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瀬田さくら、ばってん少女隊および、芸能活動終了〜僕らはそうして明日を生き続けるのでしょう〜

 本日、瀬田さくらさんが12月7日のライブ (@福岡・UNITED LAB) をもってばってん少女隊を卒業、および12月31日でスターダストプロモーションを退所することが発表されました。
 公式の発表にある通り、本人から芸能活動終了の申し出があったそうなので、残念ですが、瀬田さくらさんが "みんなの前" にいてくれるのは、あと4か月です。


◾️「動物園の動物になりたい」と、瀬田さくらは言った

 以下、いつものように、愛称の "ちゃん瀬田" で書きます。

 現場へ行くと、特典会の列が1番長いのが、いつもちゃん瀬田でした。
「今日もちゃん瀬田すごい人気ですねー」
 という言葉が、天気の話題と同じくらい、隊員さんの間で "いつもの会話" だったように思います。


 そんなちゃん瀬田が、"もし人間以外の動物に生まれ変わるとしたら、野生の動物でなく、みんなから観られる動物園の動物として生きたい"
 そうコメントしたことがあります。
 2019年の春、GuuGooチャンネルのロケで北海道・円山動物園を廻ったときのことでした (動画の31:16〜) 。

 おそらく、「自分を観に来た人を幸せにして生きていたい」という気持ちが表れたのでしょう。
 ライブ中、レスを打ちまくり、毎回222人のお客さんを隊員にしていた、サービス精神の固まりのような、ちゃん瀬田らしい言葉だと思います。


 ただ、ちゃん瀬田は、無理をして、自分自身を偽ってまでアイドルをしようとはしておらず、できる限り "自分らしく" アイドルとして活動したいと思っていたことが、過去のインタビューから分かります。

--将来的に「こんなメンバーになりたい」とか「こんなグループにしていきたい」といった具体的なヴィジョンみたいなものはあったりしますか?

瀬田さくら:特にないです。今のまんま行きたいです! 無理にキャラクターを作ったりとか演じたりするのはイヤなんですよ。素のまんまを認めてもらえる存在になりたいです。

ばってん少女隊『無敵のビーナス』瀬田さくら単独インタビュー(2018年5.9)


 語弊を恐れずに書きますが、「素のまんまを認めてもらえる存在になりたい」と語る一方で、ちゃん瀬田は、ステージの上やカメラの前では、"アイドル:瀬田さくらの仮面" を被っていたと思います。

 周年ライブなど、大きなライブの最後の挨拶で、どんな文脈であろうと (他メンバーが涙で感情爆発していても) 、いつも「笑顔と感謝」の挨拶を "魅せる" のが、アイドル:瀬田さくらでした。

 他メンバーの気持ちを想像すると、大舞台を終えるまでには「笑顔と感謝」だけに収まりきらない、「たくさんの苦労や達成感など、諸々の感情」があるはず。
 その感情が、最後の挨拶で「一生懸命の涙」になって、一気にあふれ出してしまう。

 しかし、こういう姿を、ちゃん瀬田は、ほとんど見せたことがありませんでした。
 (私が現場で観た例外は、ライブでは2022年 11.26@中野サンプラザでの挨拶で涙を流したときだけ。→拙レポはこちら)


 嘘は言わないけど、裏を返せば、本当のことを「半分」しか言わない。
 それがちゃん瀬田の特徴の1つで、きっとそのストイックさが、アイドル:瀬田さくらの "自分らしさ" だったのだと思います。


◾️「あっ、こういう一面も出していいんだ!」って。

 本当のことを「半分」しか言わない、というのは、ちゃん瀬田本人も近い意味のことを語っていて、2020年のインタビューで以下のように話しています。

瀬田 私、しゃべるのも苦手だったし、笑うのも得意じゃなかったので、ファンの方からも、あんまり楽しんでいないように見えたみたいなんですね。でも、最近になって、いろいろといい意味で方の力を抜いて考えられるようになったというか、『ありのままの自分』を出せるようになったので、きっと、いままでとは見え方が違ってきているんだと思います。

――たとえば、どんなことでしょう?

瀬田 私、アニメが大好きなんですね。もともとオタクっぽい性格なので(笑)。ただ、いままではアニメ好きをあんまり表に出してこなかったんですよ。世間のイメージ的にどうなのかなとか考えすぎたりして。でも、実際にそういう話をしたらファンの方も普通に受けいれてくれて「あっ、こういう一面も出していいんだ!」って。それでどんどん『ありのままの自分』を出せるようになって、活動がより楽しくなりました!

