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◇今月の隊員さん◇ 第110回:から〜ふ隊員さん

【プロフィール】-----------------------
男性、23歳、職業:公務員、宮崎県在住
X (旧ツイッター) ●https://x.com/Crawford_dai
隊員歴:2022年3月から
主なアイドル遍歴:ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学
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 から〜ふ隊員さんは、宮崎県在住の23歳の男性隊員。推しの瀬田さくらさん二十歳のソロライブが人生初めてのアイドル現場であり、ライブでもあったそうだ。
 色々な隊員さんとの交流を通して現場の楽しさを知り、「ヲタクって原動力そのものだと思う」という彼に、推しの魅力やばってん少女隊について語ってもらった。


■「アイドル現場の友達作ってくるわ!」

 2001年生まれで、春乃きいなちゃん瀬田さくらちゃんと同い年です。高校三年生の終わり、コロナ禍がひどくなって、例年通りの卒業式が、急遽行われなくなった代ですね。
 もともとももいろクローバーZあーりん (佐々木彩夏) 推しで、そこから姉妹グループの私立恵比寿中学ばってん少女隊を好きになりました。
 推しはさくらちゃんです。きっかけは、2022年頃だったかな。インターネットで「瀬田さくら」と検索すると、関連キーワードに「握力」とか「パンチングマシーン」と出てきて、さくらちゃんが、ゲームセンターのパンチングマシーンで、とんでもないパンチを放ってる動画 (※) が出てきたんですよ (笑) 。
 そこから興味を持ちました。
 実は、自分はプロボクサーをやってます。その立場から言わせてもらうと、パンチングマシーンって、機械を速く叩くだけのものだから、マシーンの数値だけでは良いパンチかどうか何とも言えません。
 でも、さくらちゃんのパンチは、腰の回転や拳を入れる角度など、素人とは思えないものだったんですね。本物じゃん。。。と (笑) 。

(※) 瀬田さくらパンチングマシーン動画:公式Instagramにアップされたものだが、現在は削除されている。
 なお、一部の隊員さん ( ◇今月の隊員さん◇ 第62回:いけっちさん) が保存しており、該当動画は下の通り。

 初現場はさくらちゃん二十歳のソロライブ:せたせいたん! (2022年 3.26@UNITED LAB) です。
 SHOWROOMでさくらちゃんの配信を観るようになったのが、ちょうどライブ前の時期でした。
 当時のばってん少女隊について、”メンバーのソロライブは成人式みたいなもので、二十歳のときしかソロライブをしない” と、さくらちゃんが言っていて、自分は新参者ながら「そうなんだ、貴重なものなんだな」なんて思いながら、チケットを取りました。
 それまで福岡県へ行ったことがなかったので、人生初の福岡県であり、そもそも ”ライブ” 自体も初めて行くものでした。もともと、高校を卒業したら、ライブとか色々行ってみたいと思ってたんですよ。それがコロナ禍のご時世でダメになって、丸2年経った頃ですね。
 ライブ当日、ちょうど福岡県に用事のあった友達と車で一緒に行って、別れ際に「アイドル現場の友達作ってくるわ!」と、宣言して一人で会場へ向かいました。


■「あ、私ペンライト貸せますよ」

 会場に入るとイスが並べてあって、自分の席の隣がいけださん (※1) で、反対隣が藤澤さん (※2) でした。
「友達作ってくるわ!」と宣言してたから、話しかけたいなと思ったんですけど、いけださんは女性だったので気安く話しかけるのは失礼かな、と思った一方で、藤澤さんは、”THE アイドルファン” みたいなオーラを放ってたんですね。
 話しかけるなら、この人だ、と (笑) 。

(※1 ◇今月の隊員さん◇ 第26回:いけださん )
(※2 ◇今月の隊員さん◇ 第55回:藤澤宜志さん )
 ともに上田理子さん推しで、ばってん少女隊結成当初から (というかそれ以前の時代を含めて) 長年現場に通い続けている最古参隊員。特にいけださんは、上田さん初お披露目となった “福岡営業所立ち上げ現場” に居合わせた最古参中の最古参。詳しくは上の記事を参照ください。

「自分は今日が初めての現場なんですが、ばってん少女隊の現場歴は長いんですか?」と、藤澤さんに話しかけると「あ〜前身グループのF-girls(仮)の頃から知ってますよ」「すごいですね!」なんて話してたら、開演前に自分がペンライトを買い忘れてたことに気付きました。
 その話をすると、反対隣からいけださんが「あ、私ペンライト貸せますよ」と、声をかけてくださったんです。そして「私、コレしか持ってないんですけど」と言いながら手渡してくれたのが「上田理子」と、でっかく描かれたペンライト (笑) 。
 なんというか、ペーペーの新参者なのに、前身グループの頃から現場に通ってる方が気さくに相手してくれたり、推しの名前入りの魂がこもったペンライトを貸してくださったりと、こんなに優しくしてくれるんだ。。。アイドル現場って良いところだな、と思いました。

「あ、自分、本当に瀬田さくらちゃん推しになるわ」って思ったのは、その日最後にさくらちゃんがお客さん一人ひとり順番に目を合わせて「ありがとう」「ありがとう」って言う時間があったときです。
 会場にはお客さんが何百人もいるのに、丁寧に一人ひとり全員に対して「ありがとう」を伝えるって、普通ありえないじゃないですか。
 自分自身が、両親の影響か、感謝については言葉にしてきちんと相手に伝えたいと普段から思ってます。それを実践するさくらちゃんの姿を観たのが、自分の心のペンライトにでっかく「瀬田さくら」と刻まれた瞬間でした。


■彼女が好きな服

 学生時代を振り返ると、自分に対して、やりたいことを持たずに生きてきたように思います。
 何となく、兄がやってたからという理由で同じ部活に入ったり、公務員になったのも高校の先生に勧められたからですね。
 それが社会人になって、一人暮らしを始めたあたりから、少しずつやりたいことを始めました。
 まず、世界王者・井上尚弥選手に憧れてボクシングを始めました。
 それから、お給料を使って好きな服を買うようになります。
 アイドル現場でも公式Tシャツではなく、自分が好きな私服を貫いてました。
 ただ、今年8月にさくらちゃんの卒業が発表されてからは、少しでもカッコ良く思われたいと思って、少し路線を変えてます。
 ちょっと前までの自分は、グランジ系と呼ばれる、ニルヴァーナカート・コバーンに影響されたファッションだったんです。ダメージジーンズとか、わざと傷んだ素材の服を着るスタイルで、髪型もゴリゴリにツイストスパイラルパーマあててました。
 正直、女の子ウケは良くない自覚があったし、何よりさくらちゃんに会える時間は限られてるんだ。。。と思ってから、今は髪の毛をサラサラヘアーにして、ワイシャツにネクタイとかキレイめの格好で現場へ行くようになりました。

 アイドルファンの分類で言うと、自分はガチ恋ですね。卒業前、少しでもアピールして推しにモテようとしてるくらいですから (笑) 。
 ただ、自分がガチ恋だと、さくらちゃんに伝えたことはないです。
 自分の記憶の限りですけど、さくらちゃんはSHOWROOM配信で「ガチ恋」というワードにあまり良い反応してなかったはずなんですよ。時期は、せたせいたん! の前だったかな。
  “ガチ恋ヲタクをどう思いますか?” みたいなコメントに対して、”私はそういうタイプのアイドルじゃないと思います。アイドルの在り方はそれぞれだけど、私は私なので” みたいな。
 そういう記憶があったから、さくらちゃん本人の前ではガチ恋だと言わないように決めてたんです。
 。。。と言っても、推しを前にすると、ガチガチに緊張して大体いつも同じことしか伝えられず、「今日も可愛いです」「推してます」みたいなことを言って終わってます。特典会に参加してる時点で、そんなこと分かっとるわ! って感じですね (笑) 。

 卒業が発表されて、初めて関東遠征をしたんです。
 その時点で発表されてた特典会は、タワーレコード渋谷でのリリースイベント (2024年 8.25) が最後だったこともあって。
 ツーショット撮影で「最後なんで、ポーズおまかせでお願いしていいですか?」と言ったら、さくらちゃんはスッと左手薬指の指輪を見せるポーズをして、撮り終わった後に「ガチ恋ですもんね~」と。
 あぁ。。。この人には全部バレてたんだって思いました。


■ファイトマネーを受け取らないプロボクサー

 ボクシングは高校を卒業してから始めて、もう4年ぐらいやってますね。
 去年の3月にプロテストを受けて合格しました。
 プロになったのは、”向いてるから” です。
 こう言うと、まるで自分が強いと言ってるみたいですが、そういう意味ではないです。
 ボクシングの場合、アマチュアとプロでは、そもそもルールが全然違います。
 アマチュアは、グローブが大きく、ヘッドギアを着けることもあり、打ち合ってもなるべくダメージを受けない配慮がされています。そして、”いかに的確なパンチを数多くヒットさせるか” でポイントを競い合うので、テンポが速くてテクニックがある選手が多いです。
 一方で、プロボクシングは、グローブが小さく、より拳に近い感覚になるし、ラウンド数も増えて、その中で、”いかに相手をダウンさせるか” という競技になります。

 自分は社会人から始めたので、長くやってる方と比べて経験値に差があり、テクニック面で劣ってしまいます。
 むしろ、勢いでいけるプロボクシングの方が向いている。
 だから、プロのライセンスを取りました。
 プロボクサーとして試合もやっています。でも、本業は公務員で副業禁止だから、試合してもファイトマネーは受け取らない形でやってるんですけど。
 職業:公務員。ボクシングはプロだけど、報酬なし。
 ボクシングをやる先に何があるのか。。。ですか? う〜ん、何でしょうね (笑) 。

 ちなみに、人生初めての特典会では、ばってん少女隊6人とファイティングポーズを決めました♪


■ヲタクって原動力そのものだと思う

 隊員であることは、現場仲間以外、誰にも話してないです。
 職場でも公言してないし、ボクシングのジムにも言ってない。家族仲が良くてよく集まるんですけど、ばってん少女隊のことを話したことはないです。
 現場と地元宮崎県での生活は完全に切り離されてますね。
 でも、ガチです。自分は、ガチ恋です。今のスタイルが自分に向いてるんだと思います。

 現場行きたいから、仕事がんばろうとか。グッズ買いたいから、推しとツーショット撮りたいから、しっかり稼ごうとか。
 ヲタクって原動力そのものだと思うんですよ。
 逆に言うと、自分の中でモチベーションを作り出して取り組むことじゃないと思うんです。分かってもらえますか?
 アイドルを推して、その先に何があるかと言ったら。。。生活にハリができる。それで良いと思います。
 だから、わざわざSNSで現場の不満とか書かないし、楽しかったこと、推しの素晴らしさを発信する。
 それが自分のヲタクのポリシーとしてあります。

 現場に通い始めた頃の思い出で、初めて特典会の列に並んでたら自分の前に、ゼッケンを着けてる人がいたんです。ゼッケンには「隊員」と描いてあって (笑) 。
 めっちゃ変な人いるやん、と思った相手がゆだしさん (※) でした。
「何着けてるんですか?」と話しかけたら「特典会やイベントに参加するときは、ぱっと見で分かるメッセージをゼッケンに描いて身に着けると、より楽しさが増すんですよ」と優しく教えてくれて、特典会に参加するまでの流れとか、どんなポーズをしたら良い写真が撮れるかなど、親切に教えてもらいました。

(※ ◇今月の隊員さん◇ 第93回:ゆだしさん )

 話してみたら、良い意味で全然特別な人じゃなくて、ゆだしさんを介して現場仲間の輪が広がっていったんですけど、接触厨も楽曲派もいて、楽しみ方は人それぞれ。周りの迷惑には気をつけながら、みんなで現場を作ってました。
 色んなアイドル現場へ行くDDの方も、“隊員の日” があるなら立派な隊員です。
 それがばってん少女隊現場に通って、改めて感じたことです。

 今後のばってん少女隊に期待することは。。。
 うーん、新メンバーが入ったり色々なことが変わるんでしょうけど。。。
 今のまま成長してくれたら良いです。今のばってん少女隊が、自分は大スキです。





<「今月の隊員さん」について>
 この企画は、タワレコオンラインで連載されていた「アイドルのいる暮らし」へのリスペクトをこめたパクリ企画です。
 福岡県のローカルアイドル・ばってん少女隊のファン (通称:隊員) にはどんな人がいるのか?
 どんなきっかけで隊員になったか、普段はどんな生活をしているのか。
「風変わりな人」として伝えられがちなアイドルファンの姿を、もっと真っ当に伝えたくて、隊員の方にガチでインタビューしてきました。


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