大事なポイントとなる、金利や期待インフレ率について、BTCや株との関係について取り上げたいと思っていますのでお楽しみに。


スクエニがNFTゲーム参入を発表

今週もメタバース関連が引き続き盛り上がっています。米国株ではロブロックスやUnityの決算後に株価が大きく上昇しています。決算の内容が良かったのはもちろんですが、メタバースへの期待も相まって、指数が少し下がる中でも強い動きをしている印象です。

そんな中で、日本ではスクエニがNFTゲーム参入を発表しています。まだ既存のゲームへの具体的な応用や事業化、収益化については不明ですが、ゲームのマネタイズ方法が変化する可能性には注目したいと思います。

スクエニは2021年10⽉14⽇、NFT(非代替性トークン)とスクエニの事業アセットを組み合わせることでどのようなシナジーが⽣まれるのかの実証実験として、NFTデジタルカード「資産性ミリオンアーサー」をリリースしたところ、すぐに完売。

材料としては面白そうですが、注意しなければいけないのは、いつから収益化するのか、業績に寄与するのかという点です。

これはスクエニだけに限らず全てのニュース・材料で考えなければならないことです。仮に材料によって期待先行で株価が上昇しても、決算で業績として現れなければ、株価は下がります。

こういった材料を見た時には、反射的に業績に寄与するのはいつか?と考えるようにしましょう。

2.特集、ノウハウ

特定のテーマについて深堀りした解説をしたり、企業分析に役立つ自分のノウハウなどを紹介したいと思います。経済誌のダイヤモンドや東洋経済でいう表紙にあたる特集記事みたいなイメージです。Twitterでは書ききれなかった内容や反応が良かったテーマについて取り上げたりしたいと思います。
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今回の特集では、自分がチャートを見るうえで最も意識していることについて解説したいと思います。
ポイントは大きく2つです。

・水平線しか使わない
・チャートはとにかくレンジで考える

2つ挙げましたがほぼ似たことを言ってる感じではあります。下の図が分かりやすいので、これを使って説明したいと思います。


水平に引いた2本の線があると思いますが、この線の間を自分はレンジと呼んでいます。ボックスとも言われたりします。
ボックス理論の一部がこの考えなので参考記事を貼っておきます。

https://orange2.net/a_lexis/trade_tech/box_theory.php

ボックス理論はシンプルな手法であるために他のテクニカル分析を併用する場合は人気の高いもの、つまり多くのトレーダーが同様に反応するようなものを参照することになります。 移動平均やピボットなどが良く当たると言われるのはこうしたライントレードの手法で多くの投資家が同じように参照し、同じように反応しているためと思われます。

自分がチャートを見る時は、このレンジをイメージすることをとにかく考えます。今の株価はどのレンジにいるのか、どこが抵抗線、支持線になっていそうか、というのをひたすら考えます。

例えば、日経平均のチャートを見て、今はどのレンジなのかを少し考えてみましょう。
レンジを探すポイントは、主に過去の高値、安値です。そこにタッチしている回数が多いほど意識されるので、何度も反発や反落しているポイントを探してみてください。

こちらは日経平均先物のチャートですが、青い線で示した27400円ー30500円のレンジになっていると考えられます。
高値に関しては、30000円を超えてくるとやはり重たい感じがしています。安値に関しては、27500円付近では何度も反発しているので、この辺りは意識されていそうです。必ずしもこのレンジだけで決まるわけではありませんし、この他にも日経平均のPBRやPERであったり、外部要因で左右されますが、意識されている水準は覚えておくと良いと思います。

また、直近では赤の丸で囲った部分が、直近の高値と安値ですが、回数が少ないので意識されるポイントとしては少し弱いかなと思います。

さて、最初の図に戻りますが、レンジをブレイクすると(必ずではないですが)抵抗線と支持線が変わります。今まで抵抗線だったのが支持線になったりします。
抵抗線をブレイクした例は下のツイートをご覧ください。

