◇今月の隊員さん◇ 第77回:あすろう隊員さん
【プロフィール】--------------------------
男性、40代、職業:Webデザイナー、東京都在住
ツイッター●https://twitter.com/@perma
隊員歴●2017年1月から
主なアイドル遍歴●私立恵比寿中学
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あすろう隊員さんは、東京都在住、45歳の男性隊員。現場では基本的に1人で行動しており、ばってん少女隊の現場歴は5年と決して短くはないが、現場での知り合いもほぼいないそうだ。
「アイドルに意味を求め過ぎず楽しんでいる」という彼に、ばってん少女隊の魅力、コロナ禍になって変わったこと、宗像の方々との交流、そして、もうすぐ22歳の誕生日を迎える希山愛さんへの想いなど、様々に語ってもらった。
■ばってん少女隊に救われた
ばってん少女隊の初現場は、2017年1月9日に池袋サンシャイン噴水広場で行われた、3rd シングル「すぺしゃるでい」のリリースイベントです。
何も予定がない日に、ふらっと足を運んでみた感じで、全然予習せずに行ったので曲もメンバーの名前もほとんど分からない状態だったですね。私立恵比寿中学のファンになって1年くらい経ったころで、ばってん少女隊のことは妹グループとして、グループ名を知っている程度でした。
そもそも、私立恵比寿中学以外のアイドル現場が初めてで、ショッピングモールの中で観覧フリーのミニライブをやって、CDを購入した方はその後の特典会に参加できる。そういうイベントは私立恵比寿中学ではもうほぼなかったので新鮮でした。
ライブの内容は正直あまり覚えてなくて、会場の雰囲気とか、そういうことばかりが印象に残ってます。
特典会で全員握手に参加し、「今日、初めて来ました。お名前と年齢を教えていただいてもよろしいですか?」って一人ひとりとお話しして、正直、もっと幼い子たちだと思ってたら意外と高校生だったりして (笑) 。素朴な感じ、擦れてない感じが幼く感じた理由かもしれません。
その日はそんな感じで帰りました。
そして、翌月の2月8日、私立恵比寿中学の松野莉奈さんが亡くなります。大きなショックを受けると同時に、アイドルを応援することに対して罪悪感に苛まれるようになりました。以前からアイドルの悩みや涙をコンテンツとして消費している自覚があり、例えばライブDVDを観るとき、パフォーマンス部分より、最後の挨拶でメンバーが泣いているシーンとか、そういうところを繰り返し観ている自分がいました。
そして、メンバーが亡くなるという状況さえ、自分は「コンテンツ」として捉えていないかと。
アイドルを好きになる前、センター発表の際に選ばれなかったメンバーが泣き崩れるとか、そういうのをドキュメンタリーにしていたりする文化が好きじゃないな、と感じていたはずなのに、メンバーの涙に心が動いてしまうのが正直なところで。
そんなふうに悩んでいたころ、1ヶ月前に池袋で予約購入していた3rd シングル「すぺしゃるでい」の見んしゃい盤が届きました。特典映像としてDVDに入っていたのが第1回おっしょい祭りが行われた、渡辺通り大会 (2016年 10.29@福岡BEAT STATION) の映像です。
開演前、緊張しながらもメンバーがライブを待ちわびている様子や、ステージで一生懸命にパフォーマンスする姿、そしてライブが終わった直後、汗びっしょりの6人が笑顔で達成感を語る、さわやかな映像が収められていました。そこに涙はなく、良い意味でエモ過ぎないところが良かったです。
ファンを楽しませたい、ファンに応援してもらいたいという想いが伝わってきて、そこは私立恵比寿中学や他のアイドルも同じだろうな、と。それなのに、アイドルを想って応援を辞めるのは矛盾だし、それこそ欺瞞だと思い直しました。
ファンができるのは、アイドルが提供するコンテンツにお金を払って楽しむだけという単純な結論を出せたことに感謝しました。
