本丸の七夕とノスタルジー
※この頁には、6月下旬にゲーム内で配布された期間限定景趣のネタバレを少し書いています。
本丸に、また夏がやってくる。
審神者になって9年目。今年の夏も貝集めに奮闘している本丸に、情緒ある景趣がまたひとつ追加された。
期間限定景趣「夏の庭・夜 七夕」の配布に、七夕の景趣は初めてなんだなー、なんて思いながら過去を振り返ってみた。
日々、四季折々をちゃんと感じて生活したい。
そんなことを頭の端で考えつつも、夏の景趣は毎年「夏の庭」もしくは「夏の庭・夜」。現実世界に忙殺されて、春や梅雨のまんま夏を終えた年もあった。
そもそも、リアルでまともに七夕を認識していたのはいつまでだったのか。
そんな審神者のいる本丸に、たった一夜のためのすてきな景趣が贈られたので早速模様替えをした。
(6月27日~7月18日の期間中のみ。短冊の交換もできる)
七夕景趣を堪能していると、気になったことがある。
・短冊って、なんでこんなに色があるんだろう。何か特別な意味があるのかな?
・童謡『たなばたさま』なんて久しぶりに歌うなー(耳に入れた知ってる曲を口ずさんでしまう人間)。
でも、”ノギワ”ってなに? ”金銀スナオ”ってどういうこと?
その二つが気になった審神者は、「暇だからってだらけちゃいけないよね」とつぶやく近侍をヨソに調べることにした。
(けっして暇してるワケじゃないんだよ! たぶん。)
まずは短冊のこと。
短冊の五色は陰陽五行説から来ている。
自然界を構成する木・火・土・金・水のエレメントを色にすると、緑・赤・黄・白・紫。水は本来、黒色だけど縁起がよくないというので紫色らしい。
その短冊の色によって願掛けの内容も変わるというのも新たに知ったが、ゲーム内の色分けされた短冊は、特に色にそった内容ではなさそう。
緑→成長
赤→感謝
黄→人間関係
白→規則・義務
紫→学業
と、こんな具合で願いに合う短冊を選ぶみたいだ。
短冊の色分けで面白いなと思うのは、油揚げと唐揚げが「規則・義務」のところにあること。
たしかに、あながち変ではなさそう……
一方で「感謝」の赤い短冊には、山籠もりと審神者の成長・歴史を守ることが書かれているから、これはちょっと短冊の意味に沿わないのかなと感じる。
自分が子供のころは、周りの子が選ばない金色のテカテカした短冊に願い事を書いていたのは覚えている。単にとろかったので、余っていた短冊をいただいたんだけど、当時の自分は派手な短冊が嫌だと思っていたのをついでに思い出した。
もうひとつの疑問。童謡の歌詞は、完全に間違って覚えていた。
ノギワ→軒端(ノキバ):壁から張り出した屋根の端のこと。
金銀”スナオ”→砂子(スナゴ):金箔・銀箔を細かく砕いて蒔絵や襖絵などの装飾に使う粉のこと。
「ノギワ」の部分を歌っていると、頭の中にまるちゃんのミギワさんが現れてしまう現象が続いた審神者。まったく恥ずかしいけれど、歌詞の言葉を正しく知れば、七夕の一夜に絵画のような美しい情景が浮かぶ、とても情緒深い曲であった。
子どもの頃に歌ったきりのこの曲は、大人になってからの方がより深く味わうことのできる曲だった。
七夕を最後に満喫したのは8年も前になる。
短冊を飾ったりしたわけではなくて、”七夕ゼリー”なるさわやかな青いゼリーに星型の牛乳ゼリーを埋め込んだだけのものを作ったが、たった一夜を意識して過ごしたのはその年だけ。
そんなことを、まだ7日にもなっていないのに短冊をセットして、本丸の七夕BGMを堪能しながら思い出した。
このBGMは結構気に入っていて、日が来たら回収されてしまうのが少し悲しい。聞ける間にたくさん聞いておこう。
ひとつの景趣から、伝統行事について知る機会に繋がった。