レビューの金言:漏れ、曖昧さ、誤り

森崎先生の「間違いだらけの設計レビュー」(日経BP社)の中で、漏れ、曖昧さ、誤りの順でレビューシナリオの実施順を組む、という記述があります。

元論文はこちらのようです。

この記述を読んだとき、確かにそうだな、と思った一方で、うまくできていないこともよくあると自省しました。立場上、仕様書、設計書やテスト文書等をレビューする機会がよくあるのですが、漫然とレビューをしていると、真っ先に目につくのが誤記なのですよね。最も低優先度の指摘内容です。

レビューにおいてはまりやすい罠だと思うのですが、人間は書いてあるものが正しいかを判断するのは容易でも、書いていないことがあるかどうかについては意識的にそちらに考えを向けないと、指摘するのが難しいと思います。だから、「普通に」レビューを行っていると、誤り、曖昧さ、漏れの順で指摘が挙がります。そのメカニズムは、より狭い範囲で判断ができるから指摘しやすい、なのだと考えます。

でも、森崎先生のおっしゃる通り、考えてみれば「漏れ」という欠陥が残った場合のユーザ影響や開発の手戻りは明らかに大きいですよね。逆に誤記なんて残しておいても多くの場合は問題になりません。

指摘しにくいことが一番重要である、というのが漏れ、曖昧さ、誤りという言葉の伝えたいことなのだと推測します。

レビューが行われる会議室のいたるところに印刷して貼っておこう。

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