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【小説】アイスベッド上の魚

アイスベッド上の魚。綺麗な氷の上,飾り付けられてキラキラと光っています。

魚は得意げな顔をしています。
隣の魚が言いました。
「ぼくは、ばかだ。」

「そんなことないぜ。」

「おまえも、ばかだ。」
「いまに、わかる。」

「おれは世界を見るためにここに来たのさ。」
魚は「ぎょ、ぎょ、ぎょ」と笑いました。

ステンレス上の魚。綺麗な氷は無くなりました。ぽつんと一尾。
相変わらず得意げな顔をしています。

ついにその時が来て,尻尾から体が浮きあがる瞬間,間抜け面の魚が見えました。
「おれ以外に残っていたのか。」

「先に世界で待っているぜ」
魚は「ぎょ、ぎょ、ぎょ」と笑いました。

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グリルの中の魚。ジウジウと焼かれています。
やっぱり得意げな顔をしています。

「これが世界!真っ赤で、綺麗で、情熱的。」
「あついけど,今のおれ,最高にクールだぜ。」

海に返ったらみんなに自慢してやろう。
ぎょ、ぎょ、ぎょ。

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