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リフォーム業界の問題点
今回は年末のため民泊記事でなく普段のリフォーム会社経営の視点で考えていきます
リフォームを依頼する側の問題点
築15年以内の客層
ここ数年の低金利時代により賃貸で住むより持ち家程度の価値観で新築を購入したり住宅ローン減税などの買いやすい施策が多くあり、家にそこまで愛着のない世帯が購入していることが多いので、メンテナンスリフォームは安くてすぐに動いてくれる会社へ依頼している
なのでここの分野で儲けることはできない
本来、家は高級品なので頑張っても買えないくらいの価格帯にもっていくべきだと思う
また、メンテナンスリフォームは一家に一台の車があるように一家に一人の大工さんがいないといけないと考えている
後述するが、今は、大工さんが請負をせず手間請けなので小回りできないためここは難しいので、現場監督がやったほうが良さそう
社員監督兼大工を育成することで解決できると想定
築15年~築30年の客層
分譲マンションは別に考えるが比較的注文住宅(ハウスメーカーが主流なのでセミオーダー程度)が多くある程度の理解がある
リノベーションに関してはここの層がほとんどとなるが住みながらのリフォームが多いので、500万前後のリフォームが多くなる。
工事中はお客さんの理解が必要となる
大工工事が少なくなる。本来は現場監理・大工・雑工を社員大工として育成できると良いと考える
小回りのリフォーム業者としては得意とするところ
相見積もりが多く利益率は20%程度になる
築30年以上の客層
生活環境を考慮し、建て替えやリノベを判断する必要が出てくる
最近では、親が住んでいる建物を相続してそのまま空き家となるケースも多くある
ここでは建築士の力が必要となる
その判断により全く無謀な計画となってしまったり、すごくよいものになるためだ
いまは建築に精通していない人たちの意見で成り立ちすぎているのが現状だ
残せるものは直して使う文化をもっと広めていきたい
ここはブルーオーシャンで民泊したりカフェしたり用途変更することで可能性のある領域だ
私たちが目指しているのはこの分野だがなかなか目が出ない
今度は私たちが協力業者として依頼する側の問題点
大工さんを例にして考える
最近ではプレカット主流となりすぎてしまいそもそも現場に出勤して現場から退勤するだけとなってしまっている
これは1人親方問題とハウスメーカーからの手間請けによる弊害と考える
お金儲けが出来ておらず生活のために大工さんとして働いている感じかな。
本来は事務所や倉庫があってそこへ出勤して現場へ行かないと材料や金物などがないのだが最近では手間請けが主流のためそこの一番大事な部分(コミュニケーション)が抜け落ちている ここは改善していかないといけない
最初に協力業者として活動する段階で教育が必要になると考える
つぎに新築とリフォームの棲み分けができていない
まずリフォームという和製英語があいまいですべての職人さんらが言うリフォームは内装リフォーム程度で構造リフォームでない
新築慣れしてしまっているためリフォーム仕事でも現場直行の癖が抜けないもしくは現場直行でよいと思っている
ここは大いに改善が必要。社員化するしか方法はないと考える
構造リフォームに関して不慣れ
梁を架け替えたり補強したりする一連の作業が解体と造作で別分野の感覚となってしまっているため難しいことには手を出さない
これはリフォームに携わっている大工さんとしては致命傷となる(発展がない)
これは請負が減っていることとプレカット全盛となってしまっているのが原因だろう
考察
ブルーオーシャンの古家の大規模改修や用途変更など私たち建築家兼経営者にとって一番の需要のある分野となる
しかし、あと10年もすると一番職人さんの多い世代が70代となりその下の世代は上記のような具合になっているので私たち30代の経営者としては大規模リフォームが請けたくてもできなくなる想定となるため非常に問題としています
これから新築が減り供給が正常化することでほぼほぼリフォームとなり需要が見込まれるが今度依頼してもできなくなってきているのでなんとか10年の間に育成や教育をして技術力の継承をしていきたいものだ