抵抗線になりやすいのは過去の高値や、売りが多いために上ヒゲが多く出ているポイントなどがあります。
過去の高値付近で買った人からすると、ずっとマイナスだったから上がってきたとこで売りたいと考えていたり、高値付近だと売りが出てくるから売っておこうという人がいたりで、売り圧力が強くなります。

また、チャートは複数のボックスが繋がって構成されていると考えると、今までとチャートを見た時の景色が変わるかもしれません。

成長株の場合、このボックスが積み重なって上昇していきます。新高値を更新するとテスラのように急激に上がる時もあればジワジワ上がる時もあります。
いずれにせよどこかで大きい売りが出て、調整するとその時の高値と前の高値が新しいレンジとなります。これを繰り返して右肩上がりのチャートが出来上がるのです。ぜひこの視点でチャートを見てみて下さい。

テスラのチャートでイメージするとこんな感じで、ボックスが積み重なっているイメージです。

Trading View

10月末に新高値をつけた後、イーロンマスクの売却によって調整しており、ちょうど新しいレンジにシフトした状態で、支持線がどこになるかを探っている所だと考えています。

今後の動き次第ではありますが、10日につけた安値(987ドル)を割れば前回の抵抗線に当たる900ドル前後が次の支持線の目安になると思います。987ドルでまた買われればそこで反発して、今回のレンジは987-1240に固まるのではないかと個人的には見ています。

最後に参考書籍について、書きたいと思います。
色々な書籍や記事から抽出して組み合わせてきたので、これという本はないのですが、特に影響を受けたのはこの本です。

去年、より初心者向けの本も出ているみたいなので、これが難しい方は、こちらも併せて読むと良いかもしれません。


3.気になる決算、企業

ここでは1週間で自分が気になった決算や企業を紹介します。決算がない場合は最近見つけた企業や、今後調べてみたいと思っている企業を紹介したいと思います。
※あくまで気になる企業で、推奨銘柄でもなければ調査もしていない段階で完全にアイデアベースです。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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トリドール 上方修正

Twitterで少し先出しをしましたが、トリドールの上方修正について。
まさに先週のレターで取り上げた任天堂と同じケースかなと見ています。
通期の業績予想を上方修正しましたが、その修正した予想がコンセンサスに届かなかったことが、発表直後に株価が下落した要因だと考えています。

12日の決算発表の前に、10日13:10に上方修正のリリースが出ました。2022年3月期の営業利益を51億円 →68億円に上方修正しましたが、コンセンサスの予想は78.9億円でしたので、物足りないという印象から売られてしまったと考えられます。株価はリリースの直後から下落して反応しています。

任天堂のケースと同様に、コンセンサスの数字が既に高く、上方修正をしてもコンセンサス予想に届かない場合にはネガティブであることがこのトリドールのケースからも分かります。

マネックス証券 銘柄スカウター


4.参考になったツイート、記事

こちらでは自分が参考になったツイートや記事、ブログ等を紹介します。読者の皆さんに役立つツイートなどを紹介したいと考えています。
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気候変動関連で興味深い記事があったので紹介したいと思います。確かに東洋と西洋では自然に対する考え方に違いはあるかなと思いましたし、ビジネスとしての持続性も人々の認識(以前のニュースレターでも書いた必要性に当たると自分は考えています)の変化が必要で、同意できる内容でした。最後の新興国vs先進国は今後も対立が続くのは長期的なリスクとして認識する必要があるのかなと思います。

最近思うのは、欧米人とアジア人では、「自然」や「生命」に対する根本的な考え方が違うのではないかということです。日本人・アジア人は、人間も自然の一部として捉えているみたいなところがあるのではないか。気候変動問題を人類の責任問題として考える欧米人の考え方では、自然とは人間が管理すべき対象なんです。それに対して、日本人からすると、台風や地震など天変地異は常に起こるもので、「そこに対処しながら寄り添って生きていくんでしょ」みたいな感覚があり、気候変動に対してもそういうリアクションをされる方が結構多いなと思います
要するに、多くの日本人が環境問題の解決に価値を感じないと、その活動ではなかなか稼げない、ビジネスとして展開しないことになります。その意味で、人々の認識が本質的です。

