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「note」はじめ|文学フリマを経て
noteに初投稿します。
はじめまして。しらいと申します。
先日開催の「文学フリマ東京39」に参加しました。買った本の感想をXで呟こうかなあと思ったのですが、140字に収まる気配が全くなく、そして出店の記録も兼ねて何か残すツールがあったらいいなとぼんやり考えていたところ、こちらの「note」がちょうど良さそうだなあと始めてみた次第です。
初投稿の今回は、note開始に至るまでの「文学フリマ」のことをまとめてみました。思いのほかちょいと長くなってしまったのですが、お付き合いくださいませ。
◇きっかけは遡れば「文学フリマ大阪12」
腐れ縁の知人が9月に開催の「文学フリマ大阪12」に出店すると連絡を受けたので、ちょうど今年の2月に関西へ引っ越した自分としては、お手伝いがてら雰囲気を味わってみたいという好奇心もあって、売り子として初参加しました。東京に住んでいたころは気になってはいたものの足を運ぶ機会がなかった文学フリマ。出店する側にまわれば「絶対にいく」という約束された予定が立ちます。きっかけは些細なことでも大事ですね。その日は希望休を出しました。
「当日これない作者さんの本を売る」というミッションを受け、8年前まで百貨店の一角で販売員をやっていたあの感覚を思い出せ~!と奮起。売る本の原稿を長い通勤電車の中で一気読みし、自分の中で本の印象や伝えるためのキーワードをまとめつつ、当日を迎えました。
参加してよかった!楽しかった!というのが文学フリマ大阪の感想です。と同時に、自分でも本をつくってみたいという願望が出てきました。
というのも、会場の熱気がすごかったんですよね。書店ではみかけないようなニッチなテーマや色んなジャンルの本が並び、しかも作ったであろう方々もその場にいてお話だってできてしまう。装丁だって凝っていて目が楽しい。お祭りみたい。
そんな熱にあてられて、久々に「何かつくりたい欲」が沸々と湧いてきました。行って感じること、伝わってくるものがある。SNSではなく現地でこそ体感できたことでした。
◇文学フリマ東京39|参加と準備のダイジェスト
大阪で感じた文学フリマの雰囲気から、本当に文学が好きな人が集まるんだなあと今更ながら実感。前々から頭の中ではふんわりこんな感じの本つくりたいな~と思ってはいたものの、いやちょっとまてよと考え直すきっかけにもなりました。とても大雑把に言えば図書館と美術館は違う、みたいな感じのことです。どういう人たちが集まる場なのか、場所の意味を間違えてはいけない。現地に行っておいてよかったです。
そして予め抽選枠で応募していた東京39の出店。これがありがたいことにはじかれず出店できますメールをいただいたので、これはもうやるっきゃない!と準備を進める決心がつきました。まずは出展料を支払い、十数年ぶりに買ったばかりのパソコンをダカダカ叩き、挿絵を描き、スキャンとWord編集に四苦八苦し、入稿ってどうやるんじゃ、AdobeAcrobatはなにものだ、できた本の受け取りの日にちとか考えないとまずいぞ、逆に発送の時ヤマトさんいつ呼び出す?……とまあ当日まで慌ただしかったです。
ただ、そのころようやくちゃんと稼働し始めたXで、同じように作業されている方をお見掛けするたび「ああ、同じように悩んだり奮闘しているひとがいる……!」と何とも心強かったです。こういう時にSNSの良さが沁みます。そして初めて本が自宅に届いたときは本当に嬉しくて手が震えました。印刷製本所の方には頭が上がりません。素敵な本にしてくれて感謝です。
◇文学フリマ東京39|いざ、有明入り
12月1日は抽選当選のメールをキャッチしてからすぐ、だいたい2か月半くらい前から希望休を出していました。月初すぐに数字を〆にいく部署で働いているため、希望休を快く通してくれた同僚には感謝しかありません。ありがとう!基本土日のどちらかを出社にしているシフト組のため、前日は普通に働いていました。
よって前泊はしませんでした。余談ですが、楽しみすぎて寝られない、はなかったですが、こんな日に限ってなぜか足を攣ってなかなか寝付けませんでした。迎えた当日は朝から神戸空港へ赴き飛行機に乗り、スカイマークさんは定刻通りに到着、気持ち競歩でバス乗り場まで移動、10時40分発のリムジンバスへぎりぎりセーフで乗り込み(予約は保険をかけて次の11時発でしたが変更がききました)、ビッグサイトへ向かいます。ちなみに会場への到着は大体11時10分ぐらいだったと思います。
そして怒涛の設営。ちゃんと段ボールが届いていることに感激し、こんなにでっかいでっかい東京ビッグサイトの2,000を超えるサークルさんの出店が滞りなくできるように、設営や準備をしてくれた運営の方に感謝です。すごすぎる。もし来年文学フリマ大阪に参加する時は、朝から行こうかなと思いました。人手は多い方がいいですよね。
