saの音楽感想文 第5回.maruiro/強くない人。
今回はmaruiroの1stアルバム，「強くない人。」を紹介します。
maruiroというバンドの魅力は「ありえないくらいかわいいボーカルの声から繰り出されるドストレートな想い」です。
なんだそれは！！それでも邦ロックオタクか！
と言われてしまいそうですが本当に声がかわいいという点が突出しています。そして歌詞が真っ直ぐということ。安易とは違います。例えるなら魚の骨取り。非常に整った文章なんです。
また，誰にでもわかりやすい歌詞で誰にでもに共感してもらう歌を歌っているわけではないのが魅力です。誰にでもわかりやすい歌詞であくまでも自分の想いを歌っています。
東京タワー
一体どこから声が出てるのでしょうか？
きっと私がもちあわせていない発生器官があるに違いありません。母音が掠れるような歌い方も魅力的。
微かに抱いた期待は
静かに膨らむ一方
冷たい夜 染み込んだままの
布団に埋もれた。
確かに描いた未来は
私が作ったものだ
言葉の端をつたってばっか
触れたいが溢れた
入ったばっかに感じるあの布団の冷たさを
「冷たい夜が染み込んだ」って表現するの好きです。
東京タワー光る頃
ぽつりぽつり小さな光
消えていったのを知ってるんだ
ハッピーアワー鳴り響く頃
私1人 ギターと2人
涙堪えて歌っている
曲のタイトルが歌詞に出る曲は名曲です。
本アルバムはそういう曲が多いです。
カセットテープ
巻き戻してボタンひとつで
許せた涙ひとつで
かけがいのない想いの君は
溢れて溢れて止まらない
スキップボタンひとつで
好きって言葉ひとつで
満たされていた それだけだった
平気なフリはもうできないよ。
YouTubeやAWA（音楽アプリ）でも人気の高い曲です。
惑星
「強くない人。」収録なのに
とても強く，優しい歌です。
この曲を聴い後、自分のことをちょっとだけ好きになれます。maruiroで1番好きな曲です。
僕の惑星はとてもとても綺麗さ
君が思ってるよりずっと
だから絶対君には似合うと断言できるよ
君の心はとてもとても綺麗さ
君が思ってるよりずっと ずっと
だから無理はしないでよ
もっと君のままでいいんだ
「僕の惑星」，単純に考えたら地球になりますが，私は自分の中にある惑星（自分の内側にある核心、価値観や感情みたいなもの）と捉えています。
本当の心知られたなら
「嫌われちゃう」なんて思ってない？
ちょっとくらい難点があっても
それが味になる
だから決めつけないで
すごい肯定してくれる。悪いところを一旦認めた上で，むしろその方が良くない？みたいな歌詞に私弱いんです。別のアーティストになりますがバズマザーズの「君の名前は消えるけど その方がキュートだと思うぜ」やSHERBETSの「目の前のことに操られている でもそれで良いよ それでいいのさ それが僕たちのチャームポイントだから」などが大好きな私にこの歌詞が刺さらないわけがありませんでした。
君の惑星はとてもとても綺麗さ
ずっとずっと
だから無理はしないでよ
僕の隣息をしていて
こんなに優しいこと言われたら惚れてしまいますわ。
ポメプチーズ
この曲も神曲です。いますぐ聴くべき。
帰り道の魔法
叶えてポメプチーズ
ゆらゆら揺らがない君のことだけは
夢の夢のそのまた夢
誰にも聞かれないその場所で
どうかどうか私を
好きになってくれますように
隣で話聴いてくれてるポメプチーズが
床に転がったスーパーボールを
あの日の夢を 君への想いを
かじって動かしたんだ
ポメプチーズは造語なんですかね？犬詳しくないのでわかりませんが、ポメプーとポメチーズからとったことは確からしいので、犬かそれに近いものなのだと思います。歌詞中に「夢の国」というワードもあるのでプリキュアとかにいるあの使い魔みたいなやつを想像するとめちゃくちゃかわいいのでそう解釈してます。
素直になれたら
はいこれも神曲です。
朝はパンを食べた
通勤はパンパン満員電車
昼前あくび堪えて
資料の隅っこ
夢のラクガキをするの
昼はパスタを食べた
通帳カツカツ明日は節約
今すぐやりたいこと
今すぐやらなきゃいけないこと
どっちを選べたかな
単純なんだ僕らは
美味しいもの 季節の香りで
リセットされてしまう
やさしくなれたりしちゃう
心はいつだって素直だね
紹介しといて大変失礼だと思いますが歌詞について語ることないょ。歌詞に全部書いてありますし。
もう、そういうことです。
心はいつだって素直だね。
この曲，バックでトライアングルみたいな音がリンリンチロチロなっているのですが，それがこの曲の優しい雰囲気をブーストしています。
最後に、
私は「強くない人。」を聴いて
お腹の中の黒いところが
ほんのりと薄まるのがわかったの
わかったの。