その感謝もあって、渡辺通り大会で発表された、初めてのライブハウスツアー「ばってん少女隊の、田舎娘が四大都市のライブハウスを巡るツアー」のファイナル (2017年 4.6@恵比寿LIQUID ROOM) に行きました。
今のばってん少女隊のステージと比べると、大掛かりな演出のないシンプルなライブでしたが、それが当時の自分にとってはストレートに刺さってきて、ジメジメしたことを考えずに済む、とても楽しい時間を過ごせました。
で、ハマりました。ちょろいです。
■ばってん少女隊の魅力、推しの魅力
ばってん少女隊の魅力は。。。ここまで来ると好きだから好きなんだと思いますが、あえて言えば好みの楽曲が多い点です。今振り返ると、最初のワンマンライブのとき、セトリのほとんどの曲をまだ知らなかったはずなのに、ライブ中ずっと楽しくて全曲が刺さりました。
音にこだわる反面、歌詞に意味深さを (自分は) 感じず、それでいて九州の言葉でフックがある歌詞になってるバランスが好きです。曲が短いのも良いです。
総じて、曲だけでなく、メンバーも運営も甘過ぎず・エモ過ぎず・近づき過ぎず、なところが推せます。
推しは1人に絞れないです。すいません。あえて絞って上田さん (上田理子) 、愛ちゃん (希山愛) の2人です。
上田さんの魅力は、他人と比べないところ。空気を読まないところ。八重歯です。
愛ちゃんの魅力は、他人への共感度が高いところ。努力や苦悩を見せずいつも笑顔でいてくれるところ。声です。
最初は上田さん単推しでしたが、現場に行ってから1年近く経ったころのグループ握手で、愛ちゃんが私の顔を見て「いつもありがとうございます!」と言ってくれました。
人生初認知でした。それから愛ちゃんのことが気になって今に至ります。要するに、自分のことを世界で初めて認識してくれたアイドルだから推し増ししたということです。
ちょろいです。
そんな感じで、ばってん少女隊のファン1年目で上田さん・愛ちゃん推しになり、現在も同じです。
コロナ禍になっても、特に熱が薄れることもなく、むしろばってん少女隊との距離は縮まったと感じています。
SHOWROOMで「この間のライブ、愛ちゃんと目があった気がします」とコメントしたら、愛ちゃんから「あすろうさん、目があった気がしますね!でも二部は赤のマスクだったような」と返されて、すごい。。。と驚きました。確かに自分は一部と二部でマスクを変えましたから。愛ちゃんのメンバーカラー:緑のマスクを一部では付けていたけど、二部では上田さんの赤へ。客席をしっかりと見てくれているんだ。。。ていうかバレてたんだ、という気まずさもありつつ (笑) 、細かい違いに気づいてくれることを嬉しく思いました。
名前まで覚えてもらったのは、コロナ禍になってからです。そもそも、コロナ禍になる前は特典会で自分から名乗らなければ、アイドルにファンの名前は分からない、というのが当たり前でしたから。でも、オンラインでの特典会だと申し込みのときに名前を記入するんですよね。スマホのカメラ機能でこちらの顔が映った状態で行う形式の特典会もありますし、コロナ禍になって初めて名前と顔の両方を覚えてもらった、というケースはたくさんあるのではないかと。
あと、ばってん少女隊の場合、コロナ禍になるタイミングでSHOWROOMやTikTokなどメンバー発信のものが増えたこともあります。メンバー個人の言葉が聞けるのは身近に感じますね。
■アイドルを好きになるきっかけ
岐阜県出身で大学から東京に住んでいます。大学生のころから、よくバンドのライブを観に行ってました。音楽雑誌ROCK’IN ON JAPANを読んで、ライブハウスやフジロックへ行く。そんな若者でした。
アイドルには価値を感じていなくて、今思えば少し下に見ていたと思います。
10年ほど前に結婚して、奥さんが女性アイドル好きなので、話題のネタとしてアイドル情報に目が行くようになりました。最初にばってん少女隊の現場に行くように勧めてくれたのも奥さんです。
仕事はWebデザイナーをやっています。
