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saの音楽感想文 第24回.SHERBETS/「natural」

今回はSHERBETSから「natural」を紹介します。
SHERBETSはかの有名なBLANKY JET CITYの浅井健一さんが歌詞,ボーカルギターをされているバンドです。浅井健一さんはベンジーという愛称でも有名です。

そしたらベンジー、あたしを
グレッチで殴って

歌詞:椎名林檎/丸ノ内サディスティック

多くのアーティストに影響を与えています。

私が「natural」を知ったのは3年前の冬でして,そのせいなのかもしれませんが,
なぜだか冬に聴きたくなるアルバムだと感じます。

それでは曲の紹介に入ります。

フクロウ

不気味な曲なのですが,優しさを感じます。
本アルバムを本アルバムたらしめるこれ以上ない一曲です。

ジュース物語

歌詞が天才的です。情景の切り取りなのですが,物語になっています。

僕のこと忘れないでね
君のこと忘れないから
氷みたい冷たい宇宙で
暖かな光になるんだ

歌詞:浅井健一/SHERBETS

ライトブルー

小気味よいリズムの曲です。

指で砂に文字を書こう
なんて書こうかな
「I love you」なんてありきたりだ
「中華そば」って書いたよ

歌詞:浅井健一/ライトブルー

歌詞がベンジーすぎます。ベンジーは歌詞について話すことを嫌うので中華そばの真相は謎です。「チュー」と「そば」から連想したのかな。
あとは語感の良さですね。

Baby Revolution

本アルバムの中で1番曲調が明るい曲です。

平和と愛のメッセンジャー
突然起こった出来事

大人達はみんなびっくり
3万人のベイビーに

ラジオもテレビもトップニュース
報道機関は大パニック

世界中のベイビーたち
突然集まりはいだす

歌詞:浅井健一/Baby Revolution

突然現れたベイビーたちが集まって世界中を行進し始めます。その数はどんどん増えていきます。

宗教 条約 法律
なんのことだかわからない

まもなく戦争地帯だ
おかまいなしに進んでくる

兵士も戦車もミサイルも
みんな拍子抜けしてるよ

歌詞:浅井健一/Baby Revolution

戦争地帯に行ったベイビーたちとそれを見る大人たちがどうなったかはぜひ聴いて確かめてみてください。
ちなみに本曲は絵本にもなっています。

わらのバッグ

手作りの藁のバッグを持って街へ出るお話。今は自分で作るよりもずっといいものを簡単に手に入れることができる時代です。でも手作りだからこそ光があるのではないか。20代の私ですら感じることなのできっと人生の先輩方にはもっと響くと思います。

手作りだから光があるんだ
みんなも早く気づけばいいのに

街は溢れてる物でいっぱいさ
みんな楽しそうだけれど

自殺する人増えているって
TVのニュースでやってた

歌詞:浅井健一/わらのバッグ

もはや街どころか,Amazonやメルカリなど家の中で買い物ができる時代。便利さを代償に大切な何かを失っているのかもしれません。

君だけのたった一つの心はどこへ行くの?
僕は行くよ この空に全てをまかせ

歌詞:浅井健一/わらのバッグ

未来のマシン

ディストピアな世界の中で,未来のマシンに乗って爆速している様子が曲から伝わります。
最初に聴いた時は特に,ものすごい気持ち悪さがありますが,それが良すぎます。

暗い暗い森の中,
未来のマシンで
ぶっ飛んでいるところ

ハンドル瞳でアクセルと息さ
スピード思い出

後ろに座ってる名もなき人形
体ほつれてるが
心の友達に昨日なったんだ
昨日なったんだ

歌詞:浅井健一/未来のマシン

主人公はインターラーケンあたりで雪に埋もれている幼い姉妹を救うために,急いでいます。
途中,水死体を見つけますが
見て見ぬフリをしながら。

笑って 笑って 笑って 笑って
笑って
もっと

たくさん 笑って 笑って もっと
もっと世界のために

笑って 笑って もっと
名もなき人形

笑って 笑って もっと
たくさん 世界のために

歌詞:浅井健一/未来のマシン

最後,というかこの曲は全体を通して人形にフォーカスが当たっています。いろいろと考察したくなる曲です。


今回は以上です。
ご覧いただきありがとうございました!





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