実際本当に温暖化を止めようと思ったら、例えば中国の排出量って日本の10倍近くありますからね★1。中国で石炭が不足して停電が起きてますけれど、停電が起きると共産党が命令して、日本の総消費量に匹敵するくらいの石炭の増産を命令しているんですよ★2。要するに、政府の一言で日本の1年分の排出量が吹っ飛ぶくらいの変動が起きる★3。なので、日本ががんばって二酸化炭素排出量を減らしても、中国が一瞬停電になった瞬間に日本の努力は秒で消えてしまうのが実情です。

気候変動と関連して、COPの動向など重要ニュースのまとめがありましたので、こちらも参考になります。


管理会計や限界利益について

そのうち特集とかでも取り上げたいと思いますが、参考になるツイートを紹介したいと思います。どちらかというと応用レベルですが企業によっては分析手法として使えるので、覚えておいて損はないはずです。


5.おすすめ本紹介

最近読んだ本や過去読んできた本でおすすめの本を紹介していきます。特集や他のトピックを優先的にお届けしたいと思っているので、毎週というよりは少し不定期かもしれません。ただ、紹介したいおすすめ本はたくさんありますので、少しずつこちらで紹介していきたいと思います。
過去のおすすめ本についてはライブラリー(まだ作成中のため、完成したらこちらで紹介します)にまとめているので、こちらもぜひご覧ください。
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おすすめ本は今回おやすみです。ただ特集の所で挙げた参考書籍「出来高分析ガイド」は本当にオススメです。チャートはこれだけ読めばOKってくらい推してます。

初心者の方には少しレベルが高いかもですが、分からない所は調べながら、定期的に読むと読み直す度に理解できる場所が増えていくので、諦めずたまに読み直してみてください。
理解できる所が増えると自分の成長も感じられると思います。

6.アイデア、コラム、その他

企業分析や投資以外の話や雑談、その他ざっくり考えていることなどについてです。特にテーマを決めずに思っていることを書きたいと思うので、興味のある方はご覧いただければありがたいです。
もし読者さんからの質問があれば、ここで回答もしたいと思いますので、どんどん質問してください!お待ちしております!いただいた感想もこちらで紹介できたらいいなと思いますので、ぜひTwitter等でシェアしてもらえると嬉しいです。
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今回はかなり雑談というか雑感なんですが、ニュースの所で取り上げたインフレについて。少し思うところを書きたいと思います。
Twitterで話題になってたので見た人も多いかもですが、まずこちらの記事を。

少し前にも話題になってたんですが、値段はそのままで容量を減らすステルス値上げを思い出しました。

今回は容器を作る側も、容量を減らしつつ見た目は大盛りに見える点を訴求していて、結局は値上げすると売れなくなるからステルス値上げをするんだと思うんですよね。顧客がインフレに過度な拒絶反応を示している証拠なのかなと。
これが日本だけかは分からないですが、心理的なインフレ拒否(デフレマインド)というのが根強いのかなと、今回の件を見て感じた所です。

そう考えるとデフレって大衆の心理や価値観が変わらない限りは、経済政策どうこうで動かせるものではなく、構造的なものになってしまうのかな?それだと、株への資金流入は起きにくい?(若い世代は年金問題や危機感など別の要因から関心は高そう)なんてことも考えていました。

最後に

最後までニュースレターをお読みいただきありがとうございます!今週のWeekly Letterはいかがだったでしょうか?

このニュースレターをより良いものにしたいと思いますので、感想や質問をぜひお願いします。1番下のTwitterのボタンからシェアできるので、ぜひ感想と一緒にツイートしてもらえると大変嬉しいです。(いいね機能がないため、いいねの代わりにシェアしてもらえると読者の皆さんの反応が知れるのでとても助かります)

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また、特集で取り上げて欲しいテーマや質問などありましたら、Twitterでコメントしてもらえればと思います。匿名で質問したい方は質問箱からでもお待ちしております!(質問箱に感想でも嬉しいです!)

それではまた次回のニュースレターでお会いしましょう!

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