6年前、スマホのソーシャルゲームの開発運用をする会社で働いていたころ、週に3日くらい会社に泊まり込んで仕事する、みたいな毎日を送っていました。休みがなく、身も心も本当にしんどい時期でした。
そんなころに偶然、私立恵比寿中学の「頑張ってる途中」のMVにレキシの池田貴史さんが出てるのを見つけました。彼が昔やっていたバンド、SUPER BUTTER DOGが好きだったので「あの池ちゃんがアイドルに楽曲提供している。。。」と、最初はショックを受けました。でも、何度か繰り返し聴いているうちに理由も分からず、涙がポロッと出てきて。
もともと、自分は斜に構えて物事を見るタイプの人間で、がんばれなんて言われても素直に受け取れませんでした。でも、当時は働きづめで疲れ果てていて、素直に歌を聴くことができたというか。。。いや、疲れていなくても響いていたかもしれません。真っすぐなメッセージもイイもんだなって思ってると、自然と涙を流していました。
その話を奥さんにしたら、私立恵比寿中学のCDやDVDを買ってきてくれて、それからアイドルファンになった感じです。
実はアイドルの楽曲って、アイドルが歌ってれば、ジャンルは何をやっても良い、ものすごく自由度が高いフォーマットなんですよね。
もしバンドが同じことをしたら、音楽性にポリシーがないとか哲学がないだとか批判されるようなところが、アイドルがやるということに対してはむしろ「多様性」として受け止められる。
ある程度ネタ的なことをやっても許される空気があるし、自分が思っていたより、アイドルの楽曲って、ずっとすごいジャンルなんじゃないかと。
■おひとり様は、けっこういます
現場では基本的に1人で行動しています。奥さんもアイドルファンですが、AKBグループや坂道グループ、ハロー!プロジェクトが好きなので、ばってん少女隊の現場に一緒に行くことはないです。
ただ、ファンになって5年目の2021年、初めて現場仲間ができたというか、隊員さんときちんと話をしました。新メンバー初のリアルでのライブとなった城島高原パークのイベントのとき (2021年 4.29) です。
観覧エリアの整理番号が悪く、Twitterで「整理番号悪いけど全然イイや」みたいなツイートをしたら「ちょっと前の整理券が余ってるんですけど、どうですか」と連絡があって。「お願いします」と整理券をもらい、イベント中はそれぞれ別々で観るみたいな感じだったんですけど。
帰り際に「バスが出るまで一緒に時間つぶしませんか」って声をかけていただいて、城島高原パークの飲食店でバスを待つことになり、ばってん少女隊の話を始めたら、バス3〜4台見送ったぐらい話が弾んでしまいました (笑) 。ばってん少女隊を好きになった経緯とかを、お互いに話して。ばってん少女隊の話を、奥さん以外の方とこんなにしたのは初めてです。
20代くらいの、お若い男性隊員さんでしたね。福岡の方で、その後も現場で出会ったらご挨拶したり、一緒に行動することもあります。
でも、うーん、なんというか、1人だとしても現場は楽しいですよ。
何年も通ってみて思うのは、ファンの方は大勢いますけど、ライブというのは、最終的には1人で楽しんでいるものだと個人的には思います。
ライブ中、自分はエモさや演出の意図を求め過ぎないよう、あまり頭を使わないようにしています。すると、祈りの状態というか、1人で “ゾーン” に入っていく感じがあり、それを大勢の隊員さんとクラップやコールで共有してる矛盾に多幸感を感じるというか。。。大袈裟ですが、宗教的体験ってこんな感じなのかもしれません。
アイドル現場に限らず、バンドのライブでも同じような楽しみ方をしています。終演後、その思い出とかを誰かと語り会うのは楽しいことだと思うんですけど、ライブ自体は1人で楽しむものだと感じています。
まぁ何が言いたいかというと、一緒に行く相手がいないからばってん少女隊の現場に行くのを尻込みされてる方がいるとしたら、全然大丈夫ですよ、ということをお伝えしたかったです。ほんと、全然大丈夫です。おひとり様は、けっこういます。