どたばた設営をしつつ、お隣さんにもご挨拶しつつ、時刻は11時40分すぎ。ここで私はずっと気になっていたおふたりにご挨拶と本の取り置きを依頼しに競歩でブースへ向かいました。絶対にこの二冊はほしい……!と事前にいくつか「気になる!」登録をしていたうちの2つのブースです。無事に用事を果たせたところで11時55分。そういえば何も食べていないことに気づき、急いで空港で購入したチーズクリームパンを頬張りながら、開催の正午の拍手を叩きました。拍手の一体感が心地よかったです。
◇文学フリマ東京39|ひとり出店側に立ってみて
申し込みをしたジャンルは「郷土|詩歌」で、詩や短歌のブースが集まるゾーンの端よりにいました。同じジャンルにどんなサークルさんがいるのかな、と検索してみたところ(1)でした。ちょっとないた。さみしい。
文学フリマでは短歌が熱いジャンルだとは知らず、そうなんだ~!と実感したのは近くに列も途切れず、寄稿した先生と思われる方のサイン会なども開いて賑わっていたブースがあったからです。どなたか存じ上げず無知で大変恐縮ですが、多くのファンを魅了する先生方が集結したすごい本なんだなあと、盛り上がる一角にただただすごいなあと感心するばかりでした。
さて自分の話になりますが、今回出店した背景をざっくりまとめると「冬の葉山は何もないけどとてもいいところなので、みんな行ってくれ!」という思いがあったからです。4年ほど葉山に仕事で通っていたのですが、冬の海って誰もいなくて町が静かなんですよね。夏に比べるとぜんぜん人がいません。でも景色は一番綺麗なんです。それを知っているから、誰かに知ってほしくて、手始めに関東にお住まいの人がくるであろう文フリ東京に参加しました。
伝えるための表現手段として、詩と、短編小説と、エッセイの3本立ての小冊子にまとめました。最初はね、詩に版画を添えた手作り製本の絵本みたいなものにしようとしていたんです。でも前述のとおり大阪文フリに参加して、もう少し文章があった方が来る層には合ってる気がする、と感じて急遽短編小説とエッセイを追加しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1733649629-okasP4LrgXW8ScIC2elGvu0M.jpg?width=1200)
ブースに掲示していたA4のPOPに「葉山」というワードを載せていたのですが、わりかし神奈川県にお住まいの方が反応して立ち止まってくれた印象がありました。さすが神奈川県民のみなさん。よくご存じで。しかもおひとり葉山の山側にお住まいの方もいらしていてなんだか感激しました。
反対に、葉山を全く知らない人にとっては引っかからないんだろうなあとも感じたので、また来年もしも参加するときは、そういう人にもフックがかかるようなもう少しキャッチ―なPOPと、しっかり伝わるフレーズが必要だなとひとり反省会。
最終的には12冊が旅立ちました。知人1名を除いては、今回文学フリマで初対面した方たちです。素直に嬉しかったです。ありがとうございました!
また、他にも「気になる!」登録をしていた本を探しに一瞬ブースを離れてさまよったのですが、既に完売していたり人の流れに負けたりして1冊だけしか買えず、、出店側とお客さん側を兼ねるのは容易ではなかったです。無念!なお、今度の京都はお客さんで参加予定です。希望休は出しました。
ちなみに今回購入したのはこちらのご本です。感想は後日投稿します!
![](https://assets.st-note.com/img/1733646957-RX69lNTFM0ian1o7muKDYPjW.jpg?width=1200)
◇やってよかった冊子づくり
そういえば美術大学に通っていたころ、制作の傍ら「活字の本をつくるのも面白そうだなあ」と本づくりに興味がわいたことを思い出しました。十数年を経て、それがようやく叶うことになりました。
当時は工芸工業の学科に在籍しており、illustratorやPhotoshopは申し訳程度にしか扱えず、最終的には機織りをして黙々と糸と戯れていたのでパソコン作業は苦手でした。でもここ数年、今の職場でPowerPointやExcelを使わないといけない場面に何度も躓き、悔しいのでできるだけ遊べるだけ遊んで使えるようになり、officeソフトでも使いようによっては意外となんでもいけるな?と気づき始めました。スキルが身につくとたのしさは増しますね。
また、詩をつづり、挿絵を添え、物語やエッセイを書いて、一冊の本にまとめる。達成するまでに相当なパワーを使うなあと改めて思い知らされましたが、やっぱりその分、創造はたのしいと実感させてくれました。夢中になれるって、いいですね。
今年の文学フリマは、自分にとっては良い転機になったのかもしれません。来年のたのしみもひとつふたつと増えていく。そして何より、そうだった、私は本を読むのが好きだったなあと思い起こさせてくれました。
ありがとう文学フリマ。また来年。
※12/13追記
オンライン販売を開始しました。よろしければぜひどうぞ。