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制作過程報告2

進まない制作には理由があるに違いない。
そこを丁度いい具合に探ってみることにした。

1  ネットフリックス
2 完璧主義な気分による言い訳 ←本日
3 コロナウィルス
4 目移り

2 完璧主義な気分による言い訳

完璧とは、欠陥がないこととは、一体どういう状態をいうだろう。
容姿端麗、頭脳明晰、おかねもち!
腹筋バキバキ、二の腕丸太の逆三角形!
全知全能、人間ウィキペディア!
思いつく、そして驚く、何もない。
何一つ持ち合わせていない事実に堪らず冷や汗が吹き出す。
思わぬ悲壮に涙がこぼれてしまいそうだ。
しかし、完璧とはそういうことではない、ほかにも色々な考えが浮かぶ。
なんとなく思い浮かんだパーツの感じから、要はハートの問題なのかもしれないと思い始めた。
例えば完璧な作品、決して誰からの批判もない作品なんてのは未発表作なのかもしれない。
ミケランジェロは大したことない、という人も世の中にはいるかもしれない。
ダビデ像から強烈な石つぶてを喰らわされそうな例えだが、完璧の基準が他の人からの目線にあると、それを実現するのは大変難しいし、未熟な自分ではいつまで経っても作られるビジョンが見えない。
お爺さんになるまでに作られたら、それは素晴らしいことかもしれない。
では、自分の目線から完璧を目指すのはどうだろうか。
独りよがりでは決してなく自分から見て欠点がないもの、フィットした感じがしたので僕はここを目指した。
つまり、あなたは完璧でなくてよい、僕が僕のことを決めるのだ。
そういう優しいYOUも明日カレーを食べる必要はない、焼き鳥を食べたっていい。
これは個人の主義や考え、好みやタイプの問題なのかもしれない。

しかしながら、作っても作っても納得ができない。
研鑽を重ねるしかないと色々なものを取り入れてみるも上手くいかない。
成果がないことを我慢して、あーだーこーだと色々考えながら、とにかく作った。
すると、ポロンと一曲できた。
キワキワになってからポロっと出てくるものはいつだって金色であるようで、かなり良いように思う。
一曲はできたが、物事は分業されている。
思いつく、形にする、流通する、手にする。
全員別人であることのほうが多いと思う。
作編曲の僕と作詞の僕はまるで別人であるけれど、どちらも残念な生き物である。
ちなみにアルマジロは丸まれる種類の方が少ないらしいぜ。
一難去ってまた一難、そう、今度は歌詞がうまくいかない。
言葉はいつだって地獄の苦しみから生まれてくる。
事あるごとに歌詞ができませんと言ってる気がする。
そして、いよいよ詩とは一体何者なんだモードに入ってしまったので、萩原朔太郎の『詩の原理』を読んだ。
出てくる言葉が大変なので大変な本だと感じたけれど、わかる!なるほど!となることも非常に多く感銘を受けた。
これが詩なのか、先人はやはり凄い。
ちなみに人を褒めるのは照れ臭くて良い加減な褒め言葉になってしまいがちですが、僕が使ってみたい褒め言葉ランキングNo.1もまた先人である黒澤明の『七人の侍』の中で飛び出した「あなたは素晴らしい人です」である。
Suhmを聴いてくださっている方、あなたは素晴らしい人です。
ちなみにそれをいう俳優さんがよく対バンしたバンドのあのドラマーに似ているところも個人的にはグッときている。
ともあれ、この本は詩に対して今まで考えたことのなかった視点を与えてくれた。
割とすぐに影響受けるタイプで、カンフー映画を観たら当然アチャー!というのは勿論、顔真似までしたくなる性分なもので、この本に影響を受けて大作詞家にでもなったつもりで、これはいけるぞ、詩が書けるかもしれないと、完成の予感を前に興奮し存在を忘れていた唾を飲み込んだ。
辺りは静かで飲み込む音が強烈に大きく感じたが、顔も知らない隣人から文句を言われることもなく、どうやら僕の中でのみ爆音であったらしい。
そして、PCの前に座り林檎を後ろへ追いやるようにして、いざ!と、意気込むも束の間、僕はアニメを観始めるのである。
どうやら僕という人間は、詩の理解の問題を言い訳に作詞地獄の苦しみを紛らわせようとしているようだ。
これは掃除をしていて、卒業アルバムや懐かしい漫画を見つけたときに掃除だけにその行いを放棄して読み始めてしまう現象に近いかもしれない。
情けない奴め!情けない奴め!と二度己を打ち、僕は鬼灯の冷徹を観る。
地獄は怖い、しかし制作活動は楽しいんだ。

つづく

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Keiske Toumoto
貯金はせず、音源やグッズの制作などにあてたいと思います。 よろしくお願いします。