自分もそれで5年通い続けてますから (笑) 。
■宗像観光、そして愛ちゃん22歳の誕生日
福岡へ遠征するときは、ばってん少女隊が観光大使を務めている、宗像市を観光することが楽しみの1つになっています。
東郷駅や道の駅むなかた、神湊の渡船場など、ばってん少女隊の観光大使のポスターが掲示されているだけで嬉しいです。至る所にばってん少女隊の跡があり、地元の方に「ばってんの方?」と話し掛けてもらえたり、他の地域じゃ絶対ない経験ができて楽しいです。ありきたりな言い方ですが、まさに聖地ですね。
大学で歴史学を専攻していたこともあり、宗像のことは世界遺産に選ばれるより前からある程度の歴史的な背景込みで知っていました。
でも、ばってん少女隊のファンになり、瀬田さん (瀬田さくら) の道の駅むなかたのお手伝い動画とか、宗像観光の動画、愛ちゃんのお芋植え動画などを観て、「世界遺産のまち」というより、今、宗像に住んでいる方々、地域への興味がわきましたし、最近では観光中に宗像の方とお話しすることも多いです。
例えば、道の駅むなかたで「FREEな波に乗って」のリリースイベントがあったとき (2021年 7.4) 、開催の何日か前に愛ちゃんがSHOWROOMで宗像のおすすめのお店を紹介してくれたなかに、東郷駅前のRococo (ロココ) というお店があったんです。
当日、バスを待つ時間が10分くらいあったので、その間にちょっと行ってみようと入ると、すぐに「ばってん少女隊のファンの方?」と、店長の女性の方に声をかけられました。
愛ちゃんと上田さんが一緒に来店したことがあるそうで、2人が座った席を案内してもらったり、食べたメニューを勧めてもらえて、その話があまりに面白く長居してしまい、イベントの特典券を買い逃しました (笑) 。でも、絶対こっちのほうが体験として貴重であったと後悔はしていません。はい。全然 (笑)!
もうすぐ、愛ちゃん22歳の誕生日ですね。今後、どんなことを期待するかというと。。。よく特典会では「10年後もお母さんになっても、ステージに立っていてくれると嬉しいです」って、そう伝えてます。それこそファンのエゴなんですけど。愛ちゃん自身、「おばあちゃんになってもアイドルをやる」みたいなことをMCで話してくれているので、それを真に受けているんですが。
と同時に愛ちゃん自身の、個人の幸せみたいなものもつかんでほしいなと思います。
Negiccoの3人が結婚していくタイミングを見てますし、赤ちゃんができてもまだアイドルを続けてくれるみたいな雰囲気があるので、あんな感じになってほしいと思います。簡単なことではないかもしれませんが、幸せな現場だと思います。美し過ぎる想像かもしれないですけど。
それに、個人の幸せなんて、ファンが想って良いところではないのかもしれません。プライベートの話だから、そこに想いを馳せること自体がルール違反なのかもしれませんし。
でも、ただ、なんというか。。。女性アイドルが年齢を重ね成長していくことに対して、ある一定の年齢以上になると「アイドルを辞める」以外の選択肢がないのは、ファンとして寂しいです。
Negiccoの他に、でんぱ組.Incの古川未鈴さんなど、お母さんになってもがんばってアイドルを続けている方はいらっしゃるので、何か新しい形にできないかなっていう希望は持ってしまいますね。
【隊員さん募集】
当ブログではお話を聞かせてくれる隊員の方 (18歳、高校卒業以上) を募集しています。
特別なエピソードは必要ありません。「ありのまま」で大丈夫です。
接触厨も楽曲派もOK。楽しみ方は人それぞれ。(でも周りの迷惑には気をつけてね)
DDの方も“隊員の日”があるなら立派な隊員です。
ご協力いただける方はhttps://twitter.com/SuhaiGenba までDMでご連絡ください。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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