まっさらな気持ちで前だけを! 『ばってん少女隊』瀬田さくらインタビュー(2020年 5.23)


 で、注目したいのが、上に引用したインタビューで「笑うのも得意じゃなかった」と自己言及している点です。

 本日20時からのばってん少女隊6人による生配信で、ちゃん瀬田が頬をぬぐう仕草をしながら言葉にしたのが、大意として以下の通り。
 "もともと笑顔が苦手な人間だったけど、ばってん少女隊として活動する中で、応援してくださる方々がたくさんいて、私は笑顔のアイドルになることができました"

 この言葉は、本日のために作った言葉ではなく、何年も前からちゃん瀬田が実感とともに、心に抱いていた真実です。

 ライブの最後の挨拶で、「笑顔と感謝」を "魅せる" のがアイドル:瀬田さくらだと、先ほど書きましたが、それは、自分を笑顔にしてくれた、多くの方々への感謝を、形として表し続けたからだと思います。
 それが、どこまでもストイックなアイドル:瀬田さくらの魅力でした。


◾️本当に「すごい」ばってん少女隊のライブ

 本日20時からの生配信で印象に残ったことは、ちゃん瀬田が語った「卒業理由」についてです。
 公式のコメントでは「新しい目標ができたため」と、最初に書かれていますが、生配信ではそうじゃなかった。
 理由として、「体力面の不安」が、まず語られました。
 レッスンなど、我々が見えないところでも、体力面で上手くいかないことがあり、不安が増えたとのことでした。


 現場歴の長い隊員さんなら、実は「お休み」や「体調不良」が1番多いのはちゃん瀬田だと知っています。
 かつて、体調を崩してしまい、声を出すことができず、ちゃん瀬田だけマイクをきゅうりに持ち替えて、ダンスのみのパフォーマンスでライブをしたこともありました (2017年 11.11@TSUTAYA O-EAST) 。
 このツアーでは、ファイナルの山口のライブ (2017年 11.19@LIVE rise SHUNAN) でも、ダンスのみのパフォーマンスでライブをしています。

 ライブはどんな感じだったか。
 ↑の動画を観てもらえば伝わると思いますが。。。

 もう、すごい盛り上がった。

 体調不良なんて感じさせないほど、本当に最高のライブでした (拙レポはこちら。また、↑の動画では、スタッフさんおよび、5人の献身的なサポートも "裏側" として収められています)


 で、私が言いたいのは、ばってん少女隊のライブは、あの頃よりも、活動年数を重ねるごとに、どんどん「すごく」なってるんですよ。
 とにかく「情報量」がすごい。

 分かりやすい例をあげると、2019年のZeppツアーと、今年、2024年のZeppツアー。
 どちらも、福岡、名古屋、大阪、東京のZeppを廻る点は同じですが、昔のZeppツアーは、第一部と第二部でセトリがほぼ変わらなかったけど、今年のZeppツアーは第一部と第二部で、全然違うライブやってます。

 曲数が増えて、レパートリーも増しているし。
 ダンスも、曲ごとに振付師さんを変えていて、本当に多様なバリエーションで、ハイレベルなパフォーマンスをするようになったし。
 (ちなみに、大阪での対バン相手:ukkaの皆さんが「さがしもの」のカバーを披露されましたけど、練習めっちゃくちゃ苦労したらしいです。「さがしもの」のダンスが難しすぎて、最初は全然できなかったそう)

 演出面もコロナ禍の「声出しNGの時代」に、「視覚的演出」が進化して、プロジェクションマッピングを使うようになったり、それを踏まえたパフォーマンスを頭に入れながらライブしてる。
 つまり、演る側の負担も、本当に「すごい」です。

 私はばってん少女隊のライブを観たら必ずレポ書く、書き終わるまで寝ない、をずっとやってるんですけど。。。
 なんというか、正直、最近レポ書くの、マジでしんどい。
 頭も体力も「削られる」感覚がエグいんです。
 レポで、「観て書く」だけでこんなに苦労するんだから、これを「作り出す」演者側がどれだけ大変なことをやってるか。

「新しい目標ができた」のは、嘘を言わないちゃん瀬田の言葉なんだから、真実でしょうけど、どんどん「すごく」なっていくばってん少女隊のライブに「体力の不安を感じた」というのも、ちゃん瀬田の真実なんじゃないか。
 この卒業発表は、笑顔を続けようとする、誇り高きちゃん瀬田の最後のプライドなんじゃないか。

「まだ踊り続けてよ」と言いたい気持ちも分かる。でも、このタイミングでバトンを渡すことが、「すごく」なるばってん少女隊が、さらに上へ行くための道なんじゃないか。


 それに、まだ、4か月も、ある。
 できることは、たくさんある。

 後から後悔しないように、ちゃんとしてくれてるんだばってん少女隊は。

 どんどん「すごく」なっていくばってん少女隊、これからも、ずっと応